社会的養護施設第三者評価結果 検索

秋田県千秋学園

【1】第三者評価機関名 (特非)秋田県福祉施設士会
評価調査者研修修了番号 SK18020
S2019006
15-3b


【2】種別 児童自立支援施設 定員 36名(現員:21名)
施設長氏名 奥山 操 所在地 秋田県
URL
開設年月日 1904年05月01日 経営法人・設置主体 秋田県
職員数 常勤職員 18名 非常勤職員 12名
有資格職員 児童自立支援専門員(家庭支援専門相談員・被虐待児童個別対応職員は兼務) 15名(3寮体制、各寮1名づつの上記兼務者の配置) 児童生活支援員 1名
臨床心理士 1名 管理栄養士 1名
医師(嘱託医) 2名 事務職(2名)、運転職員(1名) 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 3寮合わせて11居室(1室8畳)。各寮トイレ・学習室あり。 (イ)設備等 3寮とも廊下伝いで食堂・浴室は共有。本館には体育館、2階には学校併設。
(ウ) 敷地内プール。農場(ガラスハウス・ビニールハウス)は野菜等と花の栽培。 (エ) 広々とした野球場あり。
【3】理念・基本方針 基本理念:学園は、児童の安全安心な環境を提供するとともに、児童個々の「権利擁護」に努め、児童の最善の利益を追求する。学園は、職員と児童が寮生活を共にし、学習や作業を通して、地域社会で、「自立して暮らしていける力」を伸ばし、真に社会の期待に応え得る運営を目指す。
基本方針:「生活支援の充実」「学園と分校の連携強化」「専門的支援の充実」「家庭支援の強化とアフターケアの充実」の4点の項目をそれぞれ説明しています。
【4】施設の特徴的な取組 ・「共生共育(ともに生き、共に育ち合うこと)」を理念とし、児童と起居を共にすることで築かれる深い信頼関係を基盤に、生活、学習、作業、クラブ活動等の支援を展開しています。
・生活が構造化され、わかりやすく規則正しい日課の中で児童に安全で安心できる生活が提供されています。
・施設内には、勝平小・中学校の分校が併設されており、教師と施設職員の十分な連携と情報共有によりきめ細やかな授業が実践されています
【5】第三者評価の受審状況 2020年05月14日(契約日)~ 2020年10月09日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ・社会環境の変化につれて子どもの取り巻く環境も増々困難を極めているのが現施設の現状。子どもの自立支援の最後の砦としてその支援の仕組みに工夫と趣向(苦情箱に加え要望箱あり)が見て取れます。今回の第三者評価受審では、「支援の手順書」が用意され、又、子どもと職員の「きずな」を「(交換日記のような)ホットページ」で、より深く「深堀された安心できる生活」へと保障されています。加えて、従来からの伝統となっている作業学習、社会体験等を通じて「生への感謝」を育もうと組織一体となり努力を重ねています。
しかし、できる範囲で頑張っても工夫しても、子どもの無断外出等のように後手の対応が出ています。3寮体制の当施設では、宿直職員も「安全に見守っていればよい」というわけにはいかず、常に夜昼の対応の専門性が問われてきます。経営層の考えは、宿直も常時勤務する職員が必要と訴えていますが、自立支援の「最後の砦」としての当施設では「すべての職員の情報共有」の観点から、サービスの質の向上をもとにした職員人員不足の改善が必要になってきます。この課題は早急な対応が求められます。
・一方で、複雑多様性を抱えている子どもに対し「職員の研修の在り方」を見直していく必要もあります。例えば、従来の「ティーチング手法」から発達を踏まえた「コーチング手法」で「子どもの人生は子どものもの」「そのために自分はどうしたいのか」「過去の出来事をどのように見直すのか」といった「子ども主体の人生ストーリー」の考え方の手法に焦点を当て、実践的研修を選んでいく研修もあります。このためには、予算が必要になってきます。いわば中長期的計画に落とし込んでいく事も考えられます。「一時的な通過施設として」を見直し、子どものケアニーズの高い施設を目指した方向に軸足を移して行くため要望をしたいものです。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  児童に対する支援については、これまでも各職員が児童個々の権利擁護に努め、児童の最善の利益を追求することを常に心掛けており、それが評価が高い結果に繋がったものと考えています。職員の補充を含め、職員に対する教育・研修の充実を図り、今後も職員の資質の向上に努めてまいります。評価が低い項目については、改めて検討を行い、関係機関からも協力を得ながら、改善に向けて取り組んでいきたいと考えております。
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