【4】総評 |
◇特に評価が高い点
○小規模化と個別担当養育制により愛着形成に取り組んでいる
3年前に施設全体を小規模グループホームに編成し、職員1人に対して子ども1人から2人を支援する個別担当養育制を取り入れ愛着形成に努めている。担当する子どもの誕生日は、職員が丸1日自由に使い、外出してプレゼントを買ったり、ホームで食事を作って祝う等の取り組みがある。また、担当者がホーム不在の際は、他の職員が担当者のことを話題にして子どもに意識づけを行う等、関係強化を図っている。
○子どもの安全確保に向けた取り組みの充実が図られている
利用者の安全確保を最優先したさまざまな取り組みがなされている。具体的には、「インシデント・アクシデント報告書」の月間まとめや月1回以上の防災訓練、内部研修で救急蘇生法や医学講座の実施等が行われている。また、嘱託医の対応は週3回の診察に加え、必要に応じて24時間可能な体制も整えている。さらに、安全確保に向けた改善検討も進められており、一層の充実を目指して取り組んでいる。
◇改善が求められる点
●マニュアルの整備と記録フォーマットの工夫が望まれる
現在、マニュアルの作成に取り組んでいるが、マニュアル作成日や見直し日などの記載がなく、マニュアルの綴じ込み方法も統一化が図られていない状況となっている。また、子どもの日常の様子は「行動記録」にデータ入力するしくみがあるが、日付と内容、入力者の氏名が、仕切り線など書式のない用紙に打ち込まれている。今後は、様式フォーマットを工夫したり、記載内容を取り決めること等が望まれる。
●個別研修計画作成や職員育成方法のしくみ確立が期待される
職員の能力向上を図るために、各職員のこれまでの研修履歴を作成する一方、個別育成計画書の策定にまでは至っていない状況は改善が急務である。また、内部研修は、現在行っている利用者の安全確保に関する内容に加えて、今後は施設の理念方針の浸透や法令遵守、個人情報保護等についても学ぶ機会を定期的に持ち、施設運営に関する職員の専門性を高めて行くことが期待される。 |