社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖智学園

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15190
1502C031



【2】種別 児童養護施設 定員 42名
施設長氏名 三浦 一広 所在地 兵庫県
URL
開設年月日 1955年09月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 椎の木会
職員数 常勤職員 35名 非常勤職員 7名
専門職員 社会福祉士 2名 保育士 4名
社会福祉主事 2名 中学校教員免許 10名
栄養士 2名 臨床心理士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 12室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針  子ども達の最善の利益を実現し、子ども達の権利擁護を図りつつ、「個性豊かで心たくましい思いやりのある人間として育つ」ことが出来るように支援していきます。また、職員の専門的かつ適切なサービスを提供し、地域社会に必要とされる施設を目指します。
【4】施設の特徴的な取組 ①30人定員の大舎制を活かし、「全員」で何かをやり遂げることに重点を置いている。そのため施設全体の一体感・団結力が強い。毎年冬に幼児から職員まで全員で「学園駅伝大会」を行っており、チームワークの大切さや、協力して一つのタスキをつなぐことで協力することの大切さを伝えている。終了後には表彰式や区間賞の発表などもしており、こどもの楽しみの一つの行事となっている。

②食事は全員でそろって「いただきます」の挨拶をし、施設全体の一体感を図るとともに暖かな家庭的雰囲気を大事にしている。また、陶器の食器を使用することで、食事マナーや物の大切さを伝えている。また食育も兼ね夏にはトマトやキュウリ、冬にはほうれん草や大根などそれぞれ旬の野菜を育てている。主に担当児童が中心となり、幼児から職員までそれぞれが出来ることを考え、協力し取り組んでいる。実際に農作業を体験することで野菜を育てることの「楽しさ、難しさ」収穫する「喜び」食べることへの「関心、感謝の気持ち」を学ぶ一環となっている。

③年齢や男女で分けることなく、行事や普段の遊び(主に外遊び)に参加させている。毎年10月に地域の福祉祭りに参加しゲームコーナーを行なったり、子どもと職員が手作りしたミサンガや雑貨などをバザーに出している。そこで得た売り上げの使い道については子ども達で考え寄付などに当てている。また、ステージを盛り上げて地域の人に楽しんでもらおうと、子どもと職員でダンスを練習し当日はハロウィンが近いためみんな仮想しステージを盛り上げている。
【5】第三者評価の受審状況 2016年12月06日(契約日)~ 2017年11月28日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 昭和30年に個人経営の養護施設(定員幼児5名)として開設、その後、定員は30名になりました。開設以来、兵庫県内で最も小規模な施設として、淡路島の自然環境を活かしつつ「家庭的雰囲気を大切に」を施設運営の基本として運営してきました。平成15年に現在の社会福祉法人の運営になり、平成24年に現在の建物に全面改築、住宅街の中にあり一見すると施設とは判らない外観で、建物は将来の小規模化を見据えた構造(一部ユニット化)となっています。平成25年には特別支援学校に通う入所児童を対象とした地域小規模児童養護施設「まほろば」を、平成27年1月には高校生の自立支援を目途とした二番目の地域小規模児童養護施設「あすなろ」を近隣に開設し、現在の総定員は42名となっています。地域との関わりを大切にし、地域にとけ込んだ施設運営を心掛けています。

◇特に評価の高い点
自己評価と迅速な課題解決の取り組み
 平成26年度に社会的養護施設第三者評価を受審し、それ以外の年にも自己評価を実施しています。それぞれの評価の結果を組織的に分析検討し、課題を抽出して改善への迅速な取り組みを行っています。完全な改善に至っていない項目もありますが、その取り組みは評価できます。

地域福祉ニーズへの対応
 地域の関係機関との緊密な連携を図るなど、地域に根ざした施設運営が行われています。地域の福祉ニーズに対応して、平成28年度には「子育てママ支援事業」を実施、今年度は地域の子どもの貧困対策として「子ども食堂事業」を予定しています。また将来的には、地域の福祉ニーズに対応するための幅広い事業展開を具体的に計画しています。施設・法人の社会貢献事業として評価できます。

学習指導の充実
 平成27年度より公文式教育(算数・数学)を幼児から中高校生を対象に導入。基礎学力の向上と学習習慣の確立につながっていると評価できます。また、中学生以上には学習支援員による個別指導が行われています。加えて、ウェブ学習教材が、入所の子どもたちだけでなく、一時保護やショートスティの子どもたちにも利用されています。

地域小規模児童養護施設「あすなろ」でのリービングケア
 平成27年1月に開設された「あすなろ」において中高校生へのリービングケアが行われており、子どもたちが社会に巣立っていくための自立性が養われていることが評価できます。

◇改善が求められる点
リスクマネジメント体制の整備
 前回の第三者評価において「改善が求められる点」として、リスクマネジメント体制の推進が指摘されていました。今回の受審ではリスクに関する各種のマニュアル類は整備されていますが、今後は、ヒヤリハット事例(事故に至らない事例)のさらなる取り組みとともに、定期的な話し合いの中で、生活のリスクや子どもの安全への具体的な点検、職員の意識の向上、そして、その記録化が求められます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  評価機関のご指摘を頂いた内容につきましては、本受審終了後当施設担当者にて協議を行い、さらなる取り組みが継続し行われるよう改善・周知を行っております。また、予備受審終了後に作成運用を始めました内容につきましても、評価・検証・改善に取り組んでおります。
 これまでに高く評価をして頂いた内容についても、更に継続的な改善を推進し、子どもたちの安心・安全が守られるよう、職員全体で養育の向上に取り組んでまいります。

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