社会的養護施設第三者評価結果 検索

阿波国慈恵院

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 90名
施設長氏名 太田 敬志 所在地 徳島県
URL http://awakoku.jp/publics/index/2/
【3】実施調査日 2014年04月25日~2015年03月11日
【4】総評 ◆特に評価が高い点
長年にわたって社会的養護を必要とする子どもたちのための養護を推進してきており、子どもを慈しみ、寄り添った支援のあり方が組織風土として定着している。運営理念や運営方針にもそれらの精神を盛り込み、子どもたちができるだけ家庭的な雰囲気のなかで生活することができるように支援している。子どもの施設での暮らしがパターン化されたものとならないよう、職員は自らの支援を振り返り、“子どもの最善の利益”を最優先に捉えて、子ども一人ひとりの主体性を尊重した養育・支援を行っていることは高く評価できる。

地域の福祉ニーズに基づいて学童保育やトワイライト、ショートステイを実施し、地域の子育て支援の役割を担っている。施設の行事に地域住民を招待したり、子どもたちと地域の高齢者が交流することのできる機会を設けたりして、積極的に地域との関わりをもつよう取り組んでいる。災害時を想定した避難訓練等も地域と合同で開催している。地域との双方向的な交流を通じて開かれた施設づくりを目指しつつ、施設の有する専門的機能の発揮に努めていることは高く評価できる。

複雑な家庭環境で育ち、生きづらさを抱えた子どもや障がいのある子どもに、心理ケアも含めた専門的な支援を行っている。家庭復帰や社会的自立に向けて、子どもと家族の負担を少なくしつつ円滑に移行することができるよう関係機関と連携し、長期間に渡って支援するなど、子ども一人ひとりの個別支援計画に基づいて細やかな養育・支援に努めていることは評価できる。

◆改善が求められる点
自己評価に取り組むなかで、今後の社会的養護に求められる支援の質について職員一人ひとりが自らの課題と真摯に向きあい、少しずつではあるが改善に向けた取り組みに着手しつつある。しかし、組織として課題を抽出し、分析、検討、改善を行うまでには至っていないことから、今後は組織として課題を整理したうえで、中・長期計画化するなどの取り組みに着手されたい。課題分析と中・長期計画の策定にあたっては、社会的養護の課題と将来像を十分に踏まえ、長年にわたって社会的養護を必要とする子どもたちのための養護を推進してきた施設としての実績に今後求められる役割を反映した発展的な計画とされたい。

施設の社会的存在理由や信条、支援のあり方等を示した運営理念と運営方針を事業計画に明記し、職員に示して相互の共有化に努めている。しかし、これらを子どもや家族、地域社会に向けて発信する機会が十分ではないことから、子どもに向けた分かりやすい説明のあり方について工夫を行うとともに、可能な範囲で家族や地域社会に向けて発信するための仕組みづくりについて検討されたい。

日頃から、子ども一人ひとりの特性に応じたきめ細やかな養育・支援を行っているが、プライバシー保護や自立支援計画作成の手順、実習生の受け入れ、ボランティアの受け入れに係るマニュアルの整備は十分ではない。長期間にわたってチームで養育・支援を行ううえにおいて一定の質を保つためには、標準的な実施方法を定めた文書等で、対応方法の手順とその意味等の共有化を図る必要があるため、各種マニュアルの整備に向けて検討されたい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
①中・長期計画の策定について、国の動向を見ながら検討していきたい。
②ホームページや機関誌で発信していきたい。
③各種マニュアルを作成しはじめている。
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