社会的養護施設第三者評価結果 検索

高鷲学園

【1】第三者評価機関名 (一財)大阪保育運動センター
評価調査者研修修了番号 S25045
S18129
0701C083


【2】種別 児童養護施設 定員 82名
施設長氏名 小山 道彰 所在地 大阪府
URL http://takawashigakuen.com/
開設年月日 1946年10月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 大阪福祉事業財団
職員数 常勤職員 46名 非常勤職員 16名
有資格職員 保育士 児童指導員 38名 調理師 / 栄養士 6名 / 1名
看護師 1名 臨床心理士 1名
家庭支援専門相談員 / 自立支援専門員 2名 / 1名 里親支援専門相談員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 1,私たちは、入所する子どもの施設生活に対する不安を軽くし、安心して生活できるような配慮と努力を行います。
2,私たちは、子どもとの信頼関係を基礎にしながら、その子ども自身の発達に応じた援助を行います。
3,私たちは、子どもたちが安心して生活できる環境を保障し、子ども同士が集団の中で育ちあう関係が作れるよう援助します。
4,私たちは、食文化を大切にし、子どもの成長、発達、健康の維持に必要な栄養を確保するとともに、心が満たされるような温かい食生活をめざします。
5,私たちは、子どもたちが文化的で快適な生活が送れるように、住環境の整備と美化、改善に向けて努力します。
6,私たちは、子どもが基礎学力をしっかりと身につけ、自分にあった進路が見つけられるよう援助します。
7,私たちは子どもの利益を第一に考えながら、保護者、家族との関係の継続、改善、回復をはかるための援助をします。
8,私たちは、施設を対処する子どもに、社会生活への準備期間として必要に応じて個別的に援助します。
9,私たちは、子どもの権利擁護の視点に立った援助技術の向上に努めます。
【4】施設の特徴的な取組  本体には7ユニット、地域小規模児童養護施設が2か所(各定員6名)。また、その他の事業として、一時保護所(2018年事業開始 本体内での事業 定員6名)、里親支援機関「with里親」(2018年事業開始)、子育て支援短期事業などを行っています。
 施設には児童養護指針(処遇憲章)があり情勢に合わせて見直しを行いながら子どもたちの支援に反映できるように取り組んでいます。
 若い職員が増加する中、人材育成に力を入れて取り組みを進めており、特に職員研修の充実を図っています。
【5】第三者評価の受審状況 2020年10月19日(契約日)~ 2021年03月27日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評  高鷲学園は、大阪府羽曳野の地に開設されてもうすぐ70年になります。戦後の戦災孤児の保護・育成から始まり、今日まで約1,650人の子どもたちを養育し家庭や社会に送り出してきました。子どもたちが安心して生活ができ、成長・自立するために、子ども同士の育ちあいを大切にしながら養育にあたっています。2009年度には新しい園舎が完成し、落ち着いた環境での生活が実現しました。
 評価できる点は次の通りです。
 ①中・高校生に個室を整備しプライバシーが守られ安心して生活できる環境が整備されていること。
 ②地域小規模養護事業に取組むことで社会的養護のニーズに積極的に対応する姿勢がみえること。
 ③一時保護の子どもを含め子どもの状態に応じた学習保障に取り組んでいること。
 ④幼児棟を新設してホームによる家庭的養育に取り組んでいること。
 ⑤幼児棟新設に伴い、新たに幼児の一時保護所を開設すること。
 ⑥食事に力を入れ「食」を通じて人間関係を培うことに努力していること。
 ⑦子ども自治会・意見箱で子どもの声を聴き対応していること。
 ⑧子どもと職員の人間関係は、当評価機関が行った子どもへのアンケートによると、「子どもの声を聴いてくれる」が評価されていることから良好であると判断できること。
 今後の改善課題は次の通りです。
 ①施設を出た後の就労の継続や社会生活を支援するために自立援助ホームの設置と支援活動の充実を図ること。
 ②子どもが施設で主体的に生活できるために「子ども自治会」の充実を図ること。
 ③大阪府や羽曳野市と連携して里親の拡大と里親支援の充実を図ること。
 ④心理療法担当職員の役割と業務の内容を組織として明確にしていますが、児童指導員や保育士との連携の強化を図ること。
 ⑤家庭支援専門相談員を軸に他の職員と合意を形成しつつ家族再統合に向けた取り組みを進めること。
 ⑥共有スペースに絵画や花を飾るなど心地よい空間に整備すること。
以上の改善が進められることを期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  今回第三者評価を受診にあたって、新型コロナウイルス感染拡大の防止から日程調整を再度させていただくことになりました。第三者評価受審では、自施設の支援体制や管理業務、実践を振り返るいい機会になりました。
 日々の支援の中で行き詰まっていたところ、第三者の目から見て頂き指摘を受けることは私たち職員集団にとっても実りのあるものでした。
 学園ではこどもの人権というところをしっかりと大切にしながら支援してきた私たちですが、プライバシーに対するマニュアルがなかった視点に気づかされました。人権については個人情報の取り扱いという部分では常に意識して取り組んできましたが、プライバシーに特化して指摘を受けることができたことは、今後施設運営の中でしっかりと整備していかないといけないことだと思います。また施設の方針理念として大切にしてきた児童養護指針の改定を行っているところです。昨今、「地域分散化」「小規模化」が進められていく中で、今まである集団養育を中心とした支援からより個人個人一人ひとりを尊重する支援への見直しがされてきています。また集団生活だからこそ出来る利点もあると考えています。双方の支援課題についても見直しできたところはとてもプラスになったと考えています。
 改善点としまして b評価をいただいているところには積極的に改善に努め、またそれ以上にできることがないのか今後も職員集団一丸となり、こどもたちの最大の利益を求めて尊重する施設づくりを行っていきたいと思います。
 管理者としては、こどもだけではなく働く職員の生活を守る義務があります。その中でもワークライフバランスに配慮した働きやすい職場環境づくりの整備や職員がこどもたちに支援しやすい環境づくりというものをしっかりとつくり上げていくのが必要だと感じています。「里親支援」「一時保護事業所」と新事業を進めていく中、まだまだ施設の中でも課題は沢山ありますが、今回の評価をもとによりよい施設運営を進めていきたいと思います。
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