社会的養護施設第三者評価結果 検索

鳴門子ども学園

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 豊田 基史 所在地 徳島県
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【3】実施調査日 2014年04月30日~2015年03月23日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
 複雑な家庭環境を経験してきた子どもたちにとって、日常生活上の物的環境と人的環境は心身の成長に特に大きな影響を与える。そのため、施設では、家財道具や各居室のベッド、勉強机等は家庭と同様のものを設置したり、各居室にテレビを配置したりして自由に見ることができるようにするなどの家庭的な雰囲気づくりを行っている。また、職員は子どもを信じて寄り添って接し、それぞれの課題改善に向け対応している。子ども一人ひとりの持っている力を信じて見守りを中心とした養育・支援に努めつつ、子どもの社会的自立に向けて取り組んでいることは高く評価できる。

 円滑な施設運営には、理念や基本方針を明確に示したうえで、施設として目指すべき養育・支援の在り方を細分化し、子どもたちに向き合ってどう取り組むべきかを職員間で意思統一することが求められる。施設では、時間をかけ、職員がそれぞれの役職・職種に応じた役割分担を行い、全職員で協議を重ねたうえで各種規程やマニュアル等をわかり易く示したオレンジノートを作成している。この一冊に施設の養育・支援のあり方や職員としての倫理綱領等を取り入れ、経験年数の有無に関わらず質の高い養育・支援の実現に向けて活用することができるよう標準化を図っていることは高く評価できる。

 子どもたちにとって食事は楽しみな時間であるとともに、発達や愛着、教育等の観点からも生活上の重要な場面のひとつといえる。施設では、厨房の調理風景を見ることができるほか、食事の匂いの漂う家庭的な雰囲気がある。週3回の手作りおやつは、学校へ行っている子どもたちが帰宅後食べられるように準備するなどの細やかな配慮を行っている。グループごとに食材の買い出しへ出かけることもある。栄養士2名を配置したり、旬の食材を用いた献立を提供したりして、食育の充実に取り組んでいる。小規模グループケアでは、簡易な調理を自分たちで楽しんでいる。人と人との思いやりによって生まれる家庭的な温かさを感じることができるよう取り組んでいることは評価できる。

◇施設長のリーダーシップのもと職員が一丸となって、子どもが自分の命を大切に捉えつつ社会に貢献することのできる人となれるよう、基本理念と5つの重点目標を掲げて日々実践に取り組んでいる。これらに基づき、年度ごとに詳細な事業計画を策定して取り組んでいるが、現在の児童養護や法人を取り巻く状況を踏まえて抽出した重点課題を整理するなどして、具体的対応策と詳細な数値目標を中・長期計画に盛り込むまでには至っていない。今後は、社会情勢にも考慮してあらゆる角度から重点的に取り組むべき展望を示しつつ、児童養護施設としての使命をより高次元なものへと移行することができるような中・長期計画の策定に期待する。

 年3回、職場内研修を実施したり、県内・外の研修会へ積極的に参加したりして、職員のやる気の醸成と資質向上に向け取り組んでいる。今後は、法人や施設が中・長期的に担わなければならない役割と、その実現に向けた達成目標・行動指標を職員間で共有したうえで、職員一人ひとりの技量等を分析し、その結果に基づいて個々の教育・育成目標を示した“個別の教育・研修計画”を作成して運用することで、さらに専門性の高い養育・支援へとステップアップされるよう期待する。

 施設では、正規雇用・登用に留意しており、開所時からの職員が半数を占めるなど、働きやすい職場環境作りに取り組んでいる。措置施設として体制強化の難しさがある一方、職員向けの管理者ヒアリングやペーパーテストを実施するなどして、職員一人ひとりの課題や問題点の把握と人事管理に努めているが、より深く人材育成に取り組むためには客観的な基準に基づく人事考課が行われるよう期待する。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 第三者評価を受けて、職員間で意見を共有することができた。
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