社会的養護施設第三者評価結果 検索

加茂愛育園

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15129
S16053



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 片山和義 所在地 徳島県
URL
開設年月日 1945年09月28日 経営法人・設置主体 社会福祉法人愛泉会
職員数 常勤職員 16名 非常勤職員 1名
専門職員 保育士 5名 管理栄養士 1名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 20室 (イ)設備等 地域交流兼プレイルーム
(ウ) 図書ラウンジ (エ)
【3】理念・基本方針 理念
一人ひとりの命と権利を護り、個性や意向を尊重して成長と発達を育み、子ども達の最善の利益の実現をめざす。

基本方針
・安心と信頼のある良い生活環境をつくり、将来自立できるよう成長に努める。
・子どもたちの権利を尊重し、いかなる暴力からも守る。
・一人ひとりの人間性や精神力などが十分伸びるよう支援する。
・正しい生活リズム、生活習慣など身につけ年齢に即した責任感をもつよう支援する。
・子どもに応じた学力、体力や生活力の習得を支援する。
・子どもたちの能力や希望を尊重しつつ進路選択を支援する。
【4】施設の特徴的な取組 子ども達の主体性を大切にした支援に取り組んでいる。
【5】第三者評価の受審状況 2016年05月18日(契約日)~ 2017年04月14日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

養育・支援の質の向上に向けた組織内活動の充足
前回の第三者評価の受審を踏まえ、養育・支援の質の向上に向けた各種委員会活動に取り組んでいる。権利擁護・地域、広報・学習、スポーツ、リービングケアの4つの委員会を組成し、施設内の課題解決に向けた取り組みを行っている。例えば権利擁護委員会では、“子どもの権利ノート”を活用し性教育をテーマとした年間の継続的な取り組みとなっており、子どもが自分自身の大切さや他者愛を育むことができるよう職員とともに考え、学ぶ機会となっている。このように自己評価や第三者評価結果から抽出された課題に関する改善活動を、組織として全所的に推進している。さらにこれらの活動は、職員の自主的な参画と積極的な取り組みが運営の軸となっており、今後の組織運営の機能性の向上や組織文化の醸成等においても重要な意義と役割を担っていることは評価できる。

組織的に子どもの自立を推進するための施設長のリーダーシップ
施設長は、自ら率先して子どもとの関わりを大切にしており、日頃から子ども一人ひとりの思いに寄り添った支援に努めている。また、施設の管理者としても、社会的養護施設を取り巻く環境や必要とされていることなどの把握に努めたうえで、児童福祉施設に必要な機能や役割の発揮に努めている。施設内で高校生部会を立ち上げるなど、子ども達の状況に応じた積極的な取り組みを行うことで、子ども一人ひとりが社会生活を円滑に開始することができるようにしている。自らが中心となって、状況に応じた課題改善活動等を積極的に実施するなどして、リーダーシップを発揮していることは評価できる。

社会的養護の周知・啓発と福祉人材の育成に向けた取り組み
職員は、県内・外の大学や専門学校を訪問して施設紹介を行ったり、児童養護施設の機能や役割、または児童福祉に関する啓発活動を行ったりしている。これらの取り組みを通して実習希望者が増えるなどの効果も表れており、少子・高齢化の進む地域にあっても、広く社会福祉に関する福祉人材の育成等に積極的に取り組んでいることは評価できる。


◇改善を求められる点

課題等の解決と目標の達成に向けた、中・長期的展望に立った計画の作成
国の方針として児童養護施設の小規模化・家庭的養護の推進等が掲げられるなか、施設では平成36年度を目標として検討を進めている。今後は、入所児童の動向や地域のニーズ把握とそれへの対応、職員の確保等の様々な課題を具体的に解決するためにも、中・長期の展望に立った計画の策定に取り組まれたい。

職員一人ひとりの専門的な技術・技能の蓄積と発揮への期待
施設では、職員が長年にわたって培った技術や技能等が一人ひとりの経験知として蓄積しており、日頃の支援過程において、高い水準の養育・支援の提供を実現している。それらの社会的養護・養育に関する専門的な技能は、地域で暮らす様々な困りごとを抱えた方々や、将来的に社会的養護を必要とするであろう子ども達にとって極めて重要な社会資源・力であることから、今後はそれらの組織内で蓄積した技術・技能等を標準的な業務手順書として可視化させ、全職員で共有するなどしてさらなる養育・支援の質の向上へと繋げられるよう期待する。

子どもの成長記録の確認
子どもたちが自分の成長を振り返ったり、自分の生い立ちを確認したりするためには、写真やビデオ、アルバムなどの記録媒体の活用が求められる。複雑な家庭環境を経験し、様々な生活過程を経験している子どもたちにとっては、写真等が果たす役割にも一長一短があるかもしれないが、自分自身を大切にすることといった自己肯定感の育成や自分の成長を確認するといった生きる力の育成にも繋がるため、これらの果たす役割を職員間で再確認しつつ、子ども一人ひとりの状況に応じた取り組みへの活用に向けて検討されたい。

職員一人ひとりの目標管理と、組織内のスーパーバイズの仕組みの連動による支援の質の向上
職員一人ひとりの知識や技術、技能等は蓄積しつつあるが、今後もより質の高い養育・支援力を組織として向上させる必要がある。そのためには、現在の研修・教育等の機会に加えて、職員一人ひとりの目標管理を行うなどし、これを支える教育的な仕組みとしてのスーパーバイズ体制を組織として確立されたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント この度、第三者評価を受審し、今後の質的向上のための改善を要する事項や或いは評価の高い事項なども具体的に示され、改めて現状を見直す良い機会であったと認識しています。今後は、受審結果を真摯に受けとめ、改善事項や課題はこれを十二分に検討し、速やかに改善すべき課題は早期に具体化するなど、優先順位を付けると共に、施設の小規模化に向けては中期的計画を策定するなど計画的に質の高い養護の提供を目指し、職員挙げて取り組んでまいります。
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