社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖心養護園

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 吉川 誠子 所在地 静岡県
URL http://palangel.jp/r2/us/seishin/index.php?r2_=nvj43kk0kvepnpp3fo3bal3sg0
【3】実施調査日 2013年12月20日~2015年03月20日
【4】総評 ◆特に評価が高い点
・現施設長は、平成24年4月から正式に施設長として就任し、施設長としての経験は浅い。しかし、前施設長から運営を引き継ぎ、数々の課題や問題が山積する中、日々の児童への処遇、施設の経営等多岐にわたり様々な改善を実施し、施設の立て直しを図ってきた。職員も、施設長の情熱と児童に対する思いを理解し、前向きに真摯に児童の養育・支援に努力していく姿勢がうかがわれた。
・閑静な住宅街に、同法人立の保育園に隣接して施設があり、小学生から高校生までの13名の児童を養育・支援している。児童一人ひとりの生活状況や課題、そして職員との相性や職員の力量を基に児童の担当職員を配置し、連携を図り、養育・支援に取り組んでいる。部活動や学校行事等で弁当が必要な場合は、職員が調理した手作りの弁当を提供しており、児童の嗜好や盛り付け等が工夫された愛情のこもった手作り弁当は職員との愛着関係を築く上での大きな力となっている。また、計画的に週2回程度、個別または少人数の児童と職員がクッキングを実施し、基本的な調理技術の習得と共に、職員と児童が個別に触れ合う機会としている。さらに、職員との一対一の個別の学習時間や遊び時間、外出等の機会を設定する等、職員と児童の個別のふれあいを重視し、基本的な信頼関係の構築に努めている。
・学習や身支度の仕方等、身につけるべき個々の児童の課題に対して、チェックシートや児童個々の発達に合わせた視覚的なアプローチ(個々の課題を職員または児童自身が絵や文字で表現し、居室等に掲示する)を用いて、「見える化」し、支援方法が画一的にならないよう個々への配慮をしている。

◆改善が求められる点
・若く経験の浅い職員が大半を占め、役割分担等組織全体としての運営体制の構築が十分ではない。今後は、職員の資質向上とリーダー的職員の養成に努め、施設運営の組織化を図り、中・長期計画や事業計画の策定、各種マニュアルの策定や見直し等様々な課題に関して施設長は職員の意見をさらに十分取り入れ、職員は一人ひとりが自分の役割を果たしながら、施設全体として、養育・支援の内容の改善と施設運営に当たることが求められる。
・施設が実施する各種の業務内容の記録については十分でない面がある。文書化することは、第三者評価を受審するためのものではなく、日々の業務を円滑に進めるため、業務に役立てるために必要なものであるので、各種業務の取り組みの中で得られたものを文書に残し、次の取り組みに活かし継続していく体制のさらなる整備が求められる。
・措置変更後や家庭引き取り後のアフターケアの実施には至っていない。今後は、できる部分から具体的なアフターケアに取り組むことが求められる。
・平成22年の施設内での被措置児童虐待の後、第三者委員会を設置し、提言を受け、改善計画を実施してきた。さらなる改善に向けより具体的な中・長期計画を策定し、今後も計画に沿った継続的な取り組が実施されるよう期待する。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
この度は、第三者評価をお引き受けくださり、誠にありがとうございます。
評価結果を拝見させていただき、僅か2日間という短い期間にも関わらず、丁寧な審査をしていただきましたことを心より感謝申し上げます。
結果自体は誇れるものではありませんが、コメントの文章一つひとつに施設の実情に対して真剣に向きあい判断していただいた印象を受けます。
当園は、平成22年の施設内虐待を起因とした運営の抜本改革が求められていることもあり、置かれている立場は決して良いものとは言えません。しかし、職員の離職や児童の措置変更等様々な壁を職員が一丸となって乗り越えてきた結果がこの第三者評価の中に記されていることを大変嬉しく思います。
BやCの評価に対し、「ダメ」「できていない」ではなく、「改善の余地がある」「より良くする」という解釈をし、目標や指針設定において大いに生かしていきます。また、評価・コメントは職員一人ひとりの大小様々な日頃の業務の積み重ねの結果です。職員同士が互いを大切にしあい、その心が児童にも波及するよう努めます。
この評価を受け、更に前向きに取り組もうという意欲が増しました。ありがとうございました。
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