社会的養護施設第三者評価結果 検索

清明寮

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
【2】種別 児童養護施設 定員 110名
施設長氏名 川村 啓一 所在地 静岡県
URL http://www.aoikai-sw.or.jp/seimeitop.htm
【3】実施調査日 2013年10月31日~2015年02月16日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・隣接する公立の小学校、中学校を両側に見て施設に向かい、建物中央の正面玄関を入ると、子どもたちのちぎり絵や美術の入賞作品が幾つも飾られている玄関フロアとなる。63年の長い歴史に培われた伝統の大規模大舎制の養育・支援環境を持つ児童養護施設に、新しい時代の波は小規模化および家庭的養護推進への対応を求めている。敷地面積1万平方メートル余り、3階建て2千6百平方メートル余りの本体建物の他に、第二寮舎・グループケア寮舎・体育館・記念館などの恵まれた資源を活かした、新たな養育・支援のあり方を検討し始めている。1階は幼児寮のほか調理室、医務室、事務室等がある。2階・3階は共に学童寮であり、学習室と交流スペース、職員室がある。またすべてのフロアに居室・食堂・浴室が配置されている。子どもたちにとって安心して生活のできる環境で、専門性と職員相互のチームワークにより、子どもの最善の利益にかなう養育・支援を目指す理念「子ども一人ひとりの今日の幸せ、明日の幸せのために」の実現に向け支援に努めている。その実践のための10項目からなる基本方針を、支援の拠り所となる指針として職員に周知している。
・寮歌がひらがなで大きく掲示されている幼児寮では、学童寮の定時制高校生が職員の昼寝の寝かしつけの手伝いをしている。同時に寮生はアルバイト先についての相談をするなど、職員とのスムーズな関係性と、さりげなく見守りをする配慮が見られる。
・子ども達の自主性を尊重した多くの部活動やレクリエーション活動は、外部の企業やボランティアの多大な支援を受けている。繋がりを持つ人々との良好な関係が継続されることに期待したい。
・施設長が特に力を注ぐ公文式プリント学習も定着しつつある。グラフや個人表で自己の目標達成が段階ごとに確認できるシステムは、次のステップへの励みになり、達成のたびに褒美のでる工夫も子どもたちに喜ばれている。さらに浜松医科大学生の学習ボランティアの指導もあり、進学支援、進路支援につながる学習環境を提供している。
・子どもたちは自ら作り上げたルールを共有し、風呂の利用順などの管理を伝言板によって行っている。また冷蔵庫の区分けのために、皆で牛乳パックの廃材を利用する工夫をしている。職員室には子ども一人ひとりのロッカーがあり、貴重品に関する集中管理を行っている。共有の洗面所にも、洗面台に固有のスペースを設け、歯ブラシやコップなど「自分のものを自分の場所」に置くことができるように配慮している。
・ 学童からの意見を取り入れるための意見箱を希望の箱とし、多くの意見を取り入れようとする工夫が見られる。
・個人情報の管理に関し、子どもたちの名前が表示されたメモ書きや服薬の分包を処分する場合、名前が判読できないように新聞の織り込みチラシで作ったごみ袋に入れ、名前を隠したうえで廃棄する細やかな気配りがある。

◇改善が求められる点
・本年度からアセスメントシートが改良されている。アセスメント・自立支援計画などを定期的に見直し、実情に即した計画の実践に活用できるようにするとの意図である。計画立案から次のステップにスムーズに移行し、より良い支援が継続して行く、PDCAサイクルの確立が期待される。
・施設運営や養育・支援について、実施内容を総合的に評価し課題を明確にして、改善のための目標達成計画を策定しているが、改善に一定の期間が必要な案件について、実情に即した見直しを行うことが十分になされていない。定期的に計画等を見直し実践につなげる取り組みが期待される。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
この度は、第三者の視点からの客観的評価ありがとうございました。初めての第三者評価の受審にあたっては、毎年実施してきた自己評価の中で出来ていないことを確認し、施設長と職員が協議し、優先順位をつけて改善に取り組んできました。
第三者評価の結果については、ヒヤリングや、居室・生活場面の観察を通して清明寮の現状を十分に理解されて、多くの良い点を評価していただきました。また、厳しい勤務条件の中で職員は、養育理念である「子ども達の幸せのために」日々精一杯頑張っていることを認めていただき励みになりました。それと共に、自己評価の中で気が付かなかった清明寮の課題と改善点をご指摘いただくことも出来ました。
今後は、A評価をいただいた項目を通して職員のモチベーションを高め、また、BC評価の項目については、子ども達の声も傾聴して改善に取り組んでいきたいと思います。
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