社会的養護施設第三者評価結果 検索

那須こどもの家

【1】第三者評価機関名 (特非)アスク
【2】種別 児童心理治療施設 定員 45名(入所35名、通所10名)
施設長氏名 木島 正美 所在地 栃木県
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【3】実施調査日 2014年01月06日~2014年08月25日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
★同一法人の医療の支援が容易に受けられる体制
 受診や服薬が必要であることを子ども自身が理解出来るように、嘱託医から直接本人に説明されている。嘱託医は同一敷地内にある国際医療福祉リハビリテーションセンターの医師であるため、緊急時の対応を求める事や判断を仰ぐ事も容易であり、職員にとっても心強い体制となっている。
★入所時の充実した取り組み
 子どもの入所に当たっては、先ず職員が一時保護所を訪問して情報交換・行動観察・子どもとの面接を行い、次に子どもと保護者等に施設に来てもらい施設見学・治療や支援内容の説明等を行うなど、入所の動機付けと不安解消が図られるよう丁寧に対応している。また、入所の際に使用している「入所案内」の内容は、生活について多岐に渡り、生活の仕方が良く分かるように平易な言葉で書かれ、漢字にはルビがついていてイラストも多用されているなど、子どもに十分配慮された内容となっている。
★事故防止と安全対策の徹底
 事故防止と安全対策についての各種マニュアルが作成されており、防災・感染症対策事故防止・医療安全管理等の各種委員会や保健会議等を設けて活動していて、情報交換を密に行い適時適切な対応を行なっている。日常生活におけるトラブルについては、インシデント・アクシデント速報やアクシデント報告書を活用して、事故防止と生活の安全確保に取り組んでいる。また、法人として、緊急時の連絡方法・行動基準等が書かれた「緊急時対応カード」を全職員に配布し、緊急連絡網と一緒に常に携帯することを義務付けているなど、法人や施設全体として事故防止と安全対策に積極的に取り組んでいることは評価できる。

◇改善が求められる点
★子どもの意向・自主性・主体性の尊重
 職員は子どもとの個別面接・相談や生活場面での話し合いの機会を多く持ち、意向や悩み・希望等の把握に努めているが、書面等による意向調査は実施していない。行事の行き先や生活の簡単な決まり事などについては随時子どもたちだけで話し合って決める方法を取り入れているが、子ども会や子どもだけでの定期的なミーティングの場は定められていない。今後、より一層子どもたちが自主的・主体的に考え行動していく状況を作り上げていくことが望まれる。
★地域交流・地域支援の充実
 子どもたちが隣接大学の行事・催事等を見に行くことはあるが、それ以外の外部との交流はなく、地域交流については取り組みが不十分なままとなっている。また、地域住民や教育・福祉関係職員に対し、施設長等が発達障害・虐待・子どもの育ち等をテーマに講演を行うなど、施設機能の地域還元の取り組みが行われているが十分とは言えず、今後地域交流や地域支援の取り組みを充実していくことが期待される。
★実習生・ボランティアの受け入れ体制の整備
 隣接大学の学生が、ボランティアとして学習・遊び・パソコン・スポーツ等の活動を行っているが、地域住民や一般団体等からのボランティアの受け入れがなされていない。実習生の受け入れについては、開設当初は行っていたが、その後は行っていない。今後は、地域住民・団体や一般のボランティアを受け入れて子どもとの交流を促進することが期待される。実習生については、法人の母体となっている学校法人の協力を得て実習生の受入れを検討している段階であるが、早期実現に向けて積極的な取り組みを行うことを望みたい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
平成22年4月に開設して以来、今回初めて第三者評価を受審しました。開設後、施設の運営及び児童の支援に必要な各種規程やガイドライン、マニュアル等の整備を続けてきました。今回の評価項目も多岐にわたっており困惑する内容もありましたが、評価者による客観的な指摘を真摯に受け止め、児童の福祉の向上に努めたいと思います。
今回の受審結果については、総評及び評価項目の指摘も含め、職員全体で共有を図って参ります。今後は、高い評価を受けた項目は更に充実に努め、指摘された項目は課題の検討を行い、児童の生活環境と支援の向上につなげたいと思います。
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