社会的養護施設第三者評価結果 検索

加茂愛育園

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 片山 和義 所在地 徳島県
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【3】実施調査日 2013年07月05日~2014年04月16日
【4】総評 【特に評価が高い点】
 基本理念や基本方針に基づき、全職員が一丸となって子どもの個性や意向を大切にした養育・支援に取り組んでいる。とくに、職員間で共通認識を深めることが子どもの理解へと繋がることから、月2回、全員参加の職員会を開催するなどの工夫を行っている。代表者や施設長、職員は、子どもの力を信じて見守り、心身両面の支援が必要な子どもには、心理療法士による継続した支援を行っている。全職員で子どもを理解するよう努め、受容的な姿勢で子どもとともに課題に向きあっていることは高く評価できる。

 月1回、子どもが意見や要望等を自由に表出することができるよう、子ども自治会を開催するなどして本人の自主性を大切にした支援に取り組んでいる。施設の行事に関する企画にも、子どもが主体的に関わることができるよう取り組んでいる。また、子どもたちが作成した意見箱を玄関に設置し、生活上の要望や意見等を投函する仕組みとなっており、様々な意見が出されている。日常生活のあり方について、子ども達自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援していることは高く評価できる。

 施設の基本理念や基本方針を確立させ、事業計画やパンフレット等に明記している。基本理念や基本方針には、施設の実施する社会的養護の内容と特性を踏まえた使命や目指す方向、考え方を示している。また、基本理念や基本方針を反映した事業計画を、前回計画の見直しを踏まえて詳細に作成していることは評価できる。

 地域住民へ施設の行事への参加を呼びかけたり、施設の子どもや職員が地域行事へ参加したりして、双方向的に交流を行っている。施設では、建物の一部を自治会に貸し出すこともあり、地域のなかの施設として交流を行いつつ、社会的養護や子どもの理解へと繋げていることは評価できる。

【改善が求められる点】
 現在の社会的養護の動向を的確に捉え、施設の小規模化や里親支援の強化、地域支援等の必要性を認識し、施設の将来像やビジョンを描いている。しかし、これらの実現に向けた具体的な中・長期計画を策定するまでには至っていない。今後は、必要な組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、必要なコスト分析等を含めた中・長期計画の作成に取り組まれたい。

 子どもの養育・支援に必要な知識や技術を習得するための職員研修計画を策定している。全職員を対象とした職場内研修を実施したり、研修を終了した職員が研修内容を報告したりして共有化を図っている。また、外部講師を招聘することもあり、高い専門性を有する職員の育成へと繋げている。今後は、現在進めているキャリアパスの仕組みを充実させ、組織として職員一人ひとりに求める技能の獲得に向けた、個別の職員研修計画の策定に取り組まれたい。

 養育・支援に関する日常業務マニュアルを作成し、職員間で共通理解を図っている。職員会議等の際にマニュアルの見直しを行ったり、主任者会議が中心となって各種マニュアルの整備に取り組んだりしている。今後も、継続して各種マニュアルや手順書の整備・見直しに努め、質の高い養育・支援の継続的な実施へと繋げられたい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 この度、第三者評価を受審し、今後の質的向上のための改善を要する事項や或いは評価の高い事項なども具体的に示され、改めて現状を見直す良い機会であったと認識しています。今後は、受審結果を真摯に受けとめ、改善事項や課題はこれを十二分に検討し、速やかに改善すべき課題は早期に具体化するなど、優先順位を付けると共に、施設の小規模化に向けては中期的計画を策定するなど計画的に質の高い養護の提供を目指し、職員挙げて取り組んでまいります。
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