社会的養護施設第三者評価結果 検索

秋田県千秋学園

【1】第三者評価機関名 (特非)秋田県福祉施設士会
評価調査者研修修了番号 SK2021034
SK2021035
SK2021036


【2】種別 児童自立支援施設 定員 26名
施設長氏名 小野 誠 所在地 秋田県
URL
開設年月日 1904年05月01日 経営法人・設置主体 秋田県
職員数 常勤職員 21名 非常勤職員 6名
有資格職員 児童自立支援専門員 15名 臨床心理士 1名
管理栄養士 1名 医師(嘱託医) 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 3寮合わせて11居室(1室8畳)。各寮居間・トイレ・学習室あり。 (イ)設備等 3寮は共通の食堂・浴室は男女別。本館は体育館、2階には学校併設。
(ウ) 敷地内プール。農場(ガラス・ビニールハウス)は野菜等と花の栽培。 (エ)
【3】理念・基本方針 基本理念:学園は、児童の安全安心な環境を提供するとともに、児童個々の「権利擁護」に努め、児童の最善の利益を追求する。学園は、職員と児童が寮生活を共にし、学習や作業を通して、地域社会で、「自立して暮らしていける力」を伸ばし、真に社会の期待に応え得る運営を目指す。
基本方針:「生活支援の充実」「学園と分校の連携強化」「専門的支援の充実」「家庭支援の強化とアフターケアの充実」の4点の項目をそれぞれ項目ごとに説明しています。
【4】施設の特徴的な取組 ・「共生共育(ともに生き、共に育ち合うこと)」を理念とし、児童と起居を共にすることで築かれる深い信頼関係を基盤に、生活、学習、作業、クラブ活動等の支援を展開。特にコロナ禍を乗り切るために「緑化活動」に力を入れ多くの「各賞」に輝いています。                               
・生活が構造化され、わかりやすく規則正しい日課の中で児童に安全で安心できる生活が提供されています。          ・施設内には、勝平小・中学校の分校が併設されており、教師と施設職員の十分な連携と情報共有によりきめ細やかな授業が実践されています。
【5】第三者評価の受審状況 2023年08月16日(契約日)~ 2023年11月17日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評 ・今回で4回目の受審。当施設の特徴である野球、花壇の整備、野菜づくり等の活動は伝統的になっています。例えば、花植えについてはハウス2棟を使って種子から始まり苗を育てていますが、今は子どもたちが少数になっているものの、それでも育苗では1千個を下らないという。子どもたちの多いころの花の苗からの地域奉仕活動は、2400本も花を育て地域に奉仕していたという。職員室前の廊下の壁には毎年の特別教育長賞や地域からの感謝状が数多く紹介されています。かつての隣接地・児相敷地はもちろん、何百メートルの道路端の両側、警察署(3か所)、勝平交番、少年鑑別所、など子どもたちの関係すると思われるあらゆる個所、子供の職場実習企業までにも「プランター定植」の配置が及んでおり、子どもの在園期間2年弱ということから「子どもたちと職員が一体となって取組む」真摯な姿勢は、「子供とともに感動の心が芽生え・植付けられている姿」は、地域住民からも「まだ植えないんですか?」などの声掛けが聞こえるようになっているという地域づくりに、今回、改めて当園の継続する子どもへの姿勢に感銘を受けております。ベテラン職員(39年勤務)による「子育ち」の根本原理(アタッチメント回復)に気づかされ、子育ての感動・共感を目指した教育に納得しております。
・一方で、現代社会の複雑多様性を抱えている子どもたちに対し「職員の研修の在り方」が取り上げられます。従来の自然の中の花や野菜等の収穫から生まれる「感動・達成感」は本人が生きていく上での基礎になると考えられますが、さらに子どもの心の質の向上を願う観点から、この心の状態に付け加える自己肯定感やプラス思考を考え「子どもと個別の話し合いの中での目標共有」に、さらに軸足をアップすることを、更に望みたいものです。
・前回の3回目受審でも感じたことですが、いわゆる発達を踏まえた「コーチング手法」で「子どもの人生は子どものもの」「そのために自分はどうしたいのか」「過去の出来事をどのように見直すのか」といった「子ども主体の人生ストーリー」の考え方の手法に焦点を当て、実践的研修を選んでいく職員研修も必要ではないでしょうか。ぜひ心理担当職員を中心としながら大いに期待したいものと思います。このためには、予算が必要になってきます。いわば中長期的計画に落とし込んでいく事も考えられます。「一時的な通過施設として」の考え方を見直し、子どものケアニーズの高い施設を目指した方向に軸足を移して行くための要望もしたいものです。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 児童への支援は、これまでも全職員が児童個々の権利に配慮し、児童が最善の利益を追求できるよう常に心掛けており、それが高評価に繋がったものと考えています。今後は職員数の充足を図り、尚且つ在職職員に対する教育・研修の充実を図ることにより、職員の資質向上に努めてまいります。評価が低い項目については、改めて検討を行い、関係機関からも協力を得ながら、改善できることについては取り組んでいきたいと考えております。
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