社会的養護施設第三者評価結果 検索

養徳園

【1】第三者評価機関名 (特非)アスク
【2】種別 児童養護施設 定員 57名
施設長氏名 福田 雅章 所在地 栃木県
URL http://yohtokuenhp.kids.coocan.jp/
【3】実施調査日 2013年11月23日~2014年01月20日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
○子どもの尊重と最善の利益を目指した支援の展開
 施設の理念や基本方針には、子どもの尊重と子どもにとっての最善の利益の追求ということが養育・支援の基本的な考えとして位置づけられている。その基本的考えは、年度事業計画の中の運営面や養育・支援の具体的内容に反映されていて、援助マニュアルもそうした基本姿勢をベースとして作成されている。全職員を対象に権利擁護についての研修を行い、基幹的職員等によるスーパーバイズを行う体制も設けて、子どもの尊重と基本的人権への配慮が日常的な養育・支援の場面で実践されるよう取り組んでいる。特に、社会的自立のためにすべての子どもが高校進学するということを養育・支援の大きな目標とし、大学進学実現のための独自の支援体制を設けていることは評価できる。

○標準的な実施方法に基づいた養育・支援
 職員会議等の各種会議で検討し、養育・支援の標準的な実施方法(「援助マニュアル」)を作成している。その内容は、養育・支援について多方面に渡り、具体的な取り組み方が明示され職員にとって理解しやすいものとなっている。マニュアルの基本にあるものは、子どもの権利の尊重と子どもにとっての最善の利益の追求であることが、一つ一つの内容から汲み取ることができる。職員はこのマニュアルをベースとしながらある程度の柔軟性を持って、日常の養育・支援に取り組んでいる。マニュアルの見直しについても、運用をしながら適宜各種会議で議論のうえ調整や改善を行い、その結果をまとめて次年度の改正版作成につなげている。

○適切なアセスメントと自立支援計画の策定
 アセスメント表が定められており、その様式は「子ども・保護者・虐待状況・これまでの体験・自己観」の5つの大項目(19の小項目)で構成されていて、各項目には入所時点での記録欄と入所後の把握内容の追加欄が設けられ、より適切なアセスメント結果となるよう工夫されている。また、子どもの担当職員、各ユニット職員や心理職員等の意見を集約して表を作成して、子どもの状態像を総合的かつ具体的に把握するよう取り組んでいる。自立支援計画票は、アセスメント結果をベースに施設長以下関係職員がケース会議で検討の上作成されており、児童相談所や保護者等とも連携しながら定期的(誕生月とその半年後の年2回)に見直しも行い、職員間の共通理解を図って子どもの自立に向けての支援の展開に結び付けている。

◇改善が求められる点
○各ユニット間の情報共有化への取り組み
 小規模化を推進したことにより、各ユニットの運営や子どもたちの状況について職員間で把握しにくくなっていることから、施設長他2名の職員が分園や地域小規模養護施設を適宜訪問して情報収集等に努めたり、施設全体の行事を年に数回設けるなどの工夫をしている。しかしながら、ユニットの運営状況(特に養育・支援の質の確保、職員の就労状況・意向把握や育成面)や子どもの状況について、管理者層初め職員間の情報共有化が十分ではない状態にあることが窺えるので、今後更なる効果的な取り組みを行うことが期待される。

○子どもの養育・支援に関する記録方法の改善
 子どもの養育・支援の状況については、育成経過記録を始め各種記録に詳細に書かれていて管理も適切に行われている。しかしながら、職員によって記録方法にばらつきがあることや個人情報保護・情報開示を念頭においた記録の書き方が十分徹底されていないことが窺えることから、今後改善に向けた職員への指導や研修に取り組んでいくことが望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 4年前も同じ評価機関で第三者評価を受審しました。その時からの変容も含めて適切に評価していただいたと思います。
 施設側の評価基準に対する理解が進んだことで、職員の中により高い次元での養育を目指していこうという意識が出てきたことが、今回の成果だと思います。「まだまだ」と感じた点は次回までの目標として取り組んでいきたいと思います。
 評価基準について、現実にそぐわない箇所も確認できましたので、改正に向けて発信していきたいと思います。
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