社会的養護施設第三者評価結果 検索

いちょうの家

【1】第三者評価機関名 (特非)あいち福祉アセスメント
評価調査者研修修了番号 SK18135
29地福第1810-1号



【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 佐藤 美子 所在地 愛知県
URL
開設年月日 2006年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人若竹荘 
職員数 常勤職員 9名 非常勤職員 5名
有資格職員 社会福祉士 3名 精神保健福祉士 1名
保育士 5名 幼稚園教諭2級 2名
幼稚園教諭1級 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 20室 (イ)設備等 (本館)事務室、便所、浴室、集会室、相談室、静養室・宿直室
(ウ) 心理室、倉庫等 (分館)学習室、保育室、事務室、相談室、 (エ) 湯沸室、書庫、便所、集会室、倉庫等
【3】理念・基本方針 (基本理念・施設理念)
母と子の生きる力を支え、寄り添い、共に歩む

 母親と子どもの権利を擁護し、安心・安全・安定した生活の営みを支え、
常に利用者の最善の利益に配慮し、自立に向けた支援を行う。

(基本方針)
・人権の尊重と
・利用者を主体とした支援
・関係機関との連携
・地域との連携
・支援の質の向上
・適正な事業運営
・行事
【4】施設の特徴的な取組 ・いちょうの家は平成18年4月1日から岡崎市の指定管理を受け公設民営施設として開設し、平成30年4月1日より社会福祉法人若竹荘に譲与され民設民営施設となる。閑静な住宅地が広がる中に位置し、交通の利便性もよい。玄関近くには事業所のシンボルである樹齢を重ねたいちょうの樹があり、日当たりのよい菜園には季節の野菜が植えられ、収穫をして各家庭の食卓に彩りを添えている。
・母親と子どもが、心や体を癒し自立に向けて再スタートをきるために、母親と子どもの主体性を尊重し寄り添った支援に努めている。また、自立に向けた経済的基盤の確立のため、就労状況に応じて学童保育や補助保育、病児保育などの子育て支援を通して安心して就労できるように支援をしている。
・施設の特性上可能な範囲で、事業所主催の「いちょう夏まつり」、外部の講師による子育て支援に関する講習や相談事業、地域小中学生を対象にした「こどもひろば」の開催などの行事等を実施し交流を図ったり、町内会や子ども会の行事への参加をしている。また、地域団体への分館貸し出しや子ども110番の家、福祉ニーズに基づいた独り親家庭への電話相談なども行っている。
・日常生活への支援の一環として、節分や雛祭り、端午の節句など季節や日本古来の伝統行事や七夕会、夏祭やクリスマス会、親子バス遠足や学童デイーキャンプなどを計画し生活の中での潤いや楽しみが味わえるように努めている。
【5】第三者評価の受審状況 2020年08月27日(契約日)~ 2021年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
・母親や子どもが清潔で安心して過ごせるように、施設設備や居室環境の改善などを計画的に実施し快適に過ごせる環境の確保に心がけている。今年度、コロナウイルス感染症対策として、母親や子どもへの周知や徹底を図ると共に、コロナウイルス感染症者や濃厚接触者発生時の隔離体制として、国や市の補助金を投じて分館の風呂場の改修を予定している。
・第三者評価の自己評価票を用いて毎年自己評価を実施し、評価結果は独自の方法で、評価に対する全項目について個々の職員やグループの意見、課題などをまとめ表示している。また、結果をまとめて総括会議で検討し、総括会議資料に明記している。
・自立支援計画の記録の書き方や内容について差異が生じないように手順書に基づいて記録するように心がけている。会議において状況把握、必要な支援の検討等を協議し、その結果を全員で共有している。記録は同一のソフトを使用し、共有を図るようにしている。
・施設の運営、経営に責任を負う施設長の役割と責任について管理規定に明記し、口頭でも表明している。また、有事の際の施設長の役割と責任について、不在時の権限委任等を職務分掌や防災計画、BCPマニュアルの中に明確化し、会議等の折に振返りをしていくように努めている。
・アウトリーチ活動として、事業所主催の「いちょう夏まつり」や外部の講師による子育て支援に関する講習や相談事業、地域小中学生を対象にした「こどもひろば」の開催などを実施し交流を図ったり、母親や子どもが町内会や子ども会の行事への参加をして地域交流の機会としている。地域団体への分館貸し出しや子ども110番の家、福祉ニーズに基づいた独り親家庭への電話相談なども行っている。分館においての地域に向けての事業開催や民生委員連絡協議会や、健康体操などお年寄りのクラブなどの集会や会議を通して地域情報の把握に努めている。また、市との協定の基、DV世帯や妊婦などを対象とした災害時の福祉避難所として登録をしている。

◇改善を求められる点
・法人の中・長期計画に基づいて、利用者を主体とした支援、関係機関との連携、充足率の向上を具体的な項目としていちょうの家の中・長期が策定されているが、収支の裏付けは示されていない。また、中・長期計画を踏まえた具体的な単年度の計画は、「今年度の重点項目及び取り組み」として文書化しているが、収支の裏付けは示されていない。
・事業所の継続的な運営には、地域の潜在的なニーズの把握や充足率の安定、施設環境などの修繕や改修、修理なども重要な課題となる。中・長期計画に示した具体的なビジョンの実現のためにさらなる具体的な計画を作成し、それに基づく収支の裏付けをしていくことを期待したい。また、単年度計画についてもより具体的な方向性や内容等を明示し、収支や数値目標、具体的な成果等が設定された単年度の事業計画としていくことを期待したい。

・法人の就業規則に人事基準や職員像が記載されているが、法人として総合的な人事考課は行っていない。また、職員一人ひとりの育成に向けた取組については、施設長として職員それぞれの期待したい職員像や目標を保有し、職員も個々で目標を設定し業務にあたっているが、組織として目標管理のための仕組みが構築されていない。
・人事考課を導入し、職員が、自らの将来の姿を描くことができるような総合的な人事管理の仕組みづくりをしていくことを期待したい。また、目標管理システム等について、法人としての方針や意向を確認し導入していく中で、目標管理に向けて面接を実施し目標達成度の確認を行い、結果をフィードバックしていく過程で職員の意欲を喚起し、人材の能力開発や育成等に役立てることを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  当施設では、共同風呂・共同トイレという環境のなか、それでも当施設で、母と子が様々な課題を解決して自立していこうと決意して入所し生活している。その想いに少しでも応えるために今出来得る施設設備や居室環境を整えてきた。先日、今年度予定していた分館風呂改修が終了し、コロナウィルス感染症対策の隔離体制を作ることができるようになった。
 また処遇面ではDV被害者だけでなく精神障がい・発達障がいを持つ利用者や外国籍の方、戸籍の無い子など難しい事例が多く、幅広い知識とそれぞれの状況に合わせ必要な関係機関との連携が必要となっている。その為にこれまで、できるだけ多くの研修等に参加し資質向上に努めてきた。しかし今年度はコロナウィルス感染予防の為、研修への参加を必要最低限にしてきたが、期間が長くなってきた為オンラインでの研修・会議の参加ができるように環境整備を行った。今後、事態が収束し、研修等に参加できるようになっても、必要に応じてこの環境を有効に活用できるようにしていきたい。
 自立支援計画についてはこれまで世帯の自立支援計画を作成し福祉事務所に提出してきた。それを、一昨年から作成してきている子どもの自立支援計画と合わせて行うことを勧め、児童福祉施設として子どもを育み、子どもが育つことを保証していきたいと考える。
 最後に法人の事業計画や就業規則については、今後法人の本部会議・事業運営会議等で検討していきたい。
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