社会的養護施設第三者評価結果 検索

鳥取こども学園乳児部

【1】第三者評価機関名 (有)保健情報サービス
評価調査者研修修了番号 SK15120
鳥-78



【2】種別 乳児院 定員 15名
施設長氏名 竹中 成代 所在地 鳥取県
URL https://www.tottorikodomogakuen.or.jp/
開設年月日 2006年10月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 鳥取こども学園
職員数 常勤職員 34名 非常勤職員 3名
専門職員 家庭支援専門相談員 1名 里親支援専門相談員 1名
セラピスト 1名 看護師  4名
保育士、児童指導員 22名 個別対応職員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 小規模グループケア定員5名×3ホーム、ゲストハウス1室 (イ)設備等 プレイルーム1ヶ所
(ウ) 面会室2ヶ所 (エ) 診察室1ヶ所、園庭1ヶ所
【3】理念・基本方針 法人の理念
1)キリスト教精神に基づいた「愛」の精神
子ども一人ひとりのありのままを受容し、子ども一人ひとりのかけがえのない命を育み、育てることを使命とする。
2)職員自身が自らを見つめ、問いかけながら生き、子ども達を一人の人間として認め、職員と子どもが共に育ちあう。
3)小舎制を基盤とした家庭的な養育体制のもと、ホームでの生活を大切にする。
4)子どもの権利条件に基づく「子どもの最善の利益」を追求する。
5)学園の3つの大切なきまり
  ①自分も他人も大切にする
  ②人間の尊厳を養う
  ③問題はすべて話し合いで解決する。

乳児院の理念
キリスト教精神を基調として
1)子どもにとっての最善の利益を図る
2)愛着関係や基本的信頼関係の構築
3)高い倫理観の獲得と専門機関などと協力しつつ援助内容の向上の努める
4)情報を公開し、家族や専門機関などと協力しつつ援助内容の向上努める
5)全ての人の尊厳を守る
【4】施設の特徴的な取組 ・小規模ケアの徹底(基準増の人員配置、各ホーム男性職員配置、夜勤1名体制)
・短期的ケアの充実(一時保護、ショートステイ、トワイライトステイ)
・施設の家庭、里親支援、治療的養育支援、地域における児童・家庭福祉支援
【5】第三者評価の受審状況 2017年07月13日(契約日)~ 2018年02月28日(評価結果確定日)
受審回数 2回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 鳥取こども学園は、キリストによって示された愛と奉仕の生き方に学び、全ての子どもの幸せを願い子どもと共に成長することを使命とし、1906年鳥取孤児院・育児院として創設以来110年の歴史を重ねている。民間キリスト教社会事業として、制度もない時代から、常に時代を先駆的・献身的・愛の精神を希求し続け、「すべての子ども達に人間としての尊厳と子どもらしい生活、多面的で調和のとれた発達を保障する」という努力により現在に至っている。社会的養護に関する全国的リーダーシップをとり、組織的な法人運営により新たな「日本型社会的養護」の展開を積極的に推進している。

◇特に評価の高い点
●「家庭的養育の推進」
家庭と同様の環境における養育を推進することを目標に掲げ、乳幼児の健やかな成長・発達を育むことを養育方針とし、小規模グループケアが実施され、基準増の職員配置、男性職員各1名配置、夜間勤務体制等職員体制の充実や家庭同様の施設整備によるホームの人的資源や環境の充実が図られている。

●「短期利用児童のための別棟体制」
 平成27年度から取り組まれてきた、一時保護、ショートステイ、トワイライトステイの地域支援の乳幼児の養育について名称を「チームさくらんぼ」から「さくらんぼホーム」に変更し、入所している子どもたちとは別棟で充実した養育の実現に向けた取り組は、全国的にも例がなく先進的な取組として高く評価できる。

●「法人全体が一体となった養育支援」(共通)
社会福祉法人鳥取こども学園は、総合的な運営に係る中・長期計画の策定や緊急な主要課題等について、各組織の幹部職員が協働し分析・解決策を提示し、職員に周知している。主となる子どもの支援についても、組織的に臨機応変に対応行われており、法人の各施設の専門性を最大限に活用し、効率的かつ効果的に取組体制は高く評価できる。

◇改善を要する点
●養育・支援の質の向上に向けた組織的な取組
 小規模ケアの職員体制を充実し、施設設備や遊具、室内環境等が整備され、養育支援について日々研鑽し、乳幼児との愛着関係や基本的信頼関係を構築しているところである。
しかし、法人の運営方針に沿い、職員配置や環境整備等ハード面の充実が図られる一方、子どもの遊具の多くがほぼ既製品であり、絵本が子どもの手の届かない場所に置かれるなどのほか、玄関や周囲にあたたかみを感じられる物等の少なさが気になります。
今後、乳幼児の気持や目線を考慮した愛情あふれる環境づくりについて、施設内外・各ホームどこを観ても、先駆的に全国の社会的養護を牽引してきた法人の理念・運営方針に沿ったイエス・キリストの愛の精神に溢れる「一般家庭が理想とするモデル」の実現に一層期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 第三者評価を受審することにより日頃の取り組みを見返すことができました。整備されていない部分や努力の足りない部分などが明らかになり、早急に改善を図りたいと思います。
今後も子どもと大人との愛着形成を育むことを基本に、子どもが安全で安心して過ごすことが出来るよう家庭的養育を追求し続け、養育支援並びに家庭支援、また地域養育支援に力を注ぎ、更なる乳児院の機能強化、職員の組織的な体制作り、専門性の向上に努めたいと思います。
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