社会的養護施設第三者評価結果 検索

静岡恵明学園児童部

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 加藤 秀郷 所在地 静岡県
URL http://www.s-keimei.or.jp/g-jidou.htm
【3】実施調査日 2014年01月24日~2014年10月01日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・敷地内に、別棟一戸建てのコテージ(棟)5棟が隣接し、子どもたちは、縦割り男女別の少人数で各棟の担当者と共に生活している。各棟の担当者は住み込みで、子どもと寝食を共にする中で、子どもと職員の暮らしの場として「子どもと共に」歩み、職員の言動には、深い愛情で子どもに寄り添い、前向きに真摯に養育・支援に努力していく積極的な姿勢が見られた。職員のその姿勢は、幼稚園や学校への年間皆出席者に健康賞を授与する授与式の場で、個々の子どもの一年間の表れや良さを担当者が子ども全員の前で発表した際の記録からもうかがわれた。また、本体施設や地域の人々の支援のもと、地域小規模児童養護施設(定員6名)での養育・支援も行われている。
・駿河湾を望む箱根山西麓に位置し、恵まれた自然環境の中、職員やボランティアと共に行う樹木や草花の手入れと育成を通して、生命への慈しみの心を育み、また、施設周辺の畑での野菜作りや西伊豆の広大な農場での果樹作りに於いて、耕作から収穫を通しての生産的労働体験により、働くことの喜びが実感できるよう支援している。子どもたちが、自然の中に生息する小動物を観測したり、自然を生かした遊びを工夫したりできるよう園内に様々な樹木、草花が意図的に植樹、手入れされ、四季折々の自然の豊かさを実感でき、豊かな心を育むことができる環境が整えられている。
・地域との交流を大切にしており、地域の主催する諸行事等や地域におけるクラブ活動等への子どもと職員の参加、地区子ども会活動への参加等地域との交流に積極的に取り組んでいる。また、地域の人々や後援会会員を施設の行事に招待し、定期的に交流の場を設けている。さらに、西伊豆の広大な農場での果樹や竹炭生産体験を通しての地域交流にも取り組んでいる。「地域の理解や支えがあってこその施設」という考えの基に、地区活性化協議会との連携で、地区の課題や諸問題への支援活動に積極的に取り組み、さらに、施設に併設の児童家庭支援センターの機能を活かし、児童家庭支援に向けて積極的に取り組んでいる。また、地域小規模児童養護施設では、地域住民の一員としての意識を持ち、近隣との連携を図り、施設を「軒下の美術館(地域の風景や行事写真の紹介)」及び「ちょっと一休み処(地域の人々や地区を訪れるウオーカーの休憩所)」にする等、施設を一拠点として地区へのリピーターを増やす活動への企画・参加に取り組んでいる。
・ボランティアの協力を得て、陶芸、茶道、華道、書道、ハーモニカ演奏、地域の夏祭りのお囃子である「シャギリ」等、種々の習い事教室が定期的に実施され、東京フィルハーモニーによる園内コンサートや幼児には、リトミックでの簡単な楽器演奏や読み聞かせも行われており、子どもが様々な芸術文化に触れたり、身に付けたりすることができるよう支援している。また、夏季には約3週間にわたって臨海学校を開設し、子どもと職員が一体となり、強い身体と豊かな心を育む取り組みを実施している。

◇改善が求められる点
・施設が実施する各種の業務内容の記録の点では十分でない面がある。文書化することは、第三者評価を受審するためのものではなく、日々の業務を円滑に進めるため、業務に役立てるために必要なものであるので、各種業務の取り組みの中で得られたものを文書に残し、次の取り組みに活かし継続していく体制のさらなる整備が求められる。
・施設運営や養育・支援の内容の改善・向上に向けて「改善計画策定、その計画に沿った実施・実行、その計画通りに進んでいるかどうかの振り返り・評価、改善」を繰り返すことにより前に進んでいくPDCAサイクルを意識した継続的な取り組みを今後さらに期待する。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
初めての受審となりましたが、職員一人一人が、今の自分、また施設全体を振り返り、問題点や改善点、また良い所を再確認する大変良い機会となりました。
今回高く評価していただいた部分をこれからどう伸ばしていくか、また改善すべき点をどう対処していくかが、これかからの課題であり、職員一丸となって取り組んでいきたいと思います。
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