社会的養護施設第三者評価結果 検索

あいさんテラス

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK15105
SK16016



【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 伊東 亜樹 所在地 愛知県
URL
開設年月日 2014年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 愛燦会
職員数 常勤職員 24名   非常勤職員 11名
専門職員 管理者 1名 保育士 9名
児童指導員 11名 管理栄養士 1名
社会福祉士 1名 臨床心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 33室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 ★理念
・法人
あなたが楽しいと私は嬉しい
・施設・事業所
テラスに関わる全ての人が毎日幸せだと感じられるために、物心両面での環境を整える


★基本方針
①安心安全:健やかな成長の為に環境整備に努めます。目配り、気配り、心配り、思いやりを持って行動します。『先手必笑』あいさつをします。
②自立発達支援:子どもが迷わないよう、それぞれの個性に合わせた支援をします。言葉よりも行動で自主性を伸ばします。長所、短所を受け入れて成長を促します。
③余暇活動:誰もが仲間意識を持ち助け合い、感謝の気持ちを育みます。スポーツや行事を通して礼儀を学び心身共に成長できる支援をします。積極的に地域、他業種施設との交流が持てるように支援します。
【4】施設の特徴的な取組 <環境整備の徹底>
 当施設は新規開設3年目で、養育の技術や歴史の中で培ってきた経験においては、他施設には到底及ばず、我々が子どもに与えられることは僅かです。だからこそ、言葉で説得したり、文章で伝えるよりも、態度や行動といった体で見せていくことを第一歩として取り組んでいます。
 特に、誰にでもできる掃除こそ、徹底することによって謙虚で健やかな心で居られるものだと考えております。このため、職員、児童ともに、環境整備の徹底に毎日取り組むようにしています。これにより、職員、児童とも、心の荒みの解消につながるものと考えています。

<呼称の徹底>
 「自分自身、自分の子どもがされたくない養育はしない」という方針に則って、呼び捨てやあだ名で相手を呼ばない事を徹底しています。これは、職員間でも同じです。
【5】第三者評価の受審状況 2016年12月02日(契約日)~ 2017年04月17日(評価結果確定日)
受審回数 - 前回の受審時期 -
【6】総評 ◇特に評価が高い点

◆施設長の牽引力
 施設長は、「理念を言い続けていく」との信念を持っており、率先垂範して養育・支援の質の向上のための取り組みを牽引している。施設開設の草創期には事業運営の基盤や方向性が定まらず、混迷の時期もあった。しかし昨年(2年目)職員に働きかけて施設独自の理念を創り上げた。3年目を迎えた今年度、明確な方針を打ち出して事業運営を円滑な状態に戻している。その方法論は、「第1優先は、環境整備」、「次いで、職員の意識統一」である。養育・支援の現場のあちこちで、その精神の実践に触れることができた。

◆安全委員会方式等を取り入れた取り組み
 職員の不適切な対応や子どもの暴力・不適応行動等の問題に対して、児童相談所等の専門機関や地域の小・中学校の校長、民生委員等が参加する「安全委員会」において具体的な事例を検討し、対応方法等について示唆を受けるようにしており、現在までに130件ほどの事例が検討されている。「安全委員会」にて出された支援の指針に基づいて、死角のない環境の整備や複数職員による子どもへの対応等の工夫を行っている。子どもに対してはCAP(子どもへの暴力の防止を推進するNPO組織)の講師による研修会を開き、暴力等から身を守るための知識や方法等を学ぶ機会を作っている。

◆第1優先は、環境整備
 職員全員がこだわりを持って環境整備に取り組むことを重要な方針としており、居室を始め施設全体がきれいに整美されている。庭には広々としたグランドがあり、自然との触れ合いができる昆虫の森や農耕ができる菜園が整備されている。玄関や共用部分には木材をふんだんに使用しており、温かみのある雰囲気となっている。破損したところについては、適切な修繕が施されている。朝礼、昼礼後の時間を使って、職員が毎日2回一斉清掃を行っている。日曜日には大掃除を行い、子どもに対しても掃除等の習慣が身につくよう支援している。


◇改善が必要と思われる点

◆スーパービジョン体制の充実
 現在はリーダ―職員がスーパーバイザーとして職員の指導にあたっており、「安全委員会方式」の導入によって、そこからスーパービジョンを受けることも可能である。しかし、すべての職員が共通の理解と適切な対応力を持って支援に当ることができるよう、専門的な知識と経験を持ったスーパーバイザーを養成・配置し、適切なスーパービジョンを受けられる体制を整備することが望まれる。

◆マニュアルの再点検
 管理や療育・支援に必要と思われる規程、マニュアル類はほぼ揃った状態であった。規程類に関しては改訂履歴が適切に記載されていたが、多くのマニュアルについては作成日や改訂日の記載のないものが散見された。最も新しい日付の文書を現行版とする「最新版管理」の原則に照らし、マニュアル類の作成、改訂に関しては、その日付を明確に記載することを望みたい。さらに、改訂はなくとも、適切な見直し作業を実施した際には、見直しを実施した日付を明記することが望ましい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  初めての第三者評価受審で、何を準備したらよいか、自己評価表に職員の意見をどう反映したものか等、迷う事の連続でしたが、くわしい手順や書類のひな型があり、折々に連絡をしていただけて、とても助かりました。準備の中で「ここはもっと伸ばせる」「まだこの点は不足している」という気付きがあり、それは結果にも表れていました。特に、何か取り組みをして、その後のチェックと継続的な運用への見直しの仕組みが弱いので、次回の受審までにひとつずつ整えていけるようにしたいと思います。また、施設のこだわりでもある環境整備について高く評価されていて、大変うれしく思います。
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