社会的養護施設第三者評価結果 検索

鳥取こども学園希望館

【1】第三者評価機関名 (有)保健情報サービス
評価調査者研修修了番号 SK15120
福-19



【2】種別 児童心理治療施設 定員 入所30名、通所15名
施設長氏名 西井 啓二 所在地 鳥取県
URL https://www.tottorikodomogakuen.or.jp/
開設年月日 1994年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 鳥取こども学園
職員数 常勤職員 38名 非常勤職員 3名
専門職員 医師 1名 看護師 1名
セラピスト 7名 児童指導員 9名
保育士 13名
施設設備の概要 (ア)居室数 小規模グループケア定員6人×5ホーム (イ)設備等 共用グランド 1ヶ所
(ウ) 共用体育館 1ヶ所 (エ)
【3】理念・基本方針 1 理念・方針
1)法人の理念 キリスト教精神に基づいた「愛」の精神。子ども一人ひとりのありのままを受容し、子ども一人ひとりのかけがえのない命をはぐくみ、育てることを使命とする
2)職員自身が、自らを見つめ、問いかけながら生き、子ども達を一人の人間として認め、職員と子どもが共に育ちあう
3)小舎制を基盤とした家庭的な養育体制のもと、ホームでの生活を大切にする
4)子どもの権利条約に基づく「子どもの最善の利益」を追求する
5)学園の3つの大切なきまり
  ①自分も他人も大切にする
  ②人間の尊厳を培う
  ③問題はすべて話し合いで解決する
【4】施設の特徴的な取組 社会福祉法人鳥取こども学園は、子どもと家族、退所者支援等の13事業を実施しており、これら法人の幅広い支援を一体とした意識で相互の事業が連携と協働を基本として事業を展開しています。
児童心理治療施設希望館は、平成27年6月に創立20周年を迎え、生活棟を改築竣工し、ホームもこれまでの4ホームから5ホーム体制に移行し、ホームの定員を小規模グループケア基準の6人としています。
また、新設した「さつきホーム」をより治療的なホームとして位置づけ、入所の受け入れと自立準備の機能を持たせ、子どものよりきめの細かいケアが可能となっています。
【5】第三者評価の受審状況 2017年07月13日(契約日)~ 2018年03月05日(評価結果確定日)
受審回数 2回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
●「小規模ホームによるきめ細やかな支援」
希望館では、小規模のホームを編成することにより、できるだけ「普通の生活」をベースした支援を行っており、「子どもの最善の利益」のために入所前に経験の乏しかったことや環境変化の支援がきめ細やかに行われています。

●「子どもの教育保障の充実」
 児童心理治療施設の子どもは通常、施設内に併設された分校等に通学するのが通常ですが、希望館では、創設時から児童相談所、県教委並びに市教委、校区の小中学校等の福祉、教育等の行政機関と子どもの教育保障について話し合われてきました。
その結果、現在、子どもの状態に応じて、施設内の分校をはじめ校区小中学校の通常学級や特別支援学級、並びに特別支援学校への通学も可能となっています。
また、学習支援ボランティアや塾の活用などの支援も行われています。

●「スーパーバイズ体制の充実」
 希望館の対象は、情緒に障がいのある子どもの治療を含め総合的な支援の施設であり、職員体制も精神科の医師をはじめ、心理職、保育士など医療と福祉の職員が協働して勤務しています。各ホーム長は経験を積んだ職員が勤めていますが、子どもへの支援はケースバイケースでの対応が求められます。
 希望館ではOJTをはじめとするスーパーバイズ体制が明確に取られており、施設長をはじめ現場経験豊富な入所・通所部門の副館長や男女ホーム毎にブロック長が設置され、職員からの相談指導体制が組まれています。

◇改善を要する点
●「職員の処遇について」
「子どもの最善の利益」を実現させる為、毎日、法人全体の朝会、更に10時30分~12時は、希望館独自の朝会が行われる他、ケースカンファレンスも頻回に開かれています。その他、職員は子どもの支援、記録の作成、カンファレンスの資料作りや行事、関係機関との連絡に追われる現状があります。
現状に於いても、指定基準以上の職員配置を行われていますが、職員のボランタリズムに依存する場面が多く見られます。より理想の養育と支援に向けて、行政等と話し合われ、改善に向けての方策作りに向け活動されていかれる事に期待します。

●「社会福祉士実習の受入れについて」
現在、社会福祉士(県児童相談所依頼)、大学地域学部生、医学部大学院生、司法修習生、他施設からの実習や全社協アジア研修等の受入れが行われていますが、社会福祉士の実習については受けておらず、今後、相談支援業務の充実や人材確保を含め開かれた法人としての役割を期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 評価受審の趣旨からも、項目をA評価とすることは目標とはしていません。また、結果に囚われることなく、常に子どもとのより良い関係を築いて行くことが重要な課題と思っています。
一方、この評価結果は御家族の方やこれから社会的養護を目指す若い人たちにとって、重要な意味を持っていると理解しています。また、評価結果を公表することは、当施設が法人と共に取り組んでいる社会的な外部発信のひとつでもあります。一人でも多くの皆さまに当施設のことや社会的養護のことを御理解いただき、助けを求める指標であったり、将来の職業選択やボランティア活動の参考としていただくなど様々な効果が期待できます。
近年、社会的養護関係施設を取り巻く環境や制度は目まぐるしく変化し、さまざまな発展と将来性が議論されています。評価結果の中でも「具体的な中長期計画」や子どもへのケアのみならず「人材の確保と育成」に重点が置く必要があることを示唆していただいています。変化と成長の時代に、当施設らしさを失わず、自信を持って、子どもの最善の利益の追求を持続し、子ども達に説明できる未来を企画しなければならないと痛感いたします。今後も社会的養護の一員として、子どもの最善の利益を追求する姿勢を維持していく所存です。皆さまの御理解と御協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
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