社会的養護施設第三者評価結果 検索

烏山母子寮

【1】第三者評価機関名 (特非)アスク
【2】種別 母子生活支援施設 定員 30名
施設長氏名 松崎 総一 所在地 栃木県
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【3】実施調査日 2014年05月23日~2014年12月05日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
★入所時の担当職員による対応
 入所に当たっては、福祉事務所との事前打ち合わせで情報を把握し、受け入れを準備している。入居者の多くは広域利用であるため、事前に施設を見学することも無く、施設の環境や支援内容を十分に理解できないまま入所に至るケースもある。そのため、入所時の職員の声掛けは大切との認識から「今まで大変だったけど、大丈夫よ」と担当となる母子支援員は声をかけ、子どもを遊ばせたり、生活が始められるように必要なものの買い物に同行するなどして、入所の不安を少しでも和らげようと努力している。
★緊急入所等の受け入れ
 「緊急入所(措置)」、DV防止法に基づく「一時保護委託入所」を実施し、緊急利用に備えて生活用品等を予め用意し、身一つで入所する場合でも対応できるようにして、保護を必要とする母親と子どもを他県からも広く受け入れている。DV防止法に基づく保護命令制度の活用に際しては、書類作成の支援や申請手続きの同行支援を行い母親と子どもの安全を確保している。

◇改善が求められる点
★理念や基本方針の実現に向けた中・長期計画の策定と計画策定過程への職員参画
 当法人は、戦後の混乱期の中で「母子福祉」を法人理念として昭和23年に設立され、昭和44年度に母子寮、昭和45年度に授産場を新築し、現在に至っている。そのため、施設建物と設備の老朽化が進み、入所者の居住環境としては現行母子生活支援施設設備基準と大きくかい離したものとなっている。母子生活支援施設は、母と子がともに生活しながら支援を受けることができる唯一の児童福祉施設であり、その社会的役割はますます高まっており、法人設立の原点に立ち返り、法人理念の明文化と老朽施設の改修も含めた中・長期計画を早期に策定されることが期待される。また、計画の策定過程には全職員の参画が求められており、日常的にコミュニケーションがとれている小規模法人施設であっても、会議の設定やアンケート等の参画の機会づくりは必要である。
★標準的な実施方法の確立
 支援についての標準的な実施方法が文章化されていないため、職員によって異なった支援を行う場面もあり、職員が共通認識を持って一定の水準の支援を行うためにも支援マニュアルの作成は必要不可欠であり、早期に作成することが望まれる。
★母子生活支援施設が持つ機能を活かした子どもの権利擁護の確立
 被虐待児に関しては心理の専門職がいない中、医療機関や児童相談所などに相談し、できる限り対応しているが、子どもの権利に関する説明が子どもになされていないので、まず、子どもの権利ノートを使って説明し、それを保障するための支援を充実させることが望まれる。子どもが母親とともに暮らせるように支援することは、子どもの権利擁護では大切な取組となるので、母子生活支援施設が持つ機能を再確認し最大限に活用し、子どもの権利擁護に努めることを期待する。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 施設建物等の老朽化については、屋根の補強・外壁の塗装等行ってきているが、中長期的な改修等については、建設当時の困難な状況に鑑み自己資本の充実を図るため、職員一同入所率の向上に努めている。
 又、法人理念の明文化や中長期計画の策定については、全職員参画にて対応していきたい。
 入所者支援マニュアルは支援水準の確保の必要から作成したい。
 子どもの権利擁護については、子どもの権利ノートの活用により充実させていきたい。
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