【4】総評 |
◇特に評価が高い点
風光明媚な海岸線に施設が設置され、恵まれた自然環境を生かしての四季折々の行事を取り入れ、地域と一体となった子どもの心身育成に取り組まれていることは高く評価できます。他の施設にない取り組みとして、全職員による性教育があげられます。広々とした園庭ではないのですが、小学生も中学生も一緒に仲良く遊んでいる姿はとても好感がもてました。
施設全体として、信教の自由についての共通した認識が確保されています。子供の意向については、年3回実施して第三者委員会への報告、対応についての掲示も行われており、夜の集いでの毎日の聞き取りも行われています。子供との関係については、アンケート結果を見ても良好な様子が十分に窺えました。
「暴力によらない躾(コモンセンス・ペアレンティング)」についての研修会が、年間24回の職員会議後の研修のうちの6回を占め、常勤の心理士を核としたこうした取り組みの成果に期待が持てます。
道路向かいは小中一貫校があり、施設との定例会も充実した取り組みがみられます。昔から幅広く地域の行事にも積極的に参加されており、地域の一員としての自覚を培うよう努力しています。
また、職員による人的地域貢献(スポーツ少年団サッカーの監督など)がなされていることは特筆すべきところです。
◇改善が求められる点
施設全体に花や絵がなく、暖かさが不足しているように感じられますので、テラスや空いたスペース等を利用し、ボランティアや地域の高齢者等に協力を仰ぎ、子ども達と一緒に花を育てる活動を期待します。
小規模なグループによるケアを行う体制整備により、ケア形態の小規模化を推進することを目的に事業が計画され、「常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う」姿勢で支援が行われていますが、児童養護施設職員として求められる専門的な能力・技術を獲得するためのスーパービジョンが職員の年齢構成のばらつきもあり、不十分なようですので職員の皆さんが自信を持って支援に当たれるよう体制整備が求められます。
施設運営、管理、経営、労務、マニュアル作成など全職員が参画し、情報の共用ができる組織体制構築に向けた取り組みに期待します。 |