社会的養護施設第三者評価結果 検索

島根東光学園

【1】第三者評価機関名 (有)保健情報サービス
評価調査者研修修了番号 SK15120
島-78



【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 來海 正幸 所在地 島根県
URL
開設年月日 1960年03月04日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 島根東光学園
職員数 常勤職員 7名 非常勤職員 3名
専門職員 母子支援員 3名 少年指導員 3名
嘱託医 1名 臨床心理士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 2DK19室、1DK1室(全室オール電化) (イ)設備等 多目的室1室、遊戯室1室、心理療法室1室
(ウ) 学習室1室、談話室1室 (エ) 静養室1室、相談・応接室1室
【3】理念・基本方針 理念
私達は、博愛と共生の精神に基づき、児童の健全育成と世帯の自立を支援します。

経営方針
(1) 利用者の尊厳と権利擁護を図り、サービスの質の向上と安全を確保し、住みよい施設づくりに努める。
(2) 乳幼児の健やかな成長、児童の健全育成と学力の充実に努める。
(3) 関係機関(者)と連携し、家庭生活の安定と、世帯の安全・自立を図る。
(4) 経営基盤の確保に向け、入所世帯確保、暫定定員の改善に努める。
(5) 地域住民との交流を図ると共に地域の子育て支援の貢献への素地作りに努める。

支援等の方針
(1) 母子の願いを取り入れつつ広い視野からの目標を定め、関係機関との密接な連携を図りながら支援を計画的に推進し、母子の課題解消に努める。
(2) 個人情報の保護を適切に実施し、世帯のプライバシーを尊重し、母子が心身の健康を保持し安全で安心した生活ができるように支援する。
(3) 母のキャリアアップを図ったり安心して働ける環境を作ったりすることで、経済的安定を得て自立できるように支援する。
(4) 児童が基本的生活習慣、学力、豊かな感性、理性等の豊かな人間性を身につけるよう支援する。
【4】施設の特徴的な取組 ・DV被害者等困難な母子世帯の受け入れと支援
・乳幼児の保育、学童保育、日常生活(家事・家計管理等)の支援
・福祉、医療、司法等との連携による専門的支援の充実
・地域と連携しての学習・あそび支援と伝統行事の実施
【5】第三者評価の受審状況 2017年10月03日(契約日)~ 2018年03月06日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 島根県内唯一の母子生活支援施設です。昭和42年3月に現在地島根大学近郊の静かな住宅街に新築移転し、長年に渡り地域との関わりが持たれています。平成28年1月に改築され、新しく清潔な最新鋭のオール電化の施設となりました。
 「自立していく力をつける。」「母親と子どもが(島根東光学園で)大事にされたという経験をもつ」ことを職員は意識し、支援の共通理解が図られています。

◇特に評価の高い点
●地域との繋がりと良好な関係。
・地域住民を招いて行うちまき作り・餅つき会等の行事、島根大学の学生によるボランティア活動の受け入れ等、地域との関わりを継続的・積極的に行われています。
また、子ども達の友達もよく遊びに来る等、開かれた施設となっています。
地域の方、家族、施設職員がその行事や遊びを一緒に楽しむことで、見守りや理解等、良好な関係が保たれています。

●相談しやすい雰囲気と退所利用者への支援
・プライバシーが守られ、安心・安全な環境で生活されています。
職員に悩みや意見等を言いやすい雰囲気や環境を整え、信頼関係を築けるように心掛けておられます。遊びや学習室の利用により子ども達の状況把握に努めておられます。
また、退所者の会(ひまわり会)が毎年あり、退所者や元職員との交流やアドバイスの場にもなっています。
職員は、共通理解を持って支援するために、1日3回の引継ぎと週1回の職員会議で母子の状況の確認を行い対応されています。

◇改善を求められる点
●中・長期計画の策定
・国のビジョンの動向にも左右されますが、施設としての中・長期計画の策定に期待します。施設としての中・長期的なビジョンは持っておられ、会議等でも話されておられますが、理念や基本方針を実現するための具体的な取組、経営状況・環境の把握・分析等を踏まえた目標設定をされることに期待します。

●利用者数の安定
・施設側は機能を果たすべく受け入れ体制を整えておられますが、利用世帯数の停滞による経営上の課題を抱えられています。施設側としても、委託元や関係機関等に対し、更なる情報提供等していかれることに期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 本施設では、“安心”と“自立”を運営の柱としています。“安心”とは利用者の安全確保を含む心の安定を図ることであり、“自立”に込めているものは、自立への環境整備と意欲を醸成するという支援の質の充実を目指すものです。
 そのような面から今回の第三者評価を見た時、『内容評価基準』の、特に、毎日の暮らしそのものであり支援の中心である[日常生活支援]項目において、a評価に加え、本施設は「自立に向かっていけるよう」「心のゆとりを持てるよう」な支援を行っており、母親は「安心できる場所であると感じている」との評価コメントがあること、及び、増加している[特別な配慮の必要な母親、子どもへの支援]においても、直接自立に関わる[就労支援]等においても高い評価を受けたことは、母子生活支援施設の在立目的と深く関わる支援の質としての高評価だと受け止めています。このような評価を得て、私たちは今後とも強い信念を持って支援に関わると共に、誠意を持って一層質の高い支援を目指して邁進する気持ちを新たにしたところです。
 また、今年度序盤で11世帯まで減少していた入所世帯数が、現在17世帯まで回復している事実は、『共通評価基準』の評価としても、基本方針、運営管理、支援状況等が適正であり、施設が母子生活支援施設としての機能を果たしている表れの一端であるとも思っています。
 他方、抽象的な表現で指摘されている改善点につきましては、早急に具体的で実効性のある改善策を打ち立て実践する努力をしてまいりたいと考えます。
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