【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021147 SK2021146 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 中山 剛 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://www.seishinkai.info/ | |||
開設年月日 | 1962年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 誠信会 | |
職員数 | 常勤職員 | 23名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 保育士・児童指導員 | 13名 | 栄養士 | 1名 |
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家庭支援専門相談員 | 2名 | 里親支援専門相談員 | 1名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 13室 | (イ)設備等 | 厨房・食堂・医務室 |
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(ウ) | 静養室・図書室・相談室 | (エ) | 地域交流室 | |
【3】理念・基本方針 | ★理念 ・群生和楽:全ての人々が穏やかに楽しく暮らせる日々の実践 ・個別支援と地域支援の統合による『地域の日常生活に寄り添った福祉』の実践 ・少子高齢化などの社会問題により多様化・複雑化していく地域での福祉ニーズに応じる為、児童・障が い・介護 ・相談の部門間連携及び地域住民や社会資源との協働を図り、地域に寄り添った生活支援を目指す ★基本方針 ・社会福祉の理想の実現、行動していくことで貴重な理論を生む ・子育て支援の充実 |
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【4】施設の特徴的な取組 | <人的サービス面> ・被虐待児対応から生育歴において精神的な課題を抱えている児童への支援 ・可能な限り家庭の再統合に向けての支援を関係機関と連携し行っている ・予算面において生活に関わる教育、教養娯楽等は子どもの利益として優先している ・退所後児童のアフターケア ・富士市子育て支援事業の積極的な受入れ <設備・環境面> ・安心安全な環境(清潔な居室の提供、少人数による安定した生活) ・野外遊具、運動場の設備があり地域の子どもたちの遊び場となっている ・市内の住宅地に設備され町内会、子ども会との連携が図りやすい |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年06月20日(契約日)~ 2022年12月22日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | 【特に評価の高い点】 ◆先を見据えた地域における事業展開 法人理念「群生和楽:全ての人々が穏やかに楽しく暮らせる日々の実践」に則り、当該施設では子どもの最善の利益を最優先に、地域交流や地域分散化を重点目標として取り組んでいる。国の新しい養育ビジョンや県の社会的養育推進計画と法人全体の方向性が同じであることに加え、確固たる信念の下に早期より少しずつ準備を進めていたことで、ある程度足並みを揃えることができている。国と県の方針では進み具合に微妙な差異はあるが、見直し改善を繰り返しながら目標に向かい、一貫した事業展開を繰り広げている。当該施設においては、今後4~5年を目途に地域小規模児童養護施設の増設を考えている。 ◆人間性を重視した人材育成 法人として求める人間像と当該施設が求める職員像として「心」が根底にあり、能力や知識よりも人間性を重視した「心の育成」を心がけている。上司が、職員個々が本来持ち合わせている潜在能力や特性を分析しながら、個々に合わせた声掛けや指導を行っている。当日調査に参加した職員やヒアリングを受けた職員には心からの笑顔があり、言葉使いや立ち振る舞い、また相手に対する配慮や謙虚さがあった。施設が必要としている「自分で考えて自分で行動する」、「素直な人」が少しづつ定着していることが窺えた。 ◆子どもの最善の利益を念頭に置いた支援 子どもと接する時間を増やすために職員の勤務時間を変更するなど、子どもに寄り添う支援を目指している。居室は全室が個室で、子どもが自分で整理整頓や掃除ができるように支援している。他機関や他施設との連携も密に取っており、すぐに相談や支援が受けられるようにしている。職員は「まだ何かできるのではないか?」、「もっと違う方法はないか?」など、個々の内容について日々話し合いの機会を持とうと努めている。 【改善を求められる点】 ◆施設の人事等における権限の所在 人事基準に基づいた評価や分析を行い、要望や意見を上申しているが、施設の統括責任者である施設長の人事管理や処遇改善などに関する決定権がないことが懸念される。職員に資質向上を求める以上、頑張りや結果に見合った処遇を、言葉だけでなく形で示すことも総合的な人事管理の一環として、施設長の役割といえる。求人活動において強みとなるように、人事管理や処遇改善に関する施設長の権限を高めることが求められる。法人の方針である「全ての人々の幸福のため」には、支援の要である職員の力が絶対的に必要である。施設長の権限の度合いが高くなることで職員へのアプローチに強さが生まれ、職員の信頼感が高まり、支援の質が更に向上していくことに期待したい。 ◆事業計画における支援目標の在り方 子どもへの養護や自立支援についての基本事項は「運営管理規程」に定められており、入職時の研修等で学んでいる。職員個々またコテージ毎の目標設定はしているが、施設全体としての支援目標が不明確である。「運営管理規程」の項目の理解度や達成度の確認を行う意味でも、事業計画に子どもに直結する支援目標を設定することが望ましい。子どもや保護者に事業計画として支援目標を説明することで、施設への親近感が増すきっかけとなることが期待される。 ◆情報公開について 満遍なく網羅された法人全体の情報は、ホームページや「誠信会レポート」等で外部発信している。現在はパソコン検索よりモバイル検索が主流であるが、閲覧する側の使いやすさに対応できていない点が散見される。内容の見やすさや情報更新、また細部へのスムーズなページ移動などに関して、メンテナンスの強化が求められる。在籍する高校生以上で広報委員会を組織して定期的にホームページの内容確認を行う等、子どものスマートフォンを有意義に活用する取組みに期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 法人理念「群生和楽」をめざし、入所児童のみならず地域の子育てを意識した事業展開を高く評価していただいたため、今後も子どもや子育て家庭にとって必要とされるサービスを提供できる体制整備をすすめていきたいと思います。 一方で、入所児童に対しての具体的な目標の欠如、子どもへの情報開示と説明が不十分との課題が明らかになったことから、職員一丸で是正への取組みをすすめていきます。 |