社会的養護施設第三者評価結果 検索

静岡恵明学園児童部

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK18127
S2020106



【2】種別 児童養護施設 定員 42名
施設長氏名 石渡 文香 所在地 静岡県
URL http://www.s-keimei.or.jp/
開設年月日 1952年12月12日 経営法人・設置主体 社会福祉法人静岡恵明学園
職員数 常勤職員 29名 非常勤職員 9名
有資格職員 社会福祉士 3名 児童指導員 3名
保育士 11名 家庭支援専門相談員 2名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 18室 (イ)設備等 センター棟・グランド・面接室・相談室
(ウ) スタッフルーム・ホール・ゲストルーム・調理室 (エ) 事務室・支援室等
【3】理念・基本方針 ★理念
 子どもと共に

★基本方針
 児童と職員が浸食をともにして、互いが一体となる暮らしにより、児童の発達を保障する。学校・地域・家庭は、児童の人生にとってかけがえのない財産であり、日常の暮らしを通して、それぞれの関係性とあり方を大切にする
①子どもと大人の暮らしの場であること
②発達を保障する場であること
③子供の権利擁護と自立支援の場であること
④健康な心と身体を作る場であること
⑤努力が報われることを実感する場であること
【4】施設の特徴的な取組  戦災孤児の受け入れをした、開設から今年で70周年を迎える。「子どもと共に」の理念のもとに大人と子どもの互いの人間的成長の場ととらえ長きにわたり子供たちの養育に努めてきた。今もなお、住み込み職員を配置し、駿河湾を望む緑豊かな自然の中で、コテージ形式の園舎にて少人数の子どもと職員が寝食を共にしている。また、地域で子どもを育むことを意識し、地域社会との連携を図っている。今年度より幼児は法人内の認定こども園に通園し、社会性を身に着け、より子供の支援を密にこども園と連携して行っている。地域小規模児童養護施設を三島市内2か所に設け、地域の中でつながりを構築している。
【5】第三者評価の受審状況 2020年05月04日(契約日)~ 2022年07月28日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 ◇特に優れた点
◆積極的な小規模化の推進
 地域小規模児童養護施設を市内に2ヶ所設置し、どちらも一般家庭により近い生活スタイルが実現している。オーナー(建物の貸主)の全面協力の下、設計から生活動線に合わせた間取りに拘り、数年前に住居を新築している。職員の住み込み制を導入しており、24時間交代で親と同等の役割を果たしている。地域小規模児童養護施設の3ヶ所目の設置を視野に入れているが、優先させる課題として、本体施設コテージ3軒のうち同居人数の多い「ももの家」の2分化に取り組む予定である。積極的な小規模化を進める事業運営は入所児童の最善の利益に繋がると言える。

◆理念実践に向けた管理者の強い意欲
 第三者評価受審の中で、現状における反省点や改善点等の気づきを真摯に受け入れ、今後の課題に対して「施設をより良くしたい」という管理者の強い意欲が窺えた。その意欲の裏側には法人理念「子どもと共に」に則した「子ども第一」の精神がある。

◆子ども主体の養育・支援の実践
 静岡恵明学園は自然豊かな環境の中での小規模コテージシステムにより、常に寄り添う施設職員と共に子どもが主体性を持って生活できている。感情豊かで健やかな生活が営まれており、社会的養護児童に対する養育実践のモデルとして高く評価できる。この養育実践は、地域子育て支援としての活用も期待されている。

◆充実した情報発信
 施設の情報は、ホームページや広報誌「恵明新聞」等で積極的に公表しており、事業運営の透明性確保や地域との信頼関係構築に繋げられている。「恵明新聞」の一面に、法人代表より静岡恵明学園卒業生の進路状況が紹介されており、幼児が日常風景を眺める表紙の写真、さらには専門職員等の日常活動の実践紹介により、子ども主体の積極的な事業運営が見て取れる。

◇改善が求められる点
◆中長期計画の策定と明確化
 県の社会的養育推進計画をベースとした法人全体の長期的な計画とは別に、児童養護施設独自の中・長期計画を策定することが望ましい。向こう3~5年の中・長期計画を策定し、施設の方向性や考え方を明確に示すことで、職員が施設の全体像を把握し、自らの役割を意識することに繋げる事が望ましい。

◆数値目標や具体的な到達点の設定
 単年度計画は「事業計画」として毎年職員に周知しているが、目標や課題、年間行事を明記するに留まっている。「事業報告」を実際のプロセスや目標達成度を確認できる内容にすることで、職員の計画に携わる一員としての意識向上と目標達成に対する意欲向上に繋げられたい。可能な範囲で数値目標や具体的な到達点を明確にし、目標達成率等を可視化していくことを期待したい。また、単年度計画は前述の中・長期計画に沿った内容とする事が望ましい。

◆多機能化に向けた取組み
 保護者対応は児童相談所と連携して実施されているが、施設の多機能化に向けての取組みとして、親子関係再構築に向けた家族療法等の家庭支援を検討されたい。また、子どもの自立支援に向けた専門職としての職業指導員の配置により、自立への養育・支援がより充実されると思われる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  今回の第三者評価の受審にあたり、施設の理念でもある「子どもと共に」の精神のもと、自然豊かな環境の中で、子どもと大人が育ちあい、学びあう養育の実践を高く評価していただいた事、大変ありがたく受け止めております。「子どもたちの最善の利益」を追求しながら、これからも精進してまいります。
 評価員の方からたくさんのアドバイスをいただき、大変励みになりました。
この評価結果を真摯に受け止め、施設の課題に取り組んでまいります。
ありがとうございました。
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