【1】第三者評価機関名 | (特非)北九州シーダブル協会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18274 14-a0026 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 67名 | |
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施設長氏名 | 蓑原 朋子 | 所在地 | 福岡県 | |
URL | https://www.ikujiin.com | |||
開設年月日 | 1968年10月14日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 福岡育児院 | |
職員数 | 常勤職員 | 35名 | 非常勤職員 | 12名 |
有資格職員 | 保育士 | 21名 | 心理士 | 2名 |
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栄養士 | 1名 | 調理師 | 6名 | |
児童指導員 | 11名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 居室 20室 | (イ)設備等 | 学習室2室 ・ 保育室1室 ・ 食堂厨房1室 ・ 会議室他8室 |
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(ウ) | 心理療法室1室 ・ トイレ6室 ・ 医務室1室 | (エ) | プレイルーム1室 | |
【3】理念・基本方針 | 理念 こどもたちが「福岡育児院で育てられて良かった」と思える施設づくり 基本方針 一、入所児童の権利擁護を基本理念として、こどもを中心に据えた養育の充実と治療的なケアも含め、ひとりのこどもに全職員で向き合い、社会的自立にいたるまでの援助・支援を行う 一、基本的な生活習慣や節度ある態度の涵養と、自らを認める自尊感情や物事への感謝等人間関係の基礎を培う。 一、学習に励み、勤労を学び、困難にくじけない忍耐力とお互いに協力する精神を育てる。 一、創意工夫する態度を身につけ、自主的に又、合理的に物事を判断する力を養う。 一、身の回りの清潔に対する関心を高め、健康に留意する等の衛生観念を養うとともに、美しいものを愛し、豊かな心を育てる。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ○大学・短大等進学者への支援の充実。施設独自の支援金制度(福岡育児院後援会・那の津LC基金)により、返済義務無しで支給される。 〇人員配置の充実。特に一時保護・ショートステイ部については、最低基準以上の人員を配置し、よりこまやかな支援ができるため、基本的生活習慣を培うだけでなく、愛着形成と自尊感情の増進を図ることが出来るよう取り組んでいる。 ○児童養護施設を取り巻く環境や経営状況についての分析・検証を行い、その対応策を検討し、利用者数・利用者像等について、施設が位置する地域での特徴や変化を把握するよう努めている。 ○施設内研修や外部からの講師による研修を積極的に取り組んでいる。また、外部研修後の職員会議の中で研修報告やロールプレイなどを行い、職員間での研修内容の共有化を図っている。 ○研修については、コロナウィルスの影響もあり、外部研修の開催が減少したため、院内でのリモート会議を取り入れ、数多く実施できている。 ○職員への福利厚生として、年2回の健康診断の実施、マスクやウィルス予防グッズの支給、インフルエンザ予防接種費用の補助等を行っている。 ○介護休暇や育産休、職員の私事による勤務の振り替え、長期休暇取得の推奨等、職員の希望の聴取等をもとに柔軟性を持たせた働きやすい職場づくりに向けた取組を進めている。 〇働きやすい仕組みづくりの促進のために、相談窓口として社労士に相談できる体制をとっている。 〇地域と施設の相互交流を促進するために、地域の体育協会に職員が参加し、企画・運営に協力している。また、地域行事には、子ども達が校区運動会、夏祭り、歩こう会、文化祭等の地域行事へ参加している。 ○地域の小・中学校との連携を図るため、年に1度学校の先生を招いて、交流会が行われている。 ○職員は日頃の子どもとのかかわり方を振り返るために自己チェックを行い、部内で月2回程度話し合いを持って、養育・支援の向上に活かされている。 ○担当部署以外の職員による全児童への聞き取り調査を月に1回、施設長が直接処遇者へ月に1回直接聴き取り調査を行い、権利侵害の防止と早期発見するための取組を行っている。 ○権利侵害の防止・子どもの思想・信教の自由について、年に1度、全児童へ「権利ノート」に則って、説明と聞き取り調査が行われている。その内容については、児相と施設で会議の場を持ち、施設にフィードバックが行われ、検討会を開催している。 ○職員の外部研修への参加を進めている。また、大学教員をスーパーバイザーとしたケース検討会を2カ月に1度、開催している。 ○意見箱を各所に配置し、意見があった場合は、施設長が直接確認し、児童や職員と検証し改善する取組を行い、自由に意見が言えるような配慮を行っている。 ○施設内研修において外部講師を招いて、子どもが問題行動を起こす背景や原因を十分に踏まえたうえで事例検討会を行うことにより、子どもの内面の理解、また、その対応の方法等を学び、対応の強化を図っている。 〇施設内の死角となる場所の見回りや、職員間の情報共有で問題が発生しないように、日常業務において配慮しながら予防に努めている。 〇問題が発生した場合は迅速に対応が取れるように、ケースの振り返りや現状分析が行われる体制を整えている。また、必要に応じて児童相談所等の関係機関と連携し、一時的に分離を行って養育・支援するなどの対応を行っている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2020年06月30日(契約日)~ 2020年11月13日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 〇地域、諸団体との交流と福岡育児院に対する支援体制の充実 ・地域の体育協会に職員が参加し、企画運営に協力している。また、子ども達が校区運動会、夏祭り、歩こう会、文化祭等の地域行事に積極的に参加している。つばさ少年少女合唱団(市内3施設の子どもたちが集まって月2回練習)、ピアノ、歌の生演奏の鑑賞、子ども絵画コンクールへの参加、福岡市児童福祉施設球技大会(野球、バレーボール)に参加する等、文化芸術活動、スポーツ活動が盛んである。全日本司厨士協会バイキング食事会や焼き肉招待、博多食文化の会食事招待や福岡西ローターアクトクラブ、福岡那の津ライオンズクラブとの交流会等が行われ、毎年感謝の気持ちを込めて院内クリスマス会を開催し交流を深めている。また、福岡育児院後援会(平成15年4月発足)、那の津LC基金から、学費や就職時に必要な免許取得費用の支援がある。 〇子どもの満足の向上を目的とした取り組、権利侵害の防止と早期発見に向けた取り組 ・意見箱を設置し、週1回子ども集会を実施している。月1回、担当部署以外の職員による全児童への聴き取り調査を行う等、子ども達が自分の思いや意見を表すことのできる機会を多く設けている。また、全児童に「権利ノート」を配布して説明と聴き取り調査を行い、月1回、施設長による直接処遇者への聴き取り調査の実施など、権利侵害の防止と早期発見に取り組んでいる。 〇職員の育成への取り組 ・内・外部研修を積極的に受講し、大学教員をスーパーバイザーとして招き、ケース検討会を2ケ月毎に開催している。また、今年度から、人事考課シートを使用した評価に取り組み、職員一人ひとりが目標を掲げ、向上心を持って働くことが出来るよう、環境整備に取り組んでいる。 〇運営の透明性 ・外部の公認会計士による財務諸表のチェック、事業報告、第三者評価結果の公開、苦情委員会の第三者委員の氏名、連絡先の公示、苦情解決結果の公開など、運営の透明性が図られている。 ◇改善を求められる点 〇小規模化、地域分散化が進む中での各施設間の交流と連携 ・地域小規模養護施設「ポラリス」「アイリス」の職員も含め、各部署の情報と養育、支援の標準的な実施方法、災害対策、不審者対応等の共有を図り、チームワークの強化を目指す取り組を期待したい。 〇医療面での安心できる環境作り ・慢性疾患のある子どもが多く(服薬の支援もある)、看護師の配置がない為、医療や薬、健康に関する知識を学ぶ機会を多く設け、職員一人ひとりのスキルを上げる取り組を期待したい。 〇退所後のフォローアップの充実と卒院生の組織化 ・退所後も、個々に相談に応じたり電話で連絡を取っているが、定期的な声掛けや同窓会の開催等、退所してからの関係継続に向けた取り組みを期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価の受審は今回で4度目となりますが、前回の受審から改善した点を評価していただき嬉しく思います。 地域小規模との連携をはじめ、今回ご指摘いただいた点に関して真摯に受け止め、職員と共に改善に努めてまいります。 今後は、施設の高機能化、多機能化、小規模かつ地域分散化を図るとともに、全体の専門性の向上に努めてまいります。 |