【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021147 SK2021158 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 渡井 すみ子 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://www.seishinkai.info/ | |||
開設年月日 | 1970年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 誠信会 | |
職員数 | 常勤職員 | 20名 | 非常勤職員 | 7名 |
有資格職員 | 児童指導員 | 5名 | 保育士 | 7名 |
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栄養士 | 1名 | 家庭支援専門相談員 | 2名 | |
里親支援専門相談員 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 14室 | (イ)設備等 | 居室・食堂・リビング |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ★理念 誠信会理念 「群生和楽~すべての人々の幸福のために~」 ★基本方針 様々な事情を抱えた子どもたちに、安心・安全に暮らせる「あたりまえの生活」を保障していくことや、そういった日々のから自立した社会生活に必要な生きる力を養っていく。子ども一人ひとりが、安心感をもてる場所で大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感を取り戻せるようにしていくとともに、自立支援・アフターケアを充実させていく。また、家族や保護者との連携を取り、子どもだけでなく家族支援も併せて行い、家族の再構築・家庭復帰を目指していく。 (令和4年度事業計画方針) 法人理念及び児童部門中長期計画の基本方針をもとに計画を進めていくため、施設運営の見直しを図る。施設の小規模化・地域分散化の本格的な実施を鑑み、職員の意識改革を行い広い視野と支援力、生活の向上に努める。また関係機関や法人他部門と連携し、SDGsへの取組を積極的に進める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 地域の民家と離れている環境から、敢えて施設機能の活用をしていただけるよう工夫をし、地域貢献・連携に努めている。NINOMARU villageをはじめとする、敷地内にある法人の諸設備を活用し、コロナ禍において感染予防を心がけながら「ママさん応援プロジェクト」(リラックスヨガ・ベビーマッサージ等)の実施を行い、企画を通して地域の方々との繋がりを図っている。前述のコロナ禍により、地域行事や法人、施設イベントが実施できない中で、地域住民とのつながりの維持や、施設の周知を図るために「岩倉通信」を作成し、概ね半期に一度発行し、設置中学校区の全戸で回覧が出来るよう地域の方とのつながりが途切れないよう対応を続けている。また、法人設置の児童家庭支援センターと連携しながら地域の子育て支援や、里親支援に貢献を行っている。 入所児童には、この立地を活用した行事の実施等、環境が児童に不利益を起こさないよう工夫をするとともに、市立学校を中心としたギガスクール化に対応できるよう、ネット環境の整備等を随時実施している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年07月28日(契約日)~ 2023年03月31日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ◆子どもに寄り添った支援 一般家庭であっても、親の都合で子どもの行動を変えてしまう場合があるが、施設長、次長、副主任からの聞き取りにより、学園内には「子ども最優先」の考えが浸透していることが理解できた。「生活アンケート」は子どもの思いや状況の把握に有効であり、職員が傍で見守りながら子ども自身が回答している。全員共通の質問であるため、理解が難しい年齢の子どもには、職員が分かりやすい言葉で質問をして、その場で代筆している。学校や外出時の車両での送迎に関しては、学園が自然豊かな地にあるが故のリスク管理であるが、第一には「子どもの気持ちや学校での立場」を考えた対応である。訪問調査の帰り際に、学園の中学生数人が帰宅してきた場面に遭遇することとなった。その際の施設長と副主任の子どもへの眼差しと会話は、「母親」そのものであった。 ◆保護者へのアプローチ 保護者に対して、理念・方針・事業計画などを周知する必要性について、学園では「可能な範囲で知らせる努力はするべき」と考えている。保護者用の「岩倉通信」を年4回作成し、年度初めには必ず「事業計画書」を同封している。保護者の理解度を施設側が推し量るのではなく、反応がなくても諦めずに積極的に関わろうとしている。その姿勢は、理念「群生和楽 すべての人々の幸福のため」に沿った行動である。 ◆地域貢献と地域振興 県災害福祉広域支援ネットワーク「静岡DWAT」富士支部の諸活動に、研修を受けた法人職員(学園含む)が参加している。被災時などに水の供給が万全に行えるように、地区の井戸からタンク数基に汲み上げて貯水している。法人のアウトドア事業である「NINOMARU villege」では、全国の大学のオリエンテーリング部などが、駐車場や三角ハウス・地域交流室・グラウンドを利用しており、施設内の管理等を学園が担当している。交流の範囲を外部に広げていくことは、理念に沿った事業活動の展開である。 ◇改善が求められる点 ◆理念・方針に基づいた目標設定とスキルアップとの関連性 職員個々の目標が、法人理念である「群生和楽 すべての人々の幸福のため」に沿った内容となっているか、また、スキルアップを踏まえた研修に個々がどの程度参加できているかなど、「育成シート」の「目標の根拠」について、職員個々の考えを改めて確認することが求められる。業務上必要な研修は研修計画等で管理がされ、「必須」であれば職員全員が受講するが、スキルアップが目的の研修は「任意」であるため、目標達成に対する意欲が強くないと受講に至らないケースがある。理念を遂行するためには、個々のスキルアップが必要条件となることを認識し、今後の研修計画に反映させることを期待したい。 ◆子どもの目線は「子どもだけが見えている大切な世界」 今回の訪問調査で、子どもの目線より高い掲示物や掲示位置と文字の大きさが合致していない箇所が散見された。職員の思いとして、「子どもがいじってしまう」や「小さなものを口に入れてしまう」など、リスク管理の観点ではやむを得ない対応であることは理解ができる。しかし、その対応が果たして「子どものための掲示になっているか」、「なぜ掲示するのか」や「子どもの目に付く掲示物の役目は何か」などを踏まえて、制作物はプラスチックのフレームに入れたり、書類はラミネート処理を施したりと、まだ工夫の余地が残されている。当たり前すぎて見過ごしてしまいがちな「小さな気付き」を見つけて、一つひとつ「子どもの目線」に合わせていくことが期待される。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | この度は、評価ありがとうございました。 私たちが大事にしている“子どもに寄り添った支援”について、高く評価して頂いたことは大変ありがたく思っていると共に、職員の自信にも繋がると感じております。今後も、子どもの思いに丁寧に対応していきます。 また、改善事項でご指摘いただいた、“当たり前すぎて見過ごしてしまいがちな小さな気付き”を改めて見直し、全職員新たな気持ちで取り組んでいきたいと思っております。 |