社会的養護施設第三者評価結果 検索

小松島子どもの家

【1】第三者評価機関名 (社福)宮城県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK18014
SK18015
SK18017


【2】種別 児童心理治療施設 定員 26名
施設長氏名 米川 文雄 所在地 宮城県
URL http://scikujiin.or.jp
開設年月日 1979年07月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 仙台キリスト教育児院
職員数 常勤職員 21名 非常勤職員 3名
有資格職員 臨床心理士 3名 公認心理師 3名
社会福祉士 4名 保育士 9名
看護師 1名 管理栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 生活棟4棟 (イ)設備等 管理治療棟、親子訓練棟
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針  「小松島子どもの家」は、人との交流で、ことばの大切さ、自分を信じる大切さを、回復するための施設です。子どもの悩みは、家庭・学校の中で発生します。結果子ども達は、不登校・家出・黙る・落ち着きがない等、悩みも声に出せないで、たった一人で自分ひとりだけで表現しなくてはなりません。それを問題行動と呼びます。
 たった一人ではないよ、よく見れば、すぐ隣に、友だちがいる、そして大人がいる。自分から声を出せば友が大人がきっと聞いてくれる。人と人の関係をつくる自信は、ことばの交流によってはじめて表現します。
 「ことばで」理解し合う、相手のことばを「よく聞く」、相手と自分で「しっかり話す・対話」を最も大切にする、それが子どもの家です。
【4】施設の特徴的な取組 1 情緒の混乱を児童と家族を一緒に解決していく「合同家族療法」をおこなう。
2 課題には「短期・概ね2年以内に発生した問題を2年以内に」解決する。
3 家族とともに児童中心にそれぞれの課題を現実的に解決する「現実療法」。
4 児童の成長は包括的ロールシャッハ診断によって定量的に判断する。
【5】第三者評価の受審状況 2021年06月24日(契約日)~ 2022年02月10日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
【子どもの学力等に応じた学習支援に取り組み、「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援しています。】
 施設では、子どもの学習に関しては、子どもの希望や学習状況に応じて、学習ボランティアが個別に学習支援を行っています。子どもが通学している学校には施設担当の教員がおり、職員ときめ細かな連携ができています。進路選択に当たっては、受験が終了するまでの1年間、子どもが希望する職員を進路担当と決め、保護者や学校と話し合いながら取り組んでいます。また、退所後に通学する学校には引継書を作成して情報を共有するなど、連携が適切に行われています。

【子どもの発達段階に応じて、さまざまな生活技術が身に付くよう支援しています。】
 施設では、子どもの様々な生活技術は、職員と一緒に行うことで身につくと考え、日々の生活の中で支援しています。特に食事については、子どもたちからの要望があり、毎日一緒に作っています。金銭管理については、年齢に応じて小遣いの金額を決め、その都度職員が必要な分を子どもに渡し、レシートを持ち帰って小遣い帳に記入しています。携帯電話の持込みは禁止していますが、退所間近の子どもにはSNSやインターネット被害等にあわないよう学ぶ機会を設けています。

◇改善が求められる点
【治療・支援においての標準的な実施方法等の文書化を期待します。】
 施設では、治療・支援について、日常の生活場面での関わりを大事にしており、実施方法については、日常の生活場面の中で口頭で伝えていますが、標準的な実施方法は文書化されていません。また、記録は、自立支援計画に基づく治療・支援が実施されていることを確認することができる仕組みとはなっておりません。地域や家庭への移行においても、治療・支援の継続性に配慮した手順と引継ぎの文書化はされていません。治療・支援の実施時の留意点や、子どもの尊重や権利擁護、プライバシーの保護に関する姿勢の明示、記録の留意点、地域や家庭への移行に当たっての継続性に配慮した手順、標準的な実施方法等、職員がいつでも活用でき閲覧できる文書化をを期待します。

【子どもの権利擁護に関する取組を期待します。】
 施設では、子どもの権利擁護について基本的な考え方や方針を明示しておらず、規程・マニュアルに基づいた具体的な取組は行われていません。子どもの権利擁護は、社会的養護関係施設としての使命・役割の基本であることから、職員がその意識と理解を深め、権利侵害を発生させない組織づくりと対応方法の周知徹底を進めていくことが必要です。
 また特に、被虐待の子どもは加害を加害として、被害を被害として感じることが難しくなっている場合もあるため、人権侵害や自分や相手を守ることについての意識化が重要です。今後は、子どもと職員が権利について学習できる機会を作るなど、子どもの権利意識を高めるための具体的な取組を期待します。

【子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取り組むことを期待します。】
 施設では、入所する子どもは目的があって入所しており、日々の生活の中での関わりを大事にし、生活の中で子どもの人格が尊重され、精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験等が得られるように治療・支援を行っています。特別に子どもの満足を把握するための面談や調査等の実施はしていません。施設として、治療・支援の改善や質の向上のためにも、子どもの満足を組織的に調査・把握し、治療・支援に生かすことを期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  子どもの時々の(生の)発言、それに対応した職員の(生の)発言こそ、真に(生の)記録の源泉です。
 日常の生活を(共にする)双方の(生の)声から理解を深めたい目的で「対話形式」そのものをデータ記録の原点としております。
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