【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
---|---|
評価調査者研修修了番号 | SK2021147 SK2021146 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 25名 | |
---|---|---|---|---|
施設長氏名 | 内藤 好彦 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://fuyoukai.org/facility/midorien.html | |||
開設年月日 | 1952年03月31日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 芙蓉会 | |
職員数 | 常勤職員 | 27名 | 非常勤職員 | 10名 |
有資格職員 | 保育士 | 15名 | 理学療法士 | 1名 |
---|---|---|---|---|
教員 | 1名 | 看護師 | 5名 | |
栄養士 | 3名 | 公認心理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 6室 | (イ)設備等 | プレイルーム・食堂 |
---|---|---|---|---|
(ウ) | 小規模和室 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | ★理念 法人創立理念 「自分を愛するように、あなたの隣人を愛せよ」 キリスト教の隣人愛・慈善博愛の精神に基づく、利用者至上主義を基本とするみどり園養育理念 1.赤ちゃんたちの権利を守ろう (権利擁護) 2.良いことは何でもやってみよう (最善の利益の追求) 3.いっぱい愛し、伸び伸び育てよう ★基本方針 ・いかなる時も子ども最優先の対応を心がける ・信頼関係を基に、愛される喜び、愛する喜びをスキンシップを通じて感性を刺激し、心豊かな人間性を育む。 ・基本的生活習慣と自立の躾は、生活体験の中から生まれることを基本として養育する。 ・園外保育等を通じ、社会性が助長されるよう養育する。 ・個性豊かな人間形成を目指し、個々にあった指導養育を一貫して行う。 |
|||
【4】施設の特徴的な取組 | ・パーマネンシーを重視した措置変更を心掛けている。措置変更の際、子どもたちの心・気持ちを繋ぐため、移行先である施設や里親との交流に特に時間をかけ、子どもたちの安心感・自己肯定感の育成に取り組んでいる。 ・社会貢献事業として、富士市のショートステイ事業を受託したり、赤ちゃん110番電話相談事業を実施、また近隣の高齢者を対象とした買い物送迎支援を月4回職員を派遣している。 ・現在コロナで中止しているが、ホームカミングデイとして退所児童や旧職員を園に招いての交流を実施。 |
|||
【5】第三者評価の受審状況 | 2022年07月11日(契約日)~ 2023年01月30日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ◆改善点に取り組む姿勢とチーム力の向上 前回の第三者評価における改善指摘を真摯に受け止め、養育理念や方針に沿う形で改善を試みた取組みが今回の自己評価から窺える。職員一人ひとりの自己評価をベースに、組織全体の評価を組み合わせ、改善点には施設全体で取り組んでいる。自己評価委員会の仕組みが必然的にPDCAサイクルの流れを作り、チーム力向上に結びついている。この3年間で、「チームワークが向上している」と、各階層の職員それぞれの声を聞くことができた。 ◆確固たる信念 理念は養育支援の方向性を示す施設の中枢であり、目標の最終到達点となるべきである。社会的養護の養育理念「子どもの最善の利益」は園の養育理念そのもので、社会情勢の変化や関係機関、地域との関わりにおいて最大限協調しつつも「子ども最優先」の姿勢は崩していない。経営上の負担に苦慮しながらも、目標達成や課題克服に向けて多角的に力を振り絞るリーダー(園長)の姿勢が、職員の信頼を生み安心感に結びついている。 ◆養育環境への拘り 職員が子どもの養育に専念できる環境を整えることは、子どもの最善の利益において必要不可欠であると考えている。オゾン殺菌や観察室などの設備面の配慮だけではなく、子どもの五感を重視したルールが数多くある。これらの子どもたちへの配慮はもとより、職員の働きやすさへの配慮も同等に行っていく方針を持っている。 ◆養育・支援内容について 各種規程やマニュアルは完備されており、それに基づいて職員は支援している。言葉を発することの難しい小さな子どもへの心遣いも確認されている。アンパンマンなどのキャラクターが様々な場所に貼ってあったり、隠れミッキーもそこここに潜んでいる。それらを探す楽しさもある。子ども一人ひとりの持ち物に動物のシールが貼ってあり、文字の読めない子どもでも、自分の持ち物であると理解することができる。日々の子どもへの支援や家族支援などが書類に書かれており、一人ひとりの子どもにあった支援が行われていることが窺える。 ◇改善を求められる点 ◆経営課題克服と土台作り 目標達成や課題克服に向けて、多角的に取り組みながらも法令や制度に苦しめられている。その中で、「子ども最優先」の姿勢を貫くことが経営上の負担となっていることを、事実として受け止めている。将来的に経営課題を克服するための要因の一つに、「園の土台作り」が挙げられる。主要職員がチーム力の向上を実感していることから、園の考えと方向性の本質的な部分を職員が理解し始めている証である。土台となる職員の育成とチーム力の強化に期待したい。 ◆若手職員の育成について 施設運営の土台となる職員の育成とチーム力を強化していくためには、今後、若手職員の育成が課題となることが想定される。現場で学ぶOJTを実施する中で、結果的にベテラン職員が動くことがないように、気づきや想像力が弱い職員への対応についての策を職員全員で話し合うことが望まれる。 ◆ボランティアの受入れについて 「管理規定」には、「入所児に鑑みて慎重な配慮のもと実施する」と記載されている。ボランティアを受け入れる必要性として、果たして慎重な配慮を必要とする(高リスク)ボランティアの受入れが、子どもの最善の利益にどう結び付くのかなど、園として消極的である点や合点がいかない部分を踏まえて、組織としての考えをまとめておきたい。上層職員の消極的な姿勢は、現場職員の不安や自信喪失に繋がる恐れがあることから、完全小規模グループ化に向けて養育形態を検討する段階で再考しておきたい。「子ども最優先」の姿勢を貫く意味でも、必要なボランティアの定義や基本姿勢を明確にすることが期待される。 |
|||
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | このたびの第三者評価の結果を真摯に受け止め、認可以来71年余の当園の歴史に基づく、養育技術の再検証を行い、後世に伝承すべきものを精査しながら、乳幼児の安心・安全を守る最後の砦として乳児院の役割を果たすべく、今後の支援環境の整備等に努めていきたいと思います。 |