社会的養護施設第三者評価結果 検索

常楽園

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK18163
SK18161



【2】種別 児童養護施設 定員 40名
施設長氏名 岩根 光隆 所在地 徳島県
URL http://wwwc.pikara.ne.jp/jourakuen/
開設年月日 1955年08月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 常楽園
職員数 常勤職員 20名 非常勤職員 0名
有資格職員 保育士 4名 栄養士 1名
調理師 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 14室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
養護ニーズの多様化に伴い、組織の明確化と運営の民主化を確立し、その責任と活動の分野を強化すると共に児童の心身の安定と独立心の高揚を図り、自立した健全な社会人となすべく養護育成、地域福祉、家庭支援の為の職員の専門職を自覚し実践することを信条とする。
【基本方針】
基本方針としては、組織の明確化と運営の民主化を確立し、その責任と活動の分野を強化すると共に児童の心身の安定と独立心の高揚を図り、自立した社会人となすべく養護育成の為菩薩道を実践し、また地域福祉、家庭支援に努めることを信条とする。
【4】施設の特徴的な取組 共に働く職員が家族のように助け合い、支え合って仲が良い雰囲気を大事にしていきたいと考えています。そんな大人の姿をこども達が見て安心と笑顔が増えるように。こども達にとって、かけがえのない出会いとなるように。職員一同、同じ信念を持ってより良い支援をしていきたいと考えています。
【5】第三者評価の受審状況 2019年08月26日(契約日)~ 2021年01月28日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
働きやすい職場づくりへの取り組み
施設では、養育・支援の質の向上や子どもの健やかな成長を促すためには、職員が仕事に対して意欲的に取り組むことができる職場環境づくりが大切であることを把握して、職場環境づくりに取り組んでいる。全職員を正規雇用することで、安心して働ける環境を担保するとともに、職員の定着率の向上に取り組んでいる。労務管理の責任者を職務分掌で明確化し、人数や年齢のバランスに配慮して労務管理を行ったり、職員の相談やメンタルケアに応じたりするなど、相談しやすい体制を整えている。有給休暇取得の症例や育休・産休・介護休暇等を取りやすくするなど、福利厚生の改善・充実により、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行っている。年1回、職員に向けたアンケート調査を行い、一人ひとりの意向や要望を把握するよう努めている。また、職員の提案により、養育・支援の基本的な考え方である“菩薩道”をプリントしたユニホームを作成し、対外的な活動時に着用したりするなど、楽しく、働きやすい雰囲気の中で、養育・支援に取り組んでいる。子どもや職員が一体となって、家庭的な雰囲気の中で養育・支援に取り組んでいることは、評価できる。

子どもの意向や主体性を中心に据えた養育・支援の取り組み
施設では、養育・支援の基本的な考え方として“菩薩道”を掲げ、“~子ども達のお世話をさせてもらっているという気持ちを大切に持ち、皆が支え合い共に学び成長していく”という姿勢を大切にしている。理念や年間目標を達成するための指針として、13項目の“児童処遇と目標”を事業計画書で示し、子どもの主体性に配慮した養育・支援の姿勢や考え方について、職員間で意識の共有化を図っている。子ども一人ひとりを“うちの子”と考え、かけがえのない大切な存在であることを、日ごろの養育・支援の中で伝えている。子どもからの意見を反映して、施設内の生活におけるルールを検討・変更するなど、柔軟に対応し、一般家庭と変わらない環境づくりに取り組んでいる。また、高校生以上の子どもには、通帳管理やキャッシュカードの利用方法について学ぶ機会を設けるなど、金銭感覚や経済観念が身につくよう支援している。子ども一人ひとりの将来や成長過程を見据えた養育・支援の取り組みについては、評価できる。

楽しい雰囲気やコミュニケーションを大切にした食事の取り組み
施設は大舎制のため、食事の際は幼児から高校生までが揃って食堂に集まり、明るく楽しい雰囲気で食事をとることができるようにしている。全員が食卓に着くまで食事を待つことや年長児が年少児の食事の準備を確認するなど、一般家庭と変わらない、自然な配慮を行っている。食事中は、子どもの学校での様子等について、職員や他の子どもが耳を傾けるなど、コミュニケーションの場となっている。栄養士や調理師も一緒に食事をとることで、子どもの食事内容を確認したり、食材に関する知識や食事のマナーを伝えたりするなど、食育の取り組みを実践している。定期的に、嗜好調査を行い、子どもの好みの食べ物などの把握に努めている。また、休日の朝食時間を遅くしたり、アルバイトや部活動で夕食時間が遅くなる場合に配慮したりするなど、一人ひとりにあわせた食事の提供を行っている。子どもにとって食事が楽しく大切な時間となるよう取り組んでいることは、評価できる。

◇改善を求められる点
現状の課題の改善・解決に向けた中・長期計画の策定
国が示した“新しい社会的養育ビジョン”に基づいて、県においても“社会的養育推進計画”の策定が進められるなど、児童養護の分野については、施設養護から家庭養護へと少しずつ変化している。施設では、その変化にともなって変わるニーズに対応するために、施設の組織体制や職員体制、財務状況などの現状分析に基づいて、具体的な課題や問題点を明確化し、理念や基本方針の実現に向けた中・長期計画を策定することが求められる。今後は、評価結果等を踏まえて、明確化した課題の改善や解決等に向けた、中・長期計画の策定に期待したい。

子どもの権利擁護に関する取り組み
施設では、入所時に、子どもや保護者に“園のルールについて”や“権利ノート”を活用して、子ども一人ひとりがかけがえのない大切な存在であり、人権を守るための取り組みについて伝えているが、規程やマニュアルなど、権利擁護に関する文書の策定には至っていない。今後は、子どもの権利擁護について、規程(虐待防止・権利擁護規程等)やマニュアルを作成し、職員間での周知・徹底を図ることに期待したい。また、定期的に、子どもに対しても、自他の権利等について、話しあう機会を設ける等の取り組みが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 三度目の第三者評価受審に向けて、職員一同、前回いただいた評価を共有、反省し、改善に向けて、少しずつではありますが取りくんできた3年間だったと思います。受け継がれてきた菩薩道の教えをこれからも大切にして、苦しい時こそ思いやりの気持ち、寄り添う気持ち、支え合う気持ちを持って、笑顔の多いあたたかい常楽園にしていきたい。
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