【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | 25地福第2303-11号 SK18127 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 66名 | |
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施設長氏名 | 德田 義盛 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://wakoukai-net.com/wakouryou/ | |||
開設年月日 | 1955年07月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人和光会 | |
職員数 | 常勤職員 | 34名 | 非常勤職員 | 13名 |
有資格職員 | 児童指導員 | 10名 | 保育士 | 12名 |
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家庭支援専門相談員 | 2名 | 里親支援専門相談員 | 1名 | |
心理療法担当職員 | 1名 | 栄養士・調理員 | 9名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 35室 | (イ)設備等 | 職員室・宿直室・事務室・会議室 |
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(ウ) | 個別遊戯療法室・集団遊戯療法室・職業指導訓練室 | (エ) | 相談室・洗濯室・食堂・厨房・浴室・トイレ | |
【3】理念・基本方針 | ★理念 子どもの意思を尊重し、子どもの成長と発達を育み、自己実現と自立のための継続的な援助を保証する養育を行い、子どもの最善の利益の実現を目指す。 ★基本方針 ・子ども一人ひとりを主人公として、愛情溢れる家庭環境を実現する ・地域の中で、関係機関や家庭と連携し、共に子どもの育ちを保証する ・日々の暮らしの中で、お互いの人権を尊重し合い、共に人格の完成と自立を目指す ・今年度においては、大きな変化である小規模ユニット制の生活に向け、昨年度同様に「オールわこう」 の精神で、施設運営理念・運営方針のもとに取り組んでいく。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 専門職の活動として、家庭支援専門相談員を中心に、ファミリーソーシャルワークに力を入れている。高校卒業後に退所して就職・進学した児童はもとより、家庭に復帰することができた児童宅への家庭訪問も実施するなど精力的に取り組んでいる。里親支援に関しても、里親支援専門相談員を中心に、里親委託に向けての取り組み・委託後のアフターケア・研修及び実習の受け入れ・相談支援など多岐にわたって活動している。 集団養護の形態であるが、個別支援に取り組んでおり、とりわけ学習については、個別の部屋を用意して職員を配置したり、学習ボランティア・塾講師よる学習支援をお願いしたりしている。また、少人数あるい個別で外食や買い物・お出かけするなどの個別支援と同時に、全体の行事等では、集団の一体感を感じ、子どもたちが楽しめるように行なっている。 権利擁護・子どもへの性教育に取り組んでおり、子どもと職員の権利擁護に関する意識を高める取り組みを行なっている。 施設の形態としては、より家庭的、より個別支援・治療的養育ができるように、令和2年度途中より、施設の内部をユニット化する計画でいる。令和4年度には完成し、新たな形の養育をスタートさせる予定である。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2020年04月01日(契約日)~ 2020年12月17日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価が高い点 ◆独自のユニット化への指向 一人ひとりの子どもの養育がより家庭的に行えるよう、「小規模ユニット化」に移行していく中で、小学部と中・高校生部に分かれていた処遇グループを学童部に統一し、小規模グループ、専門部の三部制に変更している。事業所本体の大きな組織から地域の小さなユニットに移行していく事で、事業所内部の分散化や各ユニットの孤立化が懸念されるところであるが、「共有」や「連帯感」などの意識が薄れることのないように「オールわこう」の精神を打ち出している。しっかりした土壌を作り上げるために、職員全員が専門職としての意識をもち、子どもたちの毎日を支えるチーム作りに努めている。 ◆権利擁護への取組み 毎月実施している職員のセルフチェックで業務全般や支援状況を振り返り、また年4回実施する人権チェックでは権利擁護の視点の再点検と、いずれの取組みも適正な支援を促すツールとして評価できる。この他にも、職員は「倫理綱領」や「行動規範」、「虐待防止マニュアル」などを使って研鑚に努め、二重三重の縛りをかけて子どもの健全な養育を支えている。 ◆安心・安全な暮らし 子どもには、職員による定期的な聞き取り、「子ども委員会」の設置、また児童相談所の相談室の活用など、権利侵害を訴える機会は複数ある。発生事案を公平・適切に解決する機関として「やすらぎ委員会」が設置され、当事者双方からの聞き取り等を行っている。事業所は、施設内暴力やいじめなどの安心・安全を脅かす事案の排除に正面から取組んでいる。 ◇改善を求められる点 ◆地域との関わりの強化 事業所の立地が地域から孤立している事から、地域との交流や地域貢献に関して消極的である。家庭における地域との関わりの第一歩である「自治会」と「学校」との関係性を参考に、徐々に窓口を広げていく事が望まれる。 ◆支援の標準的な実施方法 支援の質の低下防止、またリスクマネジメントの意味でも、全ての子どもに対して当てはまる「標準的な実施方法」を決めておく必要がある。このベーシックな対応を踏まえた上で、子ども個々の個別支援計画に沿って支援を進めることが適切な支援につながっていく。策定を急がれたい。 ◆生活の満足度調査 子どもの意見は、職員面談や「子ども会議」などで聞くことができるが、快適な生活と養育支援の向上の意味で、生活上の様々な項目についての満足度調査の実施の期待したい。支援の中に、子どもの意向を正確に反映させる意味でも、食事だけでなく生活全般のアンケート調査の実施が望まれる。 ◆多様なニーズへの対応 「子どもの最善の利益を守る」という大前提で考えれば、入試失敗者や中退者、就労中の子どもなどに対する措置の継続や延長等の支援について、柔軟な対応が求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価を受審することにより、当施設として至らぬ点と取り組めている点の「気づき」となりました。 和光寮では現在、施設のユニット化を進めています。令和4年度のユニット化された生活に向けて、改善が求められると指摘された「標準的な支援の実施方法」を早期に確立し、「子どもの気持ち・ニーズをくみ取る仕組み」を充実させ、さらには「地域との関わりの強化」に努めたいと思います。 今回、子どもの最善の利益に向けた養育・支援等に関して高い評価を頂きましたことを励みに、当施設の理念のもと、一層子どもたちのための養育を実現したいと思います。 |