社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖華園

【1】第三者評価機関名 (社福)佐賀県社会福祉協議会福祉サービス評価センターさが
評価調査者研修修了番号 №SK18173
H19-045



【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 河原 祐一郎 所在地 佐賀県
URL http://www2.saganet.ne.jp/seikaen/
開設年月日 1949年06月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人慈恵会
職員数 常勤職員 35名 非常勤職員 1名
有資格職員 里親支援専門員 1名 心理療法担当職員 1名
栄養士 1名 看護師 1名
家庭支援専門相談員 1名 個別対応職員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 33部屋 (イ)設備等 地域交流室
(ウ) 自立支援室 (エ) 心理面接室
【3】理念・基本方針 1基本理念
 様々な事情により入園してきた児童に対し、安心して生活できる場を提供し、必要な教育を受けさせ、家庭的な環境の下で心身ともに健やかに育てるとともに、最終目標として、社会への自立または家庭復帰を目指すため、様々な取り組みや支援を行います。
2基本方針
①安全、安心な生活の確保
 児童を病気や事故等から護り、安心して生活できるよう、衣食住を整えるとともに、心理面においてもケアを行い、より安全、安心な生活環境づくりに努めます。また、暴力や体罰による支援は禁止します。正しい言葉や態度による支援に努めます。
②児童の人権の尊重
 児童福祉法及びこどもの権利条約等を遵守するとともに、児童の心の声に耳を傾け、多様性を認めながら、児童の人権を尊重し、プライバシーの保護にも努めます。また、児童の最善の利益を目指す中で、その自主性や自己決定を尊重します。
③個別的な支援の充実
 新しい社会的養育ビジョンに基づき、分園化及び小規模化したより家庭的な環境の中で、個別的な支援の充実を図ります。
④健やかな成長を促すための教育と支援
 児童それぞれの年齢や能力、発達状況に応じて適切な教育環境を調整するとともに、より発達や成長を促すための様々な取り組みを行い、健やかな成長を支援していきます。
⑤自立を促すための取り組みと支援
 社会へ巣立つにあたり、経済的自立は勿論、社会的自立、生活の自立、さらにはこれらを支える精神的自立の力を養うことができるよう、様々な取り組みや支援を行います。
⑥家庭との連携と家庭環境の調整
 児童の成長においては、家族の理解と協力が大きな力になることから、家族との協議を丁寧に行うとともに、家庭に戻り、家族と暮らすことは、児童の最大の願いであるため、児童が早期に家庭復帰できるための環境づくりに取り組んでいきます。また、家庭復帰後についても、関係機関と連携し必要な支援を行います。
⑦地域との共生
 施設の児童は地域の中で育つということを常に意識し、地域及び学校等の行事や祭などに積極的に参加するとともに、地域の方々にも、聖華園の行事にも参加してもらうなど、地域の方々と聖華園児童との相互理解を深めながら交流を図ります。特に地域小規模児童養護施設では、地域の一員としての自覚を持たせ支援を行います。
⑧職員の資質の向上
 児童を護り、健やかに育てるためには職員の熱意と人間性、専門性の向上が不可欠であることから、これらを高めていくための研修や取り組みを積極的に行い、高度なケアニーズに対応していきます。
【4】施設の特徴的な取組  本園は全て小規模グループケアで、(5ヵ所)、地域小規模児童養護施設(1ヵ所)の運営も行っている。全ホーム昼から夜にかけてホームに職員2人を配置することにより、より手厚い支援を実践している。本園ではケアニーズの高い子ども達に家庭的な雰囲気の中で個別的に関われるように心がけ、地域小規模児童養護施設では、より家庭に近い環境での支援を心がけている。また、多機能化を目指し、里親及びファミリーホーム支援やショートスティ・トワイライトスティ事業に力を入れている。
【5】第三者評価の受審状況 2020年07月01日(契約日)~ 2020年11月04日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 子どもたちが家庭的な環境の下で心身ともに健やかに育ち、社会への自立又は家庭復帰を目指すための支援を行うとの基本理念の下、子どもたちに寄り添い、安心して生活できるよう支援されている様子を感じることができました。
