【4】総評 |
◇特に評価が高い点
・昭和23年前身の施設が設立されて以来の運営となっています。そのような歴史に育まれた養育支援の考え方も活かしながら、最近の施設を取り巻く環境変化に対応しながら平成10年には双樹学院ケア基準を作成され養育支援にあたられています。
・学力等に応じた学習支援を行い、子どもに適切な進学指導や子供の意向を尊重した職場実習や職場体験(アルバイト)の機会を用意することによって、社会自立へ向けた取り組みがされてます。子どもの最善の利益を守ることを養育支援の基本とし、具体的には施設において子どもが安心して生活していることが実感できるようにすることを目指しています。そのために、職員には「子どもと共に」の精神で、心身の健康とコミニュケーション能力・子供の人生に関心を持ち向き合うことができることを求めています。
・措置変更に当たっては、継続性に配慮した対応がされています。
・学校行事にも積極的に参加されるなど、学校との連携を密にしながら、子どもに関する情報を出来る限り共有して子どもを育てています。
・地域の祭りは学院と共催する等、よく交流されています。子どもと地域の交流を促進し、子どもの活動範囲を広げる取り組みをされています。
・施設長は自らの役割と責任を明らかにし、リーダーシップを発揮され、業務の効率化や改善に向けた取り組みをされています。
◇改善が求められる点
・実施している社会的養護の将来像や目標、現状分析、組織体制、設備整備、職員体制、人材育成等の課題や解決方針および施設の小規模化、家庭支援の充実を盛り込んだ、法人・施設の総合的な中長期計画の策定が望まれます。又単年度の事業計画は、中長期計画の内容が反映されたものであることが求められます。
・業務全般を通じて使用する記録様式や記録の仕組みが構築され、実施されていますが、それらの手順を示すマニュアル等の整備ができていないものが少なからずありました。また、文書や記録の定期的なレビューやその記録等の仕組みが明確ではありませんでした。職員の入替わり等による引継ぎや新入職員のスムーズな適応、育成ためにも必要なマニュアルを整備することが必要と考えます。
・研修や会議等における学習の機会や、職員が共通した認識の下、養育支援するために必要な研修等が体系的には整備されていません。専門職として、共通した知識と技術習得の機会を体系的に設定されることを期待します。今後、施設として支援の標準化による質の担保、職員に期待する姿勢の理解促進、専門職としての資質の向上等に繋げられることを期待します。
・方針、手順等に従った養育・支援の実施の確認について、記録や分析、評価する仕組みが明確にはありません。安心・安全と養育・支援の質を担保するためにも、仕組みを構築され、職員の力量把握、業務の定期的な見直しのインプット情報として活用されることを期待します。 |