社会的養護施設第三者評価結果 検索

海陽町立すだち寮

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK18163
SK18161
第74号
第75号

【2】種別 母子生活支援施設 定員 9名
施設長氏名 星野 幸惠 所在地 徳島県
URL
開設年月日 1952年07月01日 経営法人・設置主体 海陽町
職員数 常勤職員 6名 非常勤職員 0名
有資格職員 保育士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 9 (イ)設備等 学習室
(ウ) 静養室 (エ)
【3】理念・基本方針 理念:・母と子の願いや要望を受け止め、生活課題への取り組みを支援し、形成することを目指します。
   ・母と子の自立に向けた考えを尊重し、その歩みを共にしながら、支えることを目指します。
基本方針:・母と子の権利支援
     ・母と子の自立支援
     ・サービスの質の向上
     ・地域協働
【4】施設の特徴的な取組 母子と関われる時間を大切にすることで、個々の思いや希望を汲み取ること、相談しやすい環境がつくれるよう配慮している。
関係機関との連携 児童相談所・女性センター・県民局就労支援・生活支援・教育委員会・各教育機関・スクールカウンセラー、スクールワーカー等、できるだけ多くの研修会に参加することで、全母協の動向や研修事項を研修している。
一日の流れを全職員が周知できるよう、連絡簿を作り繋げている。
アフターケアーに努めている。
環境改善のため、施設の改修を行っている。
箱庭療法の取り入れ
【5】第三者評価の受審状況 2018年05月30日(契約日)~ 2019年03月18日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 【特に評価の高い点】
理念、基本方針の実現に向けた中・長期計画の見直し・策定
 施設は、平成26年度に理念、基本方針の実現に向けて、中・長期計画を策定している。平成29年度には、計画内容の大幅な見直しを行っている。理念、基本方針に基づいた施設運営の方向を定め、養育・支援のあり方を示した5年間の計画を策定している。計画は、母親と子どもの自立を目指し、安全・安心な生活環境の保障、DV・虐待への対策、相談支援対策の充実などを目標としている。さらに、支援の質の向上に向けて、“社会的養護の養育・支援”“組織体制について”“設備の整備”“職員体制について”“人材育成”“職員処遇”を重点課題として掲げ、項目ごとに細分化している。組織全体の目指す方向性を示した中・長期計画となっている。

福祉サービスの質の向上に向けた専門的な相談支援体制と連携体制
  職員は、母親と子どもの自立に向けて、支援のあり方を常に模索しながら、最善の支援が行えるように取り組んでいる。職員が母親と子どもと関わる時間を大切にすることで一人ひとりの思いや希望をくみ取り、将来に向けての夢や希望の実現に向けて、母親と子どもにしっかり向き合っている環境は、すだち寮独自の取り組みである。
 施設は、地域特別支援連携協議会や要保護児童対策地域協議会、就学指導委員会等に地域の関係機関・団体の一員として関わり、行政、児童相談所、保育所、学校、保健所、警察署、ハローワーク等との連携体制を築き、課題の解決に向けて取り組んでいる。また、心理療法が必要な子どもへの対応として、施設の一室を箱庭療法室として確保し、定期的に箱庭療法士からの指導を受ける機会を提供するなど子どもの心の開放につながる取り組みが展開されていることは評価できる。

就労継続が困難な母親への支援
 施設は、母親の心身の状況や能力、適正、経験、希望に配慮し、情報提供や同行、職場開拓等の就労支援を行っている。また、就労継続が困難な母親への支援として、職場環境や人間関係に関する相談や助言など、一人ひとりに対応した幅広い支援に取り組んでいる。
 
環境改善のための施設改修の実施
施設は、建物の外装やフェンスを改修している。また、母親と子どもが共同で使用する廊下やトイレ、風呂等は、快適に使用できるよう配慮した改修を行い、清潔が保たれている。利用者が減少傾向にあるなか、これらの生活環境の整備は、施設と町所管課との連携・協議により進めており、町主管課が施設を地域の母子生活支援施設として重要視している姿勢は評価できる。

【改善を求められる点】
中・長期計画を反映した単年度事業計画の策定及び周知
 単年度の計画は、中・長期計画を反映していない。研修や会議、行事予定を記載した年間計画表を作成している。施設では、前年度の事業報告書を詳しく作成していることから、職員間で事業報告書をもとに実施状況の評価や見直しを行い、中・長期計画を踏まえた単年度の事業計画を策定されたい。
 今後は、事業計画の内容等をわかりやすくまとめた資料を作成し、母親と子どもに内容の理解を促す工夫も期待したい。

母親と子どもの権利擁護に関する取り組みの徹底や権利侵害への対応
 施設では、基本方針に母親と子どもの権利擁護を明文化し、職員会議やケース検討会で支援の内容を振り返っている。ただし、権利擁護についての規程・マニュアルを示すまでには至っていない。今後は、母親と子どもを権利主体と位置づけた規程等を示し、母親と子どもの最善の利益に配慮した支援を組織的に行うことを期待したい。また、不適切なかかわりが発生した場合の対応マニュアルの整備が求められる。

各種規程やマニュアル等の整備・見直し
 施設では、様々な規程やマニュアルを整備し活用している。社会情勢や福祉ニーズの変化に対応した規程やマニュアルを整備し見直しが求められる。特に、入所時の母親と子どもへの説明資料である『入所のしおり』の見直しや運営の透明性を確保するための情報開示等に対応する規程を整備されたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 前2回評価いただき、計画・実行等少しずつ前進することができました。しかし、実施報告、見直しにはいたっておりません。評価でいただいた事を大切に、単年度計画の中に見直しを盛り込み、計画を充実したものにして行きたいと考えております。虐待防止マニュアルを作成し、権利擁護につとめ、運営の透明性を確保することで、よりよい支援につなげていけるよう職員一同励んでいきたいと思います。ありがとうございました。
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