【特に評価の高い点】
〇中長期計画及び収支計画は、職員の複数体制の実現、諸加算制度の活用、里親・ファミリーホームの支援等の取り組み内容が盛り込まれた具体的な計画となっており、必要に応じて見直しがなされている。
〇養育・支援の質の向上に向け、定期的な第三者評価の受審とともに、職員アンケート、職員の自己評価を毎年度実施し、リーダー会議、職員会議等で検討するなど組織的なPDCAサイクル体制が整備されている。
〇児童の人権を尊重し、児童の最善の利益を目指す養育・支援の実践に向け、ケース会議や職員会議で論議が重ねられ、年2回の児童へのアンケート、職員アンケートや自己評価の実施、人権擁護チェックリストの活用等子どもを尊重した養育・支援の実践に取り組まれている。
〇子どもの生い立ちを振り返る取り組みについては、子どもの心身の発達段階を考慮しながら慎重に対処され、事後フォローもしっかり配慮されている。また、各々の子どものアルバムの整理・保存とともに、昨年度から、子どもの成長過程に寄り添い、生い立ちの記録、成長の記録を子どもと一緒に記録・整理する「育てノート」の作成が行われており、ライフストーリーワークの実施に努められている。
〇中学生以上を対象に毎月一回の退園後フォロープログラムのミーティングとともに、高校3年生は自立支援室を活用し、食生活を初めとする生活全般に亘るリービングケアの支援や(※)ブリッジフォースマイルの自立支援事業に参加して退園後の支援に繋ぐ取り組みがされている。また、退園前には関係機関とも支援会議を行い、見守り体制をお願いするとともに、児童及び保護者に対し相談・連絡先の資料を配布されている。(※児童養護施設を退所した子どもたちを対象に、自立した社会生活を営むことができるように支援活動を行っているNPO団体)
〇小規模グループケアホームの利点を活かして、子どもの生育の背景にある様々な要因・背景を理解し、職員間で連携しながら支援に努め、年2回の子ども達のアンケートの実施等により子ども達の気持ちを理解し、子ども達に寄り添った支援ができるよう取り組まれている。
【改善の求められる点】
〇人事基準が明確にされ職員に周知されるとともに、個人面接や半期毎の目標管理シートの記入など職員の意向把握や処遇改善等のための評価・分析に取り組まれているが、人事基準に基づく評価制度については今後の課題と認識されており、法人としての取組推進に期待したい。
〇園が有する児童の養育・支援などに関する専門的知識や経験などを積極的に地域に還元する公益的事業・活動への取り組みの充実に期待したい。
〇自然災害、火災等の災害時の子どもの安全確保について、現在、検討課題とされている事業継続計画(BCP)策定の検討が進むことを望みたい。
〇心理担当職員を配置し、プレイセラピーの実施等の支援がなされているが、児童相談所や専門機関・専門家との一層の連携強化・活用を図り、自立支援計画と心理支援プログラムを連動させた支援・取り組みの充実に向けて、昨年度から職員へのコンサルテーションを実施されており、取り組みの進展・充実に期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント ◎この度は、平成26、29年度以来、3回目の第三者評価の受審となりました。当園の取り組みについて、第三者委員の方々から高評価をいただき、誠にありがとうございました。日頃から全職員で取り組んだ結果と受け止めております。
また、改善についてご指摘をいただいた項目については、真摯に受け止めて改善に向け取り組みを進めてまいります。
 これから当園としては、新しい養育ビジョン及び佐賀県社会的推進計画に基づき、施設の小規模化、高機能化及び多機能化を目指し、中長期計画の見直しを毎年行い、子どもたちの権利擁護と、より家庭的で個別的な手厚い支援が行えるように努力していきます。
 改善点の中の、人事評価や災害時の事業持続計画(BCP)については、早急に取り組みたいと思います。また、園が有する子どもの養育・支援に関する専門的な知識を地域へ還元する取り組みについては、里親やファミリーホームの支援の充実、将来の児童家庭支援センターの開設等も視野に入れて取り組んでいきます。
 また、専門職と連携については、自立支援計画作成時に、各専門職の取り組み内容を積極的に取り入れ、その中の一つとして、心理支援プログラムと自立支援計画の連携を図り、支援の充実に努めます。
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