社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖園天使園

【1】第三者評価機関名 (社福)秋田県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 S2021019
SK2021033
S2020015


【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 加賀谷 智子 所在地 秋田県
URL https://www.misono-f.com/
開設年月日 1922年08月15日 経営法人・設置主体 社会福祉法人みその
職員数 常勤職員 34名 非常勤職員 8名
有資格職員 社会福祉士 2名 精神保健福祉士 1名
保育士 23名 臨床心理士 2名
管理栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 4ユニット、地域小規模2棟 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 ■理念■
「一人ひとりを愛し慈しむ心で接すること」

■基本方針■
1.安心・安全を重視した個別化した支援
子どもが安心・安全を感じられるような生活を体験できるよう支援を行う。また、それぞれの子どもに対して丁寧できめ細やかな養育を行い、健全で豊かな心身の成長とその自立を支援していく。

2.権利擁護と自立を目指した支援
子どもと職員は愛着関係や基本的な信頼関係と尊重によって結ばれ、子どもが主体の生活を共に作り上げていく。また、その生活は権利が擁護された自立を原則とし、自己実現を目指す。

3.専門的な養育とニーズに適した支援
心身の回復と安定が必要な子どもに対して、関係性の改善や自己肯定感の向上、社会適応力や自己統制力等の獲得のため、専門的・心理的な養育と支援を行う。また、家族再統合や修復、里親家庭への引き継ぎ等、子どもに最善の利益となり得る支援を行う。

4.家族と連携・協働する支援
家庭支援専門相談員を中心に親子関係の再構築や維持、修復に向けた活動や親子交流を実施する。また、関係機関との連携を強化し、それらを円滑に進める。退園後の家族間の良好な関係の維持、生活の安定促進のため、電話や訪問等によるアフターケアを行う。

5.子ども家庭地域支援
「すべての子どもを社会全体で育む」という社会的養護の使命を自覚し、地域福祉の向上を目指した養育と専門的スキルの提供を行う。
【4】施設の特徴的な取組 ・職員の定着を図るためにフロア全体の職員数を増員した。
・大学進学率が増加し、毎年関東方面の有名大学への進学者が増えている。高校生の進学支援や自立支援、退園後を見据えたリービングケアに重点を置き、リービングケアマニュアルを作成した。担当者と児童が進路を決定するに当たり、退園までの道のりを園全体でフォローしている。また、法人独自の給付型奨学金制度を利用し、生活への安心感を与えている。
・ユニット単位で職員が調理を行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2022年06月26日(契約日)~ 2023年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◆特に評価の高い点◆
○ 施設のホーム(ユニット)は、子どものための居室と居間、浴室、トイレ等生活に必要な設備を共有し、7・8人での生活は、職員の目が子ども一人ひとりに行き届きやすく、より個別的に支援しやすくなっている。プライバシーにも配慮され、居室のドア窓は外から見られている感覚がないように小さく配慮し、窓カーテンも防炎・遮光とレースの二重カーテンになって安心して生活できる環境に配慮している。
○ 施設では、より家庭に近いスタイルで生活ができるよう支援しながら、子どもがどう感じているかなど、アンケートを実施し子どもの声を受け止めている。自治会に参加し意見交換をしながら支援の質を高めている。また、気軽に話せる雰囲気づくりをしながらも、意見・要望については、子どもの意向を聞き図書館や応接室など、落ち着いて話せる場所に配慮しながら対応している。
○ 施設での食事について、3年前からホーム単位で職員が調理し、食習慣の習得と食事の適温提供に配慮している。このことで、食育についての職員の意識が高まり、食事が子どもたちの楽しいコミュニケーションの場として機能するようになっている。また、毎週土日はホーム毎にメニューを決め、買い物から調理、食事までを子どもと一緒に行う機会を設けている。残食や食育アンケートの結果を参考に給食委員会で協議し、献立に反映している。
○ 心理的ケアが必要な子どもに対する支援について、自立支援計画策定・総括会議に心理療法担当職員が加わっており、心理的支援が施設の中で連携して実施されるようになっている。ケース記録に心理療法担当職員も記入し、子ども自身への支援状況や家庭環境との調整状況が職員間で共有できるようにしているほか、関係職員の打ち合わせも実施している。

◆改善を求められる点◆
○ 基本方針について、パンフレットやホームページなどの広報媒体にも最新のものを掲載するとともに、わかりやすい資料を作成し、施設の目指す考え方を子どもや家族等に周知することを期待する。
○ 中・長期計画について、法人の長期計画に記載してある内容を着実に実行していくため、いつ何を行うかを具体的に示し、それに伴う収支計画を整えることを期待する。また、単年度の計画については、実施状況の評価・見直し、次年度計画の策定の手順を定め、関係職員や子ども等の意見を反映した策定を望む。
○ 人材の確保・育成について、施設として必要な福祉人材や人員体制に関する具体的な計画を策定し、その内容を法人と共有することによって福祉人材の確保や育成に繋げていくことを期待する。また、法人と連携しながら、人事考課の仕組みを構築し、総合的な人事管理が実施されるよう期待する。
○ 職員の育成に向けた取組について、目標管理のための仕組みを整備し、職員一人ひとりが設定した目標について中間面接などにより、適切に進捗状況と目標達成度の確認を期待する。
○ ボランティア等の受入れ体制についての基本姿勢等が明示されたマニュアルの整備を望む。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  公的な立場から評価をしていただける評価機関に適切な評価をしていただけたと感じている。特に、子どもの支援に関する事項については、子どもが主体になれる支援を実行できるよう職員一同で強化を行ってきた。その部分に関する評価を適切にいただけたことも今後の励みになることと感じた。また、課題の多い組織体制の構築についても、訪問時に調査員より実行可能な対応のアドバイスや、労いの言葉をいただけたことも職員としては大変うれしく感じることであった。
 今後の組織体制における不足事項の整備と、子どもたち、職員が安心して過ごせる聖園天使園の定着を目指し、今回ご教授いただいた内容について、職員一丸となって検討、実施していきたい。
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