社会的養護施設第三者評価結果 検索

米子聖園天使園

【1】第三者評価機関名 (有)保健情報サービス
評価調査者研修修了番号 SK15120
福-205



【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 徳岡 洋子 所在地 鳥取県
URL http://www.misono-j.or.jp/
開設年月日 1937年05月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 みその児童福祉会
職員数 常勤職員 31名 非常勤職員 8名
専門職員 児童指導員・保育士 22名 家庭支援専門相談員 1名
個別対応職員 1名 里親支援専門員 1名
職業指導員  1名 栄養士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 本館3ホーム、別館2ホーム、地域小規模児童養護施設1ホーム (イ)設備等 食堂・調理場6室
(ウ) 風呂・洗濯場6室 (エ) 園庭2ヶ所、体育館1ヶ所
【3】理念・基本方針 基本的考え方
『キリスト教的愛と児童観に基づいて、児童の個性の人格を尊重し、事務的、管理的
 養護に流れることなく、児童一人ひとりをかけがえのない存在として受容し、心身共
 に健全で情緒豊かな常識ある社会人として自立できるよう育てる』

基本理念
 「一人ひとりを愛し慈しむ心で接する」
(みその仁愛ノート)
 〇 感謝する心を育てる
 〇 自己肯定感を育む
 〇 目に見えないものを大切にする

養護方針
 〇 一人ひとりのありのままを受け入れ、その成長のためその心と立場に立って考え、安心、安定した生活ができるように努めます。
 〇 将来、一人の社会人として自立出来るよう、困難に立ち向かえるような支援を日々の生活に取り入れます。
 〇 一人ひとりを尊重し、その個性にあった援助、指導を模索し、職員間で話し合い一貫した養育・支援に努めます。
【4】施設の特徴的な取組 ・子どもたちとの日常の生活の中で、職員は自らの責任と役割を果たし、子どもの未来を創造した創意と工夫を持ってより良い支援に努められています。
・子どもたちの声に耳を傾け、子どもたちの意見や気持ちに寄り添いながら、子ども
 たち主体性を大切にし、安心して活き活きと生活が出来る温かい居場所作りに努めら
れています。
「小規模化(女子3ホーム・男子2ホーム)による安心・安全な居場所確保」)
・豊かな育ちのため、生命(いのち)を大切にし、自他の尊重の意識や思いやりの心を育てる「生きるためのこころ(性)の教育」に取組まれています。
・個々の子どもの養育・自立支援と保護者に対する子育て支援は勿論のこと、親子関係の改善を目指し、家庭支援専門相談員を中心とした親子再統合へ向けた取組みが行われています。 
・社会的養護施設に対する自治会への参加等が積極的に行われ、地域住民からの支援及び地域子ども会イベント等へ多くの参加要請を受け、子どもたちも楽しみに参加しておられます。
・子どもの成長過程に合わせた基本的な生活習慣(職員と一緒に小遣い使用での買い物・外食及び公共のバス・列車含む)の学び及び、地域イベントへの参加交流での対人関係やより良い社会人になるための地域企業への職場体験(アルバイト含む)等の取組みが行われています。
・地域の中で、より家庭的な生活を目指し、地域小規模児童養護施設(たいようホー
ム)を開設(平成29年4月29日)運営開始されました。
・現行の園舎の建て替え(平成31年度、園舎環境整備)に向け、基本設計等具体的な取組みが進展しています。
・常勤職員の平均年齢が31.8歳と若く入所児童との年齢ギャップは少なく、職員一人当たりの子ども直接支援は2.3人と適正な配置の養育・支援が行われています。
【5】第三者評価の受審状況 2017年11月01日(契約日)~ 2018年03月23日(評価結果確定日)
受審回数 3回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 昭和12年に社会福祉法人聖心の布教姉妹会により「米子聖園天使園」が設立され、その後、平成20年に社会福祉法人みその児童福祉会により「米子聖園天使園」の経営が継承されました。
現在の建物は、建築年の関係でそれぞれの設備が老朽化している点も見受けられますが、施設はきれいに清掃され、日頃の職員の方々の配慮が伺われます。
みその児童福祉会グループとして、児童養護施設、乳児院、保育所の福祉サービスを提供する施設であることから多様な知識・技術に裏付けられた人材による施設運営が行われ、新たな社会的ニーズを受容することができる児童養護施設です。
みその児童福祉会として、今後のあり方の研究が進展しており、機能や役割ごとに人材の育成、組織活性化、他団体との連携強化等地域福祉の推進を視野に入れた中長期のビジョンが確立されています。「新しい社会的養育ビジョン」における「施設養育の小規模化」「地域分散化」「高機能化」「一時的養護」等家庭と同様な養育施設の環境整備及び更なる「子どもの権利保障」の施設機能に向けた運営に関する改善が行われています。

◆検討課題等の進展
・小規模化・高機能化・・・児童住環境の整備(平成31年度園舎建て替え計画)
・地域分散化・・・・・・・たいようホーム開設(平成29年4月)
・パーマネンシー保障に関する研究(特別養子縁組・・里親制度の新な取り組み)等
・職員の育成(OJT含む)

◇改善を求められる点
・中長期計画等の理解
施設の福祉サービスの目的や社会的な存在意義、使命や役割に関する職員の認識は、中・長期の事業計画及び単年度の事業計画の事業収支及び具体的な取り組み内容・目標(5W1H方式&定量化)等が施設全体・ホーム単位・職員単位に整理され、職員に年間事業計画(PDCAサイクルによる達成度の振り返りと改善対策等)が年度当初(下期見直し時期)に的確に説明を行い、職員・子ども(保護者等)・地域等がそれぞれの立場において理解と納得が得られる施設の運営が行われることを望みます。

・子どもの養育支援の質の向上
入所に関して被虐待児やADHD(注意欠陥・多動性障害等)、広汎性発達障害等の増加が著しく、個別支援対応の必要性が増している中、ベテラン職員の定着が低く、新規採用職員が配置され、早期に若手職員の人材育成・専門性の向上が課題であることから人材育成研修及び職場OJT研修等に取組まれています。
施設長(副施設長)及び基幹的職員(ホーム長)に加え、相談役等を配置しての施設全体の運営となっていますが、職員に向けたスーパービジョンにおける具体的なスーパーバイズを定期に行い、日常の多様な生活養育・支援は、自信と誇りを持って対応、組織運営が求められています。現状も意識して取組まれていますが更なる取組みに期待します。
職員個々の人材育成の取組みに加えて、養育支援サービスの品質基準の設定や評価等職員が養育・支援業務の達成感を認識できる施設運営に期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 法人理念や役割、中・長期計画、単年度の目標、養育・支援に関する基本方針についても、明文化し職員への周知に努めていますが、全職員の理解を得るためには、周知の仕方を含め工夫が必要と感じます。
 組織力や職員力の充実を図り、子ども一人ひとりの生活の質と、心に寄り添う支援を重点的に日々取組んできました。
 今回の評価は、一つの通過点としての示唆に富むものであると考えます。形から中身へ、質的な向上を目指す事が、これからの活動の中心になっていくと思います。
 今後、職員個々の意識や更なるスキルの向上を図り、子どもの視点に立って、子どもと共に生活を創っていきたいと思います。
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