社会的養護施設第三者評価結果 検索

静岡ホーム

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
【2】種別 児童養護施設 定員 86名
施設長氏名 藤田 一敏 所在地 静岡県
URL http://www.shizuoka-home.or.jp/
【3】実施調査日 2014年07月22日~2014年12月16日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・「静岡ホーム」は、創立100年以上の伝統ある施設である。明治40年開設以来小舎制児童養護施設として運営されていたが、平成12年の施設全面改築時に大舎制児童養護施設となり、平成15年に、本体施設とは別の場所に地域小規模児童養護施設「小鹿寮」(定員6名)を開設した。本体施設は、幼児、小学校低学年、小学校高学年と中高生の男女別の4グループのグループ担当制で養育・支援を行っている。長年積み上げ培われてきた養育・支援内容の上に、最近の処遇困難児の増加に対処するため、CAREやコモンセンス・ペアレンティング等新しい支援方法を積極的に取り入れ、養育・支援の向上に努めている。
・施設長の指導力のもと、職員も自らより高い要求水準を掲げ、前向きに真摯に養育・支援に努力する姿が見られた。
・性教育の重要性を十分に認識し、子どもへの性教育や性教育の在り方等についての職員研修に力を入れている。また、公文式学習や学習ボランティア、塾の利用等による学習支援にも力を注いでいる。
・子どもと家族の関係作りの実現のために、隔週外泊(週末帰宅)を積極的に実施している。また、里親支援に力を入れ、施設実習事業の受託(里親登録前研修、更新研修)、職員と里親との懇談会、職員の施設内研修への里親参加の呼びかけ、施設の子どもたちと里親との交流会(一日里親体験)、隔週土・日曜日や夏季・年末年始のショートルフランを実施している。
・施設は、市街地に近く、賤機山の麓にいだかれ、敷地内には、ビオトープの庭や広々としたグラウンドや体育館、また、施設別棟として、子どもたちの学習の場や昼間保育・高校生の自活訓練の場等、子どもたちの学びや余暇のための環境を整備している。
・平成27年度から36年度までの中・長期計画が策定されており、家庭的養護の推進を図るための本体施設小規模グループ化、地域小規模児童養護施設の増設、そのための資金・職員の確保等についての計画が具体的に記されている。家庭的養護推進として、まず地域小規模児童養護施設をもう一施設増設する計画を進めるべく、地域小規模児童養護施設に適した建物取得に向けての取り組みが始められている。

◇改善が求められる点
・施設長のリーダーシップのもと、各種規程、マニュアル、手順書等や養育・支援その他の業務内容の記録の整備、また、情報を共有するための体制の構築が進められているが、まだ十分とは言えず、今後も整備の継続が求められる。また、危機管理マニュアルはフローチャートも記載され分かり易く工夫されているが、子どもの心身の健康面や生活面の各記録については、関連性をより分かり易くするという点で、工夫の余地がある。また、各マニュアルや規程等の中には、職員への周知や定期的な見直しが十分でないものがあり、今後は、職員への周知徹底や定期的な検証・見直しの取り組みが求められる。
・投書箱やグループミーティング等で子どもの意向を把握することに努めているが、行事の企画等に子どもの意見を反映させ、子どもが企画・運営に主体的にかかわるという点では十分でない。子どもが行事の企画や自分たちの生活における問題・課題について主体的に検討する機会を日常的に確保し、子どもの主体性、自律性を育むための支援がさらに求められる。
・高校卒業後の自立のための就労支援・進学支援及び退所後のアフターケアへのさらなる取り組みが求められる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 第三者評価の受審により施設運営の課題・問題点が明らかとなり、取組みが不十分であることを再認識しました。
 ご指摘のありました点については真摯に受け止め、入所している児童にとって最善の生活ができるよう、職員一丸となって施設運営の質の向上に取り組んでまいります。
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