社会的養護施設第三者評価結果 検索

興正学園

【1】第三者評価機関名 (特非)福祉経営ネットワーク
【2】種別 児童養護施設 定員 66名
施設長氏名 秦 直樹 所在地 北海道
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【3】実施調査日 2014年08月29日~2015年02月16日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
○小規模化等に関する5ヶ年計画を立案し、グループホーム設置や本体施設の小規模化を実行している
 施設形態の小規模化とグループホームの開設等を含めた大規模な抜本的改革に取り組むために平成23年度からの5ヶ年計画を策定して取り組んでおり、今年度はグループホーム2ヶ所の開設を実現させ、さらに本体施設を小規模するための増改築工事についても市との協議を経て着工を予定している。特にグループホーム開設にあたっては、すでに開設済みの地域小規模児童養護施設も含めて自費で実現する等、家庭的な環境の整備のために計画を最優先した取り組みとなっている。
○保護者との連携が密にとられており、親と子どもの再統合に向けて積極的な姿勢が維持されている
 保護者支援を含めた積極的な家族の再統合を目指す施設であり、本体施設のほとんどすべての保護者が定期的に子どもとの交流する機会がある状況は特徴的である。一時帰宅や週末帰宅等を繰り返すなかで、施設側と保護者との関わりを深め、親子の関係調整を図っている。子どもの入所後に施設の近隣地域に保護者が引っ越してくるケースもあり、距離的な負担も解消した状態で関係調整が行われている。
○広域的社会的養護ネットワーク構築に向けて中心的な役割を担い、年3回の研修等が実施されている
 社会的養護を必要とする子どもの受け皿となっている児童養護施設や乳児院、児童自立支援施設、自立援助ホーム、子どもシェルター、障害児福祉施設や児童相談所、里親関係者等、さまざまな社会資源が相互に協力・連携を図ることができるように広域的社会的養護ネットワークの構築に施設が中心的な役割を果たしている。このネットワークが今年度正式に立ち上がっており、年3回研修を実施して事例報告や意見交換等が行われている。
○子どもの権利擁護を最重点目標に掲げ、意見表明の機会の用意や職員への権利擁護の浸透を図っている
 施設では子どもの権利擁護に関する取り組みの充実を図ることを目指し、さまざまな取り組みを実施している。職員に対してはケア基準や職員倫理綱領等の浸透に努めている他、子どもに対しても権利ノート等を通じて自らの権利についての理解を促している。さらに、施設外の第三者も委員に含む「こどもの権利擁護委員会」を設置して定期的に事例等を審議し、結果をホームページ上で広く公表する等、施設職員による権利侵害を禁止する姿勢が維持されるよう取り組んでいる。

◇改善が求められる点
●ボランティアの受け入れに関する一連のしくみを確立していくことが望まれる
 学習ボランティアや図書ボランティアをはじめ、数多くのボランティアを受け入れている一方、施設としてのボランティアの受け入れ姿勢等を盛り込んだマニュアルや、オリエンテーション資料等が十分整っていない状況となっている。今後はボランティアの募集から活動上の留意点の説明、個人情報に関する同意書の締結等、一連のしくみを確立していくことが望まれる。
●入所のしおりを作成し、入所する子どもや保護者に施設の理解が進むように整えられたい
 入所予定の子どもや保護者が施設での生活について理解するためには、パンフレットやホームページを見て確認することができるが、より具体的な生活上の約束事やその他の留意点等を知ることができない状況となっている。今後は入所のしおりを作成し、入所予定の子どもや保護者が施設での生活について理解が進むように整えられたい。
●養育・支援の標準化を図るために、具体的な支援内容を文書化し、定期更新していくことが期待される
 養育・支援の標準化を目指し、倫理綱領やケア基準等に基づいて遵守すべき内容を職員間で共有したり、トレーナー資格を有する職員やスーパーバイザーによる助言・指導が行われている。今後はより具体的な支援内容を文書化し、定期的に内容を更新していくことにより、質の維持・向上を図っていくことが期待される。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
当施設は今回初めて第三者評価を受審いたしました。
全国基準の評価を受審させていただいたことで、当施設に欠けているもの、今後更なる強化を図らなければならないものが明確になり、多くのことを学ばせていただく大変良い機会となりました。
今後はご指摘いただいた部分についての強化を更に図り、より信頼性の高い施設へと前進していけるよう、努力をしていきたいと思います。
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