社会的養護施設第三者評価結果 検索

小鳩の家

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 42名
施設長氏名 山本 朝美 所在地 滋賀県
URL http://www.kobatokai.or.jp
【3】実施調査日 2014年06月23日~2014年09月02日
【4】総評 ◆特に評価が高い点
◇家庭的養護の取り組み
本体施設の3ユニット、敷地内の2つのグループホーム、2つの地域小規模児童養護施設のいずれもが子ども6人以内、職員4名で構成されており、子どもと職員が個別に関われる空間になっています。子どもの居室は、個室が中心で、子どものプライバシーが配慮されています。食事も各ホーム毎に調理され、家庭的な養育に向けた取り組みが提供されています。
◇0歳から18歳までの継続した一貫養育への取り組み
入所児童のほとんどは、併設乳児院から措置変更した子どもであり、乳児院での担当職員が措置変更後も移動して当該子どもの担当者として継続した取り組みがなされています。この子どもとの一貫した関係づくりは、担当職員との愛着形成に配慮した取り組みとして評価されます。
◇子どもを尊重した養育・支援の取り組み
子どもへの権利擁護の取り組みとして、ハード面、ソフト面(他者の部屋に無断で入ってはいけないといったルールなど)でのプライバシーの保護、子ども会議や意見箱、子どもとの個別な話し合いなど子どもの意見表明への取り組み、被措置児童等虐待に向けた仕組みや職員の姿勢など丁寧で積極的な実践がなされています。 
◇社会的資源として積極的に地域貢献する意欲がある
「社会的資源としての貢献」という明確な理念のもと、子育てサロンやミニ講座、子育て相談などが行われています。また、自治会活動など地域の各種活動に会場を提供したり、有事の際に地域に水を提供できるよう井戸を掘るなども行われています。地域向けの広報誌「はとどけい」も年4回発行されています。地域の里親(里子)支援の必要性を認識しており、里子支援と位置付けて地域の里親・ファミリーホームへの様々な支援活動を展開しています。

◆改善が求められる点
◇苦情解決制度の充実に向けて
苦情解決のための仕組みは整備され、実施していますが、苦情等の対象は子どもだけでなく、保護者や近隣、関係機関等からの苦情や要望、意見や提案などを総合的に把握し、それらを職場課題として認識し、施設の質の向上のために仕組み等を整備すると共に、それら寄せられた苦情等について、申出者に配慮しながら内容や件数等を広報誌やホームページ等に公表することが望まれます。
◇親支援への取り組み
専任の家庭支援専門相談員を中心として、児童相談所とより密接に連携しながら、親支援、親対応を計画的、継続的に取り組んで行くことが期待されます。
◇望ましい人材プランの実現に向けた取り組み
職員研修基本方針により研修に対する組織の方針を明示しています。また、内外ともに研修には積極的に取り組まれており、外部研修後の復命の仕組みも根付いています。今後は、「どのような人材に育成したいのか」「そのための手段は何か」という視点から研修成果の評価・分析を行うとともに、研修の体系や中身の見直しにつなげていくことが望まれます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
今回の受審に際し、準備として研修会を実施し、受審の意義と共に、改めて当法人の養育理念を職員間で認識をすることから始めました。評価項目に沿い必要な書類を整える作業においては、施設内の共有はもとより、施設外の方に伝える手段として文章化しておくことの重要性を認識することが出来ました。受審当日においては評価委員の方より自己評価項目を一つ一つ意味も含め丁寧に質問いただき、改めて法人としての責務や養育者としてのあるべき姿を認識し、今後の目標とすることが出来たと思います。
特に保護者に対する事業計画の説明については、リスクを下げるために個々に応じた説明範囲に抑えていましたが、今後法人としてサービスを提供している視点で改善をしていく所存です。
受審により、私たちは「振り返り」の機会を得るとともに、今後の道筋についてたくさんの示唆を得ることが出来ました。このことを今後の養育に生かし、より一層のチーム力で養育の質を上げていきたいと思います。
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