社会的養護施設第三者評価結果 検索

あかつき寮

【1】第三者評価機関名 (特非)アスク
【2】種別 児童養護施設 定員 40名
施設長氏名 芝間 和典 所在地 栃木県
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【3】実施調査日 2014年09月03日~2015年02月02日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
○職員の養育意欲・姿勢
 職員の多くが年齢が若いこともあり、子どもとの関わりがお兄さん・お姉さんのように親密でフランクであり、良好な関係が築かれている。大舎においては、職員は生活している子どもたちとの関わりが画一的で管理的にならないよう、子どもの感情や言動等をしっかりと受け止めてじっくり耳を傾けて対応することを心掛けている。小規模グループケアにおいては、職員は密度の高い関わりができる利点を生かして信頼関係を築き、子ども一人ひとりの成長に合わせたきめ細かい支援を行っている。職員は子どもとの時間を大切にしたいとの思いがあり、出来るだけ個別的に関わる時間を持つようにしているが現状では十分でないと認識していて、更なる充実に向けて取り組んでいる。

○入所時の適切な対応
 子どもの入所に当たっては、施設のパンフレットや入所のしおり(子ども用と保護者用の2種類)を利用して、施設での生活の様子等について子どもと保護者等に丁寧に説明をしている。特に子ども用の入所のしおりは、丁寧な表現で文字にはふり仮名がつけられて分りやすく、温かみの感じられる内容となっている。しおりの最後には、相談担当の職員名や児童相談所の電話番号が書かれ、困った時にはいつでも相談できることが明確に示されている。入所予定の子どもから事前に情報を得て、食事にその子の好きなメニューを加えたり、お気に入りのキャラクターの入った食器や持ち物を用意するなど、子どもの分離不安を少しでも解消できるよう気配りがされている。

◇改善が求められる点
○中・長期的なビジョンと計画の策定、職員の参画
 理事会において「平成32年度を目標に小規模グループケア2カ所を地域に分散化、本体施設を定員28名(4ユニット)とし、合計40名定員の施設とする」計画を検討、施設の将来像と目標(ビジョン)が明確になっている。その将来像と目標(ビジョン)を実現するためにも、組織体制や施設・設備の整備、職員体制、人材育成等の計画を網羅した具体的な中・長期計画について、理事会とも協議しながら早急に策定することが求められる。また、計画の策定に当たっては初期段階から職員が参画できる仕組みを構築して、計画の策定が進められることを望みたい。

○職員研修体制の整備
 施設が職員に求める基本姿勢や意識、専門性や専門資格を明示しておらず、職員一人ひとりについての基本姿勢に沿った教育・研修計画は策定されていない。職員の半数以上が入職後3年未満ということもあり、職員のやる気と定着率を高めるためにも、基本方針や中・長期計画等の中に職員へ求める基本的姿勢や意識を明示することや、基本姿勢に沿った職員一人ひとりの教育・研修計画の策定が求められる。

○施設機能の地域への還元
 施設として地域の育成会に加入し、子どもたちは様々な行事や活動に参加しており、時々学校の友達が施設に来て一緒に遊んでいくなど、自然な形で地域との交流が行われている。しかしながら、施設の機能を地域に開放・提供する取り組みやボランティアの受け入れについて体制整備が不十分であり、特に地域の子育てを支援する事業や活動は行われていないため、今後の取り組むべき課題として捉え、実現に向けて検討していくことが期待される。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 平成22年に引き続き2回目の受審でしたが、前回ご指摘頂いた点が改善されず、再度ご指摘頂いた項目も幾つかあり、施設の現状を客観的に捉える良い機会となりました。
 ご指摘頂いた点について、マニュアルの整備、中・長期的なビジョン、研修体制の整備等早急にできるものは取り組み、子どもたちの生活については児童養護施設運営指針を基に再度点検し、一人一人の個別的な状況に配慮し「あたりまえの生活」を保障していくことが出来るように改善に向けて取り組んでいきたいと思います。
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