社会的養護施設第三者評価結果 検索

石井記念友愛園

【1】第三者評価機関名 (社福)宮崎県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15236
S25209
S15164


【2】種別 児童養護施設 定員 49名
施設長氏名 児嶋 草次郎 所在地 宮崎県
URL http://www.yuuaisya.jp/
開設年月日 1948年01月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人石井記念友愛社
職員数 常勤職員 25名 非常勤職員 1名
専門職員 児童指導員 10名 心理療法職員 1名
職業指導員 1名 栄養士 1名
保育士 5名 調理師 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【基本理念】
天は父なり  人は同胞なれば  互いに相信じ  相愛すべきこと
           大正2年 石井十次   
【基本目標(方針)】
(1)「自然主義」 健康をつくります。 日本の自然・風土・文化・農業との触れ合い通し人格と体を養う。自然教育は情操を豊かにし『敬天』の感性を育てる。
(2)「家族主義」 家族をまもります。 相信・相愛の原点は、家族の絆の中にあり、親を敬い,祖先を敬うことから、心の成長は始まる。
(3)「友愛主義」 家族をささえます。 人は皆同胞。自立へ向けて、互いにしつけ・教育・支援し合い、そして、先人達の築いてきた文化を次世代に伝えていく。
(4)「自律主義」 自立支援します。 自立は自律。人倫を明らかにすること、つまり克己復礼こそが本来の教育の目的であり、江戸時代の教育・鍛錬・錬磨に学び、自立教育をめざす。よって自らの個性を統御し主体性の確立した行動力・実践力を身につけた人格を養う。
【4】施設の特徴的な取組 子どもの成長にとって一番大切な時間帯は、起きて登校するまでの時間、午後学校から帰って夜就寝するまでの時間であり、子どもの生活に合わせた勤務形態を取るため、住み込み勤務を原則としています。
【5】第三者評価の受審状況 2017年09月22日(契約日)~ 2018年01月22日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
1 明治20年に石井十次が岡山で始めた孤児院開設時の理念を拠り所に、変動する社会に主体的に自立参加できる児童に育てることを処遇目標に掲げ、職員が子どもたちと寝食を共にするとともに生活手帳(交換日記)を通して、常に子どもに寄り添う姿勢で養育・支援に当たっています。また、心理的ケアが必要な児童や問題行動を起こす児童、性教育などの対応が困難な事例については、専門職との委員会の編成や連携が支援に生かされています

2 法人全体で高齢者・障がい者・子どもに関する20か所の事業展開を行っています。石井十次の原点を学ぶ宿泊研修の実施や、安定的に職員を確保するため、より一層働きやすい職場作りと職員を適正に評価するための人事評価制度の導入に着手しています。平成29年8月に国から発表された新しい社会的養育ビジョンを踏まえた里親支援や卒園生の自立支援を目的とした事業展開も検討しています。

3 児童は、幼児・小学生、中高生男子、中高生女子の3つの家(寮)に、それぞれ10数名ずつ暮らしており、職員は3つの家全てに住み込みで勤務し家庭的な養育が行われています。幼児の部屋では子どもたちと寝起きを共にしています。寝食を共にすることで、子どもたちと職員がふれあう時間も多く子どもに細やかな対応ができ、信頼関係が築かれています。また、大学への進学指導にも力を入れ、最近では多くの子どもが進学し、在園生の目標になっています。さらに、県内外の大学進学者との交流にも積極的に取り組んでいます。

4 休日には、野菜・花の栽培、米作り、牛の飼育などの労作による情操教育や野球部・バレー部・空手道などのスポーツやお茶・お花などの習い事など、自律心・行動力を培う教育も行われています。農作業での収穫物は食事に使われています。栄養士の管理のもと年少児と年長者は別メニューで調理されています。クラブ活動などで帰宅が遅くなっても温かい食事が提供され、子どもだけで食事をすることが無いよう配慮されています。

5 園が発行する「ゆうあい通信」を保護者や関係機関・団体、支援者などに広く配布して広報に努めており、子ども自身が保護者に送る「友愛通信」にも取り組んでいます。また、収穫感謝祭や森の少年団、森のコンサート、学校との夕食会などは地域や学校も含めた交流の場となっており、「地域社会に開かれた施設運営」として地域住民との交流が活発に行われています。


◇改善を求められる点
1 今後、施設長(理事長)をサポートする人材の養成や組織の再構築をすることで、前回及び今回も取組が実施されていない項目の改善や中長期計画で示されている事業展開のより一層の取組を期待します。
また、人が人を支援する中で、職員の資質向上は重要な課題であり、人材の確保や計画的な育成のため、今後、雇用形態や雇用環境などを含めた検討が望まれます。

2 子どもに関する記録について、個人情報保護と情報開示の観点から、電子データの取扱いや漏洩対策を含めての管理体制、子どもや保護者等から開示を求められた際のルール等明文化した規程等の策定が望まれます。

3 買い物の状況では、子ども自身が生鮮食品を購入する機会がないので、収穫した野菜などの市場の価格を広告のチラシを利用して学習するなど経済観念の向上につながる取組に期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 評価、ありがとうございました。 
b、c 評価について、また3年間向上に向けて努力していきたいと思います。
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