社会的養護施設第三者評価結果 検索

さくらの森乳児院

【1】第三者評価機関名 (一社)Riccolab.
評価調査者研修修了番号 SK2019009
SK2019010



【2】種別 乳児院 定員 20名
施設長氏名 小林 亮一 所在地 茨城県
URL http://www.doujinkai.or.jp
開設年月日 2011年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 32名 非常勤職員 2名
有資格職員 社会福祉士 1名 児童指導員 1名
保育士 18名 看護師 5名
栄養士 2名 調理師 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 ほふく室・観察室・調乳室・プレイルーム・ナースステーション・沐浴・便所・洗面室 (イ)設備等 家族訓練室・調理室・病室・診察室・審理室・面会室・職員室・ショートステイ室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
綱領「合掌深敬(感謝して深く敬う)」を基本理念としており、これを「人権を守る」と定義し①あなたのことを知っています。②あなたに関心があります。③あなたを必要としています。と解釈している。
【基本方針】
1.「愛着関係の形成」を重視した個別的対応や、小規模グループでの養育を行う。
2.子どもたちがよりよい生活を送ることができるよう、人的な環境の整備を行う。
3.子ども、家庭、地域等の総合的な調整を図り、里親委託を含めた早期家庭復帰支援を行う。
4.心理療法担当職員が発達検査をしてその子に応じた発達支援を行うと共に、保護者対応のための助言を行う。
5.里親支援専門相談員を中心として地域の里親支援を行う。
6.積極的に研修に参加して、職員の養育技術向上に努める。
7.家庭や、地域社会との連携を密にして、豊かな人間関係の基礎を培う。
8.子どもの成長に合わせた食育の計画及び実践を行う。
【4】施設の特徴的な取組 近隣10市町のショートステイ受け入れ
県内養成校の実習生受け入れ・県内大学介護等体験受け入れ
法人内外研修への積極的な参加
ホームページにて情報公開
【5】第三者評価の受審状況 2020年04月17日(契約日)~ 2020年12月24日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

○「子ども一人ひとりの養育・支援の質の向上を目指して、多職種で関わりながら発達・成長を見守りつつ、支援を展開している」
 施設では、担当養育制を採用して愛着形成を進めるとともに、子ども一人ひとりの養育・支援の質の向上を目指して、自立支援計画書を2ヶ月の頻度で見直しつつ、グループ会議や職員会議等で話し合いを重ねて支援を展開している。子どもたちの生活をよりよくしていきたいとの思いは各職員共通であり、多職種間でそれぞれの役割に基づき子どもと関わりながら発達・成長を見守りつつ、支援を展開している。

○「保護者・里親との丁寧なかかわりを積み重ねて信頼関係を構築し、子どもの最善の利益を念頭に家庭復帰及び里親委託に向けた支援に尽力している」
 施設は、家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員を窓口に児童相談所と連携を図り、家庭復帰及び里親委託の方向性を検討し、対象となる子どもと保護者、里親とのマッチングを丁寧にすすめている。保護者や里親が抱く不安や心配への気持ちに寄り添うとともに、子どもの気持ちは担当養育者が受け止める等、職員それぞれの役割により、愛着形成への支援を行っている。また、看護師・栄養士・心理士等をはじめとする施設職員がそれをサポートする等、子どもの最善の利益を念頭に、より良い方向に向けた支援に尽力している。

◇改善を求められる点

●「組織性に関する学びの機会を多く用意することによって各職員にその重要性の理解促進を図るとともに、一体感ある施設運営につなげていくことが期待される」
 子ども一人ひとりに適した養育・支援を目指して各職員が懸命に取り組むとともに、それぞれ学びの機会を得て専門的スキルや知識を習得している一方、組織性に関する学びの機会が少なく、結果として各種会議での有効な話し合いや、チームワーク力を高める取り組みにつながっていない状況がうかがえる。今後は、各職員が組織性を学ぶ機会を多く用意することにより、その重要性の理解促進を図るとともに、会議の進め方や提案方法、さらには子どもへの養育・支援の領域以外の業務の進め方を見直していくことで、一体感のある施設運営につなげていくことが期待される。

●「多様な養育観、経験値を持ち合わせた職員の背景を踏まえ、養育マニュアルのさらなる充実が望まれる」
 養育マニュアルには、子どもに安心・安定した日常生活を提供するために必要な業務手順が詳細に示されており、職員は日々一貫した対応ができるよう努めている。一方、職員としての経験年数、養育観等に多様性が生じている現状において、現在の内容はあくまで業務手順にとどまっており、子どもを養育するうえで、どうしてその対応が必要であるか等についての記載が十分とはいえない状況となっている。今後は、経験値や養育観の違いを踏まえながら、各生活場面での対応における意味等を職員間で確認し合い、擦り合わせをすることで、施設が提供する支援について共通認識を深めていくことが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント さくらの森乳児院として3度目の第三者評価受審となります。前回指摘されていた点について取り組んできましたが、抜本的な改善には至らず、今回も同様の課題が指摘されています。乳児院としての構造的な問題でもあるため難しい部分ではありますが、職員が働きやすい環境を整えるうえでも、今回の受審結果の理解を職員一人一人が深め、組織的な改善をしていけるよう取り組んでいきます。
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