社会的養護施設第三者評価結果 検索

つくば香風寮

【1】第三者評価機関名 (一社)Riccolab.
評価調査者研修修了番号 SK2019009
SK2019010



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 江原 勝久 所在地 茨城県
URL https://doujinkai.or.jp/
開設年月日 2011年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 30名 非常勤職員 0名
有資格職員 社会福祉士 6名 精神保健福祉士 1名
保育士 11名 臨床心理士 1名
調理師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 個室12室・2人部屋3室 (イ)設備等 静養室・宿直室・家族訓練施設・セラピールーム
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
綱領「合掌深敬の心」を基本理念とする。
合掌深敬とは「感謝して深く敬う」との言葉であるが、狭義では人間尊重や個性尊重を意味している。
 しかし、課題として捉えるには漠然としている。故に、これを「人権を守る」と定義し、以下のとおり解釈する。
・あなたのことを知っています
・あなたに関心があります
・あなたを必要としています
これらを具現化するために、次のとおりに実践する。これらが、私たちのめざす「自立支援」の基本です。
・「あなたのことを知っています」とは、その基本は名前を知っているということです。必ず名前を呼ぶようにしましょう。
・「あなたに関心があります」とは、人間関係を示唆し、その基本はあいさつすることにあります。常に明るくあいさつすることを心掛けましょう。
・「あなたを必要としています」とは、「ありがとう」と言葉でいえることです。
 私たちは福祉を志し、奉仕やボランティアのこころを強く持っているため、常々「ありがとう」と言われる立場にあります。しかし、福祉の専門職としては、私たちが「ありがとう」と言える環境を造ることが求められています。子ども達の行事の参加や常々のお手伝いの中で「ありがとう」と言える場面を沢山造っていきましょう。
【基本方針】
「地域社会における社会的養護のニーズに応えた、児童養護施設の安定的・継続的運営に努めるとともに、変容する多くの子ども家庭福祉の課題に柔軟かつ主体的に取り組みます。子ども達の生活支援において「受容・共感」「支持」「教示」を援助の基本とし、安心と安全の維持に最大限努力して、その子ども一人ひとりの健全な自己実現の助けとなる自立援助を実践します。
さらに、その子どもの声に丁寧に耳を傾け、子ども自身の意思や選択が反映されたより家庭的な生活支援の実現を目指します。
 子ども達の生活支援を地域生活の中での実践し、それらを通して地域に子どもの権利擁護意識啓発の発信する、地域児童福祉への専門性還元を視野に入れながら、地域と一体となった施設運営を目指します。」(施設運営基本方針)
【4】施設の特徴的な取組 ・職員全員がペアレント・トレーニングを学んでいる。(援助技術の標準化)
・アセスメントシートを作成,更新し,援助方針を立てることに役立てている。
・施設内外の研修に積極的に参加している。
・施設の高機能化,ケアワークの質の向上のために,治療的養育基本方針を掲げている。
・里親リクルーター,里親支援専門相談員がメインとなり,里親支援機関となっている。
【5】第三者評価の受審状況 2020年05月08日(契約日)~ 2020年12月24日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

○「安全性向上や子どもの養育・支援の充実に向けて、さまざまなしくみを導入している」
 施設では、ヒヤリハット報告書の提出件数が増加しており、気づきを共有して事故予防対策を講じている他、実習生から養育・支援場面で違和感があること等の意見を求め、質の向上の参考にしている。また、子ども一人ひとりからも年3回、個別に面談を行い、聞き取りを実施して意向把握に努める等、さまざまなしくみを導入することにより、施設内の安全性向上および子どもの養育・支援の充実を図っている。

○「子ども一人ひとりの意向、背景を把握して、個別性を重視した支援に尽力してている」
 施設は、「受容・共感」「支持」「教示」を援助の基本とし、日々の支援においては、「子どものために」を職員間の共通認識としている。日常生活の中で、子どもと個別の時間を設けることを意識し、愛着形成を図っている他、子どもからの意向・要望に対しては、直ぐに「ノー」とは回答せず、どのようにすれば可能になるかを考え、検討する風土が醸成しており、実現につなげる等、個別性を重視した支援に尽力している。

◇改善を求められる点

●「職員の生活スタイルの変化に合わせた勤務体制や職場復帰するルートの整備等に取り組んでいくことが期待される」
 児童養護施設で働くことに魅力を抱いて入職して以降、子どもの最善の利益等を念頭に置き懸命に取り組む一方、年度途中で退職する職員が続き、当初予定していた人員体制での運営が難しい状況がうかがえる。また、職員の生活スタイルが変化したことにより、通常の勤務シフトに入ることができず退職する場合も散見される。今後は日勤のポストを創設したり、職場復帰のルートを整備する等、新たな取り組みに着手し、職員が働き続けることができるしくみの構築に努めていくことが期待される。

●「現状の記録に関しては、課題に着目した内容が散見されることから、ストレングスの視点を反映していくことに期待したい」
 施設では、子どもの日々の記録を業務管理システムに記載して、職員間で共有している。生活・学習・学校等の項目立てを行い、具体的な内容には、本人の行動や発言、職員の声かけと、それに対して応えた子どもの言葉等、やり取りを記録して、職員間で共有を図っている。記録内容は主任や施設長が目を通し、必要に応じて適宜助言・指導を行っている。一方で、記録には課題に着目した記載が散見されていることから、今後は、記録上もストレングスを意識した視点を反映させていくことが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回の第三者評価受審を通して、つくば香風寮の課題点と強みを整理し、確認することができました。課題点については、今後の具体的な取り組みを立案、実行し、また、高く評価していただいた点についても、より高いレベルを目指して進歩させ、子どもの支援に繋げていきたいと考えております。この度は本当にありがとうございました。
第三者評価結果はこちら