社会的養護施設第三者評価結果 検索

海陽町立すだち寮

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK2021240
第53号



【2】種別 母子生活支援施設 定員 9世帯
施設長氏名 中川 恵美 所在地 徳島県
URL
開設年月日 1952年07月01日 経営法人・設置主体 海陽町
職員数 常勤職員 6名 非常勤職員 0名
有資格職員
施設設備の概要 (ア)居室数 9室 (イ)設備等 学習室
(ウ) 静養室 (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
・母と子の願いや要望を受けとめ、生活課題への取り組みを支援し、形成することを目指します。
・母と子の自立に向けた考えを尊重し、その歩みを共にしながら、支えることを目指します。

【基本方針】
・母と子の権利擁護
・母と子の自立支援
・サービスの質の向上
・地域協働
【4】施設の特徴的な取組 ・母子と関わる時間を大切にし、個々の思いに気づけるように配慮している。また、相談しやすい環境が作れるように努力している。
・関係機関との連携 児童相談所・女性センター・スクールカウンセラー・ソーシャルワーカー・教育委員会など必要に応じた相談ができるようにこまめに情報交換等を行うようにしている。
・一日の流れを全職員が周知できるよう、連絡簿を作り繋げている。
・アフターケアーに努めている。
・個々の健康に配慮し安心して生活が送ることができるように環境を整えている。(コロナ感染症対応のため、感染症対策室設置)
【5】第三者評価の受審状況 2022年06月20日(契約日)~ 2023年08月29日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
地域の関係機関・団体との連携、社会資源の活用による支援の取り組み
施設では、理念にもとづく4つの基本方針のなかで、“地域協同”を掲げ、母親と子どもが抱える生活課題の解決に向けて、地域の関係機関等と連携しつつ、支援に取り組んでいる。地域の関係機関・団体、公的機関などについてリスト化した“すだち寮連携図”を作成し、職員間での共有化を図っている。必要に応じて、関係機関と連絡を取ったり、母親と子どもに連絡先を紹介したりして、適切に対応することができるよう努めている。定期的に、行政機関や近隣小・中学校、人権擁護委員、社会福祉協議会、保育所、教育委員会などが集まる、“要保護対策地域協議会”の一員として、地域における共通の課題について協議・検討している。また、災害時には、空き部屋を緊急避難場所として提供するよう取り決めるなど、地域とともに歩む施設として、体制整備に努めている。施設では、近隣学校のソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、臨床心理士等とも、密に連携を図っている。毎月、各専門職の来訪による、母親と子どもの相談日を設け、子どもの状況や発達段階、発達課題などについて、母親と共有化を図ることで、子どもと適切に関わることができるよう支援している。さらに、県内の市民活動団体とも連携・協力し、母と子の心理的ケア等も行っている。施設特性上、広報・周知等が難しいなかでも、地域の関係機関・団体等の社会資源を幅広く活用し、母親と子どもの支援に取り組んでいることは、評価できる。

施設としての役割発揮に向けた、継続性に配慮した取り組み
本年度、施設では、職員の入れ替わり等、体制が大きく変化するなかで、支援や業務等の継続性に配慮した取り組みを実施している。日ごろから、母親と子どもに対して、挨拶や声かけを行い、日常生活や子育て、就業、子どもの進路などについて、相談しやすい関係づくりに努めている。配慮が必要な母親と子どもに対しても、無理強いすることなく、一人ひとりのペースにあわせた信頼関係づくりに努めている。定期的に、“母と子の会”を開催し、職員との交流や入所している母親・子ども同士での交流ができる機会を設けている。また、体制の変更にともない、衛生管理や事故発生対応、個人情報保護、不審者対応、災害対策などのマニュアルを見直したり、新たに作成したりして、活用することができるようにしている。さらに、利用開始にあたり、母親と子どもに説明するための重要事項説明書を作成し、支援の開始時における体制整備を行っている。県内唯一の母子生活支援施設としての役割を発揮するために、職員間で協力しつつ、体制整備に取り組んでいることは、評価できる。

◇改善を求められる点
施設として“期待する職員像”にもとづく人材育成の取り組み
施設は、公設公営であるため、福祉人材の確保・定着や総合的な人事管理等については、主に町の主管課が担当している。また、職員一人ひとりの育成に向けた、目標管理等の仕組みづくりを行うまでには至っていない。職員の人材育成にあたっては、施設の理念・基本方針の達成に向けた人材像としての“期待する職員像”を示し、目指す方向性を明確化することが求められる。今後は、主管課等と協議のうえで、施設として“期待する職員像”を明確化し、職員一人ひとりが具体的な目標(目標項目・目標水準・目標期限)を定めるなど、職員の育成に向けた仕組みづくりが望まれる。また、母子生活支援施設の役割を発揮し、母親と子どもの自己肯定感・社会性を高める支援を行い、自立に繋げることができるよう、専門職としてのさらなる知識・技術の向上に向けた取り組みに期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 平成25年に初めて第三者評価を受審し、今回で4度目の受審となりました。4度目とはいえ、施設職員が会計年度任用職員であるため、職員の入退も多く十分把握できていない中での受審でした。自己評価は、定期的に行ってはいましたが、いざ受審となると職員全員が初めてのことであり、過去の結果を再確認しているなかで、改善すべきところをできるところから始め、少しずつ取り組んでまいりました。資料は作成しても、何ができていないのか、どのようにすればよいのかが漠然としているだけでしたが、委員の方々のご意見、ご指導により課題が明らかになりました。今まで、何をどのようにすれば良いのかがわからなかったことが、具体的に見え始めました。今回、明らかになった課題に対して、できることから改善に向けて努力していきたいと思います。
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