社会的養護施設第三者評価結果 検索

徳島県立徳島学院

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 S16052
S15059



【2】種別 児童自立支援施設 定員 36名
施設長氏名 宮田 憲 所在地 徳島県
URL http://www.pref.tokushima.jp/docs/2010081400017/
開設年月日 1923年03月31日 経営法人・設置主体 徳島県
職員数 常勤職員 25名 非常勤職員 12名
専門職員 管理栄養士 1名 調理師 4名
保育士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 4室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 理念
学院は、児童憲章及び児童福祉法の理念に基づき、すべての児童がその適性や能力に応じて最善の利益を実現できるように万全を期す。

基本方針
(支援目標)
学院は、措置児童及び退所児童が、家庭や学校、社会に適応できるよう自立することを支援目標とし、自立支援計画の完了をもって支援の終了とする。
(重点目標)
①健康なからだ、体力を養う。
②人や自然を愛する優しい心、豊かな精神を養う。
③自己を見つめる態度、自我の確立を図る。
④社会生活に必要な基本的な生活習慣を身につける。
⑤善悪の判断力を養う。
⑥根気や集中力、協調性や共感性、自己抑制力を身につける。
⑦基本的な学力及び生活力を身につける。
⑧児童と家族との関係改善を図る。
【4】施設の特徴的な取組 ・毎年度総括的に自己評価を行うとともに、日々の支援のあり方や行事等について、協議し、改善を図っている。
・入所時に「徳島学院苦情解決制度」を説明している。学院内の担当者名のほか、第三者委員の名前を本館廊下に掲示している。言いにくい場合のために意見箱も設置している。
・児童に英検、漢検に取り組む意欲を持たせ、学力の向上並びに自己肯定感の育成に役立てている。
【5】第三者評価の受審状況 2016年05月17日(契約日)~ 2017年04月24日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

施設の有する機能や存在意義の発揮に向けた取り組み
施設では、外部の学識経験者による“徳島学院のあり方検討委員会”を設置し、子どもへの自立支援や地域との連携など、今後の施設のあり方について意見交換を進めている。また、徳島学院のあり方検討ワーキンググループ設置要綱を定めるなどして、次長や副寮長、また県関係各課の職員が、検討課題に対する調査・研究を行うなどしている。子どもに良質な居住環境を提供することや自立支援機能の強化を図ることで、子どもの安心・安全の確保に向けて取り組んでいる。また、福祉避難所機能、研修生・ボランティア等との交流推進、地域との連携機能を付加することで、施設の有する機能や存在意義の発揮に向けて検討を進めていることは評価できる。

子どもへの支援の充実と種々のマニュアル整備
子どもの安心・安全の確保、生活習慣の醸成、心の育ちなど、支援に必要なマニュアルの整備を進めている。理念・基本方針に基づくマニュアルに沿って、子どもの最善の利益に配慮した支援を提供している。職員は子どもの発達段階に配慮した支援を心がけ、受容・傾聴・共感を基本姿勢として、個々の子どもの心に寄り添う支援に努めていることは評価できる。職員は寮舎を中心としたチームワーク体制を確立し、家庭的な雰囲気の中でよりよい支援を追及し、「子どもたちの育ちと育てなおし」を支援している。子どもたちの安全を守るため、学識経験者等で組織する安全委員会を設置し、第三者の意見を支援に反映させていることは支援の透明性の確保に繋がっており評価できる。

自立支援計画策定過程の専門性の追求
アセスメントを行うにあたり、児童相談所や原籍校、分校、心理職員、寮長、寮職員などの多機関・他職種が関わることで、多角的な観点からアセスメントを行っている。各寮では、日々の子どもへの支援過程が、自立支援計画に沿ったものかどうかを、寮日誌や支援記録から確認することができるようにしている。また、支援困難ケースへの対応も積極的に行っている。記録要領の作成や内容については、支援担当課長が指導を行っており、スーパーバイズの機能を担っている。また、寮会議、支援担当者会、連携ケースカンファレンス、支援方針会議など、支援に関する様々な会議の機会を設けており、適切な情報共有に努めている。自立支援計画の策定と実施、評価、見直しのサイクルを適切に定め、運用している。


◇改善を求められる点

子どもの最善の利益の実現に向けた中・長期計画の策定
組織の理念や基本方針の実現に向けた中・長期計画を策定し、社会的養護施設としての社会的役割や責任を明確にされたい。理念や基本方針、中・長期的なビジョン、単年度の事業計画を一貫して策定し、目標に対する実施状況の分析、検証、見直しを実施し、子どもの最善の利益に向けた改善に取り組まれたい。

地域との連携強化による児童自立支援施設の機能と役割の発揮
施設の性質上、地域との関わりにある一定の困難さがあるが、地域で様々な課題を抱えた子どもや保護者、または地域ニーズを把握している民生委員・児童委員等からの相談の窓口となるなどして、施設の有する専門的機能の発揮に取り組まれたい。また、現時点の運営方針として、入所は中学校卒業まで、中卒児・高校中退児・高校生等に対しての入所には対応していないところではあるが、高校生等(15歳以上)の入所を希望する保護者等、また関係機関・団体などの要望も見受けられることから、再度、児童自立支援施設の機能と役割について協議を重ねられたい。

退所後のライフステージに合わせたサポート体制の整備
退所後、家庭復帰した子どもの事後指導として、フォローアップ・アフターケア事業を推進しているが、期間を設定したうえでの運用となっている。子どもはスモールステップにより社会適応していくことが大切であることから、退所した子どものニーズに応じて、いつでも相談することのできる場所として存在し、社会的養護の地域拠点としてソーシャルワーク機能の提供やライフステージに沿った適切な支援を継続するとができるよう機能の拡大とサポート体制の整備に着手されるよう期待する。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 当学院の支援のあり方がより高く評価されたことは、職員一丸となって取り組んできた「学院改革」が軌道に乗るとともに、効果を挙げていることが証明されたものであり、これを励みとして今後なお一層「子どもたちの最善の利益」を目指し、質の高い支援に取り組んでいきたい。
 なお、ご指摘をいただいた点については、真摯に受け止め改善に努めたい。県として現在、庁内・外の組織を立ち上げ、今後の徳島学院のあり方・あるべき姿を議論しているところであり、この中で具体的に検討を進めていきたいと考えている。さらに高評価をいただけるよう日々精進してまいりたい。
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