【1】第三者評価機関名 | (社福)岩手県社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18009 第72号 SK18010 S16003 |
【2】種別 | 児童心理治療施設 | 定員 | 40名 | |
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施設長氏名 | 米川 文雄 | 所在地 | 宮城県 | |
URL | http://scikujiin.or.jp/ | |||
開設年月日 | 1976年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 仙台キリスト教児院 | |
職員数 | 常勤職員 | 20名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 保育士 | 11名 | 栄養士 | 1名 |
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看護師 | 1名 | 准看護師 | 1名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 居室4室 | (イ)設備等 | 療育センター、親子訓練棟、作業棟 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 児童は、家族に産まれ、親が育て、社会に育つ。 「育て」の目的は、子は、独立した個人として社会の一員として様々に異なる人々と一緒に生きる「育ち」が実現できるか否かにかかっている。社会は、安全でなければならない。そして、個人は安心を自らの努力で形成しなければならない。安全と安心は自分の人生を、自ら保護するそれぞれ個人に平等に求められる努力である。乳児として誕生する瞬間から、人は「声」によって親に自分を知らせ、親の関わりを求める。自ら「声」をだして、相手に知らせ、相手の「声」で、安心がえられる、この相互の声の交換が、生涯続く人間としての「ことば」のコミュニケーションの基礎なのである。自分のことばを大 切に使う、相手のことばを大切に聴く、その双方の努力を実現することが人間関係である。 子育ては、父母の努力だけによって、完成されるものではない。 父親、母親として、子どもが社会のなかで、見ず知らずの人にも、自分をよく理解してもらえる会話力と対話力が求められている。「親」としての仕事は、「血縁」を越えた「社会性の形成」実現が求められている。人と人で相手を信じ・頼り・任せるという人間関係の成長を実現ことが、大人の仕事となる。それは、家族でも施設でもともに一緒に行動していく同じ努力となる。 ここで難しいのが、他人(ひと)を変えること。でも、よく考えるなら、他人を変えることより、もっと難しいのが自分自身を変えることなのである。これが、全ての人に課せられた「生き方」の問いとなる。 しかし自分には、最良のアドバイザーがいつもいることを忘れてはならない。その人はあなた自身である。そのことを発見できるチャンスを与えてくれる、それが社会福祉という仕事。 .........皆との生活・自分の生活を大切にしよう............... 男女では *男*からだをきれいに・ *女*せんたくとかたづけ・ 小中高では *小*友だちの話を聞くのが最初、それから自分の話をする。 *中*時間を守る・言葉をまもる・約束をまもる。 *高*自分をまもる・相手をまもる。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 1)情緒の混乱を児童と家族を一緒に解決していく「合同家族療法」をおこなう。 2)課題には「短期・概ね2年以内に発生した問題を2年以内に」解決する。 3)家族とともに児童中心にそれぞれの課題を現実的に解決する「現実療法」。 4)児童の成長は包括的ロールシャッハ診断によって定量的に判断する。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2018年04月02日(契約日)~ 2018年08月07日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成26年度 | |||
【6】総評 | ◇ 特に評価の高い点 食事をおいしく楽しく食べられるような工夫と栄養管理への配慮 食事は、コテージごとに献立は異なり、保育士等の職員が調理を行っている。栄養士は、コテージごとの食事内容を把握し、栄養面の指導や支援を行っている。おいしいごはんをつくり、楽しく食べることを重視している。子どもたちが手伝うこともあり、幅広い調理技術のスキルや調理を通して成功体験を深める機会にもなっている。もちつき等の郷土料理やファミレス等への外食の機会、コンビに等の利用の機会も設定している。 ◇ 改善が求められる点 経営や治療・支援に関する中・長期計画策定の取組 法人は、かつて『丘の家2000小松島総合福祉むら基本計画』を策定(平成2年)し、約20年間の長期計画を基に、時代と地域の要請に応えて、児童・母子・保育・高齢者福祉に関わる保健・福祉・文化の拠点づくりを推進してきた。しかし、小松島子どもの家新築(平成21年)以降は中長期的計画の策定は行われていない。新たな中長期計画(マスタープラン)の必要性については、法人理事会においても提起されてきたが、法・制度の改正等に対応する当面の課題解決を中心とする短期的な計画推進にとどまっている。 今年度は、『社会福祉法人の地域での役割「地域ニーズにどう応えるか」-「新しい社会的養育ビジョン」への対応、少子化社会での施設の在り方-』をテーマに据え、各施設の現状と課題の分析・発表に取り組み、新しいマスタープランの策定につなげていく考えである。ワークショップにおける1年間の検討結果を中長期計画の策定に具体化するためには、法人及び各施設における組織的な体制(計画策定委員会など)構築が求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 平成2年「丘の家2000」策定の前史は昭和40年に始まり、さらに、昭和50年代の議論で、それまでの「子ども城」構想から高齢者を含めた施設づくりに拡張され、乳児の母子支援、看護師による訪問看護、そして地域に保育所を総合的に運営し、今日に至る。いわばその時代と社会のニーズに合致するようにとの努力であった。その中で1989年(平成元年)はソ連崩壊があり、1990年にはキリスト教でいう2000年「新たな」千年紀10年前という熱気にあふれていな時代に構想されたのがこの「丘の家2000」である。 この20世紀末の10年と次の10年の20年間は、日本社会は様々な事件で震撼した時代である。そして10年、本当に東日本大震災に遭遇した仙台である。以降日本列島は、相次ぐ災害に襲われている。ニュースで流れる公的アナウンスは、まさに空襲警報、避難あるのみで、高齢者から幼児まで、全国各地域で走行訓練さながらの「てんでんこ」が日々展開されている2018年。平成元号の最終年である。元号が変われば日本も変わるか。 予測と計画、リスクマネージメント、マニュアルをキーワードに「備えよ・つねに」精神は理解できる。しかし、実際に避難の行動を起こすのは、足の不自由な高齢者であり、足元もおぼつかない幼児たちなのである。この現実格差を正確に実際的に分析することこそマニュアルの肝である。真剣に歴史を振り返れば、今回の大震災2011年3月11日は、仙台市若林区大沼にまで津波が押し寄せた。その前の出来事は、慶長奥州津波1611年10月28日のことである。人には長期変化が分からないのである。しかし実生活では、一人ひとり、己の才覚と行動をもって生きている。己のことは、己で守る、その鉄則をいかに個人個人に形成できるかが福祉の真の課題ではないだろうか。瞬時の判断力と実行を自分という一つの身体で実現すること、また、人はプログラムされた限定作業よりは予想外・予測外にこそ魅力を感じるものである。だから人生はおもしろい。この興味深いテーマが、福祉の根底に横たわっている項目である。人は不完全なるがゆえに、すばらしい自己を形成して人生を送る。 「世界は朝から始まったの?」子どものすばらしい疑問である。いいえ、むかしは日暮れから始めました。暮らしを大切にしたのですね。それが明治になって生活という言葉になりました。大正時代には、全国津々浦々、家々に電灯がつきました。1日1週間1か月。1日24時間。だから、自分で計画を立てて、自分の時間(人生)をしっかり楽しみましょう。 かつて社会は「日本の中」の自分でした。これからは「世界の中」の自分です。ここからまず子どものマニュアルを再・作成したいと考えております。 |