【1】第三者評価機関名 | (社福)徳島県社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18164 SK2019017 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 90名 | |
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施設長氏名 | 太田 敬志 | 所在地 | 徳島県 | |
URL | http://awakoku.jp/ | |||
開設年月日 | 1894年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 阿波国慈恵院 | |
職員数 | 常勤職員 | 34名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 2名 | 精神保健福祉士 | 1名 |
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保育士 | 8名 | 臨床心理士 | 1名 | |
栄養士 | 2名 | 調理師 | 3名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 33室 | (イ)設備等 | ショートステイ室 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 ①楽しく、生活しやすい環境づくりを心がけます。 ②子どもたちの自立を支援するとともに、家庭を支援します。 ③地域の福祉に貢献します。 【基本方針】 ①子ども一人ひとりの声に耳を傾け、しっかりと受容する。 ②子ども一人ひとりの自立を目指すとともに、アフターケアを行う。 ③安心して生活できるよう住環境を整備し、できるだけ家庭的な生活を目指す。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 園舎は、個室、小規模グループケアを整備している。地域の子育て支援拠点として、地域住民や民生委員・児童委員、行政、教育、福祉等関係者などを対象とした研修会を開催するなど、相互の関係を深め連携している。 また、災害時の津波避難ビルの指定をうけており、地域との合同避難訓練を実施している。社会的養護を必要とする子どもや保護者等への支援については、他の福祉サービスや医療機関などと連携し、できる限り良好な家庭的な環境で養育・支援に取り組んでいる。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2021年06月01日(契約日)~ 2022年06月14日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 地域の児童福祉の推進に向けた取り組み 施設では、「子どもは社会の中で育っていくべきである」という考え方を持ち、地域社会との交流を大切に捉えている。運営理念・運営方針のなかで、地域の子育て支援の拠点となることを目指し、社会貢献に努めることを示している。施設の特性や設備等を活かし、ショートステイやトワイライトステイ、休日預かり事業など、子育て短期支援事業を実施している。また、行政より、津波の緊急避難場所の指定を受けて、地域住民と合同避難訓練を実施し、地域住民の安全・安心に繋げている。法人では、認定こども園や放課後児童健全育成事業等を実施し、地域の子どもの養育・支援に寄与している。施設長は、小学校の新人教諭等を対象とした研修会や講演会などに講師として出向き、人権・虐待について講義するなど、養育・支援に関する専門的な情報と知識を地域社会に還元している。職員は、要保護児童対策地域協議会等に出席し、情報交換を行うとともに、地域の子どもや保護者等が抱えている生活課題やニーズ把握に努めている。施設が有する資源・機能等を活用し、地域の子育て支援の拠点として事業を展開するなど、地域の福祉ニーズにもとづいた児童福祉の推進に努める姿勢は評価できる。 子どものライフステージにあわせた養育・支援の取り組み 施設では、就学前の幼児から高校生まで、幅広い年齢層の子どもを対象とした養育・支援に取り組んでいる。子どもの年齢にあわせて、幼稚園、小・中学校、高校への通学を支援しつつ、幼稚園に通う年齢に達しない子どもには、施設内での日中保育を実施している。心身に障がいを有する子どもに対しても、特別支援学級・支援学校等への通学支援を行うなど、細やかな支援に取り組んでいる。日ごろの生活のなかで、子どもが自分の生い立ちや成長を振り返ることができるよう、一人ひとりのアルバムを作成している。退所が近づいた子どもには、県の児童養護施設協議会が作成した、社会生活に向けた冊子“はじめのいっぽ”を活用したリービングケアに取り組んでいる。調理技術や金銭管理、銀行の利用方法、行政・病院関係の手続きなど、社会生活を送るうえで必要となる情報を提供し、子どもが理解できるよう丁寧に説明している。また、高校生以上の子どもには、アルバイトを推奨したり、小遣い帳を活用したりするなど、子どものライフステージにあわせた養育・支援に取り組んでいる。今年度より、自立支援専門相談員を配置し、退所時や退所後の支援体制を整備している。子どもの成長段階にあわせて、将来を見据えた養育・支援に取り組んでいることは評価できる。 ◇改善を求められる点 理念・基本方針の実現に向けた、中・長期的なビジョンの明確化 施設では、県が策定した“家庭的養護推進計画”の様式にもとづいて、平成27年から15年間の長期的な計画を策定している。計画には、家庭的養護の推進や小規模化、地域支援に向けた施設の考え方を示し、グループケア数や定員などの数値を記載しているが、運営理念や運営方針、支援方針の実現に向けた目標や目的、考え方等を示し、将来的なビジョンを明確化するまでには至っていない。中・長期計画は、理念・運営方針等の実現に向けて、養育・支援のさらなる充実や課題の解決等のほか、地域のニーズにもとづく新たな養育・支援の実施なども含めた、将来像や目標を明確化することが求められる。今後は、施設を取り巻く社会福祉事業や地域の状況などの情報にもとづく施設の課題を明確化するとともに、課題に優先順位をつけ、それらの解決・達成に向けた施設独自の中・長期計画の策定が望まれる。また、計画には、重点的に取り組むテーマや福祉人材の確保・育成方針などを示し、定期的に目標達成状況の確認・検証を行うなど、継続的に取り組む体制の整備に期待したい。 総合的な人事管理に向けた取り組み 施設では、運営方針・支援方針のなかで、子どもの養育・支援における姿勢を示すとともに、“施設内虐待防止の知識、技術を身につけるとともに、全職員の資質向上の為に施設内外の研修に努める”ことを明示し、職員の資質向上に向けた姿勢も示している。就業規則に人事基準を定め、養育・支援の質の向上に向けて取り組んでいる。しかし、職員一人ひとりの職務・役割の明確化など、人事管理の仕組みの整備については十分ではない。今後は、福祉サービスを担う人材像の定義となる“期待する職員像等”を示しつつ、人事考課制度や目標管理制度等の人事管理の仕組みを導入し、定期的に、職員の意向・希望等を聞き取る機会を設けるなど、総合的な人事管理の取り組みについて検討することが望まれる。また、職務分掌を作成し、施設長や職員等の役割や責任、権限等について明確化を図るなど、職員の意欲向上や意識改革に向けた取り組みに期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回で3回目の第三者評価受審となりました。自己評価と客観的評価を照らし合わせることで、改めて施設としての取り組みを見直す良い機会となり、強みと弱みを再確認することができました。今後は家庭的養育推進計画・徳島こども未来応援プランを基に施設としての中長期計画の見直し、推進を行い、評価結果を参考に、より良い施設運営、子どもたちへの支援に取り組めるよう邁進したいと思います。 |