【1】第三者評価機関名 | (社福)大阪府社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | S24172 SK15113 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 35名 | |
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施設長氏名 | 山本 朝美 | 所在地 | 滋賀県 | |
URL | http://www.kobatokai.or.jp | |||
開設年月日 | 1962年01月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 小鳩会 | |
職員数 | 常勤職員 | 46名 | 非常勤職員 | 3名 |
専門職員 | 社会福祉士 | 1名 | 保育士 | 28名 |
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社会福祉主事 | 4名 | 看護師 | 5名 | |
栄養士 | 2名 | 臨床心理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 6室 | (イ)設備等 | |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ・同一建物内に立地する児童養護施設小鳩の家とつよい連携の基、0歳~18歳までのつながりのある一貫養育の実施。 ・小規模グループで家庭的な養護を行う。 ・地域住民の一員として地域に根ざした暮らしをするとともに、地域資源として社会貢献を行う。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ①小規模グループケア・家庭的養護の取り組み 平成4年改築時、家庭的養護・小規模グループ・社会資源としての地域貢献の3本柱の方針を立て運営。以降24年間小規模グループケアに取り組み、その充実のため、人員配置や養育の向上に努めてきた。 ②里親支援事業 滋賀県下において施設からの里親委託事例は100%当法人であったことから、里親会との交流や里子の支援を長きに亘って実施してきた。平成22年から里親支援事業の委託を受け、併設施設児童家庭支援センターの機能を生かしながら里親家庭の支援を実施している。 ③地域に根ざした施設として存在し、地域の自治や子育てを支える。 地域の資源として、地域行事に場所や人材を提供すると共に、子育て家庭の居場所として、併設施設児童家庭支援センターの機能を生かし、サロンや相談事業を展開。地域住民が施設に自然な形で来訪されている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2017年02月27日(契約日)~ 2017年09月30日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成26年度 | |
【6】総評 | ◇施設の概要 小鳩乳児院は、滋賀県唯一の乳児院で、昭和37年に大津市から幼児院とともに運営を当法人に移管された施設です。同一建物内に併設された児童養護施設小鳩の家と一体化した養育方針のもとに運営されており、子どもたちの0~18歳までの育ちを支えています。子どもたちは、年齢別に構成された5つのホームに分かれて、一人ひとりが職員にしっかりと受け止められ、大切に育てられています。県下における施設からの里親委託はすべて当法人からであったことから、里親制度の拡充には施設としても力を入れています。施設の近くに近江神宮があり、子どもたちは自然に囲まれた静かな環境の中でのびのびと育っています。 ◇特に評価の高い点 地域との関わり 「子どもは施設の中だけで育つのではない。地域の中で育まれる」といった法人・施設の基本方針のもとで、当施設は設立以来、地域との関係を大切にしています。施設は町内自治会の一員として参画し、職員は地域の各団体や機関の役員、行事の係員として地域に溶け込み、施設の社会化と地域の活性化に向けてその一助を担っています。また、施設の子どもたちは、町内の各種行事に積極的に参加すると共に、施設内でとり行われる「小鳩まつり」や地域に会場を提供して行われる行事に地域住民の一員として参加しています。法人が運営している「児童家庭支援センター(こばと子ども家庭支援センター)」ともども、乳児院や児童養護施設の地域への取り組みは、単に「地域交流」や「地域支援」といった枠を超えて、「子ども」「施設」「地域」の相互の育ち合いの場として日常的に取り組まれていることが高く評価できます。 養育・支援の質の向上を目指した各ホームの取り組み 施設における養育・支援の質の向上を目指した取り組みの一つとして、子どもの年齢等によって構成されている小規模グループの各ホームにおける活動が仕組みとして充実しています。年度初めに各ホームごとに年間計画を立案し、それぞれのホームの年間目標や子どもの健康・環境安全・食事・睡眠・排泄・遊び・情緒面等への援助について具体的に文章化され、それに沿った取り組みがなされています。そして、毎月ホーム養育会議が開催され、ホームでの養育・支援の振り返りがなされ、会議録は所定の様式で、「不適切防止」として、「してはならないこと」「するべきことができなかったこと」「子どもへの評価できる関わり」などが記録されています。こうした養育・支援の振り返りに向けた取り組みは、その質を高めていくものとして大いに評価できます。 乳児院と児童養護施設が一体となった施設形態での運営 法人が施設種別による区別を無くし、社会的養護の施設として一体で運営をしています。同一敷地内に両施設が合築されユニットでの小規模グループケアとなっています。乳児院での子どもの担当者が、児童養護施設への措置変更後も継続して担当しています。平成4年から25年という長い年月をかけ、「0~18歳までの小規模グループでの養育」を掲げた方針のもと積み上げてきた歴史が高く評価できます。 ◇改善が求められる点 事故の予防に向けた「ヒヤリハット」事例の収集と分析 施設において安全管理・事故防止は、子どもが安全で安心して生活するために欠かせない取り組みです。リスクごとに応じたマニュアル類は整備され、事故報告書も所定の様式で保管されていますが、マニュアル類の多くは事故が発生してからの手順や対応が中心になっており、予防や再発防止に向けての取り組みが希薄になっています。とりわけ、事故等の予防に向けて子どもの安心と安全を脅かす事例「ヒヤリハット(インシデント・レポート)」について積極的に収集に努め、整理する中で分析を行うことが望まれます。 中長期計画の策定 現在の中・長期計画は不十分なものとなっています。中・長期計画の中に今後の取り組むべき課題として、資金面や人材の確保育成面等について盛り込んだ計画が求められています。具体的にはその目標達成の年限や職員配置の数値目標や見直しの機会等も書き込む必要があります。理事会を通して策定する事により単年度の事業計画にも反映させる事もできて改善目標の達成に繋がっていくと思われます。 職員一人ひとりの育成 子ども一人ひとりの養育支援の計画が必要なのと同じように、職員に対しても個別的な人材育成計画は必要となります。当法人では人事管理・人事考課の取り組みを今後の法人の大きな課題ととらえ、具体的な制度の確立から始めようとしています。具体的な人事管理システムの早期の実施が望まれます。また、法人が期待する職員像は「振り返りをしっかりできる職員になりましょう」「目標を持ってステップアップできる職員になりましょう」と具体的で解りやすいものとなっています。現在1、2年目の職員数も多いため、職員の目標管理シート等を使用するなど、職員一人ひとりの育成に向けた取り組みが求められます。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | この度の評価を受けて、施設内の会議及び管理職で話し合い、取り組めることについては早速、着手しております。 将来的な施設の修繕及び新規事業に向けて理事会で事業計画に反映をさせていく所存です。また危機管理についても職員の研修やリスクマネジメント体制の構築に取り組んでおります。 職員と共に、子どもたちの育ちをささえまもるために、一層の取り組みを進めて行く所存です。 |