【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK18210 地福第2250-42号 SK18127 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 鈴木靖之 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://www.seishinkai.info/ | |||
開設年月日 | 1962年11月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 誠信会 | |
職員数 | 常勤職員 | 23名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 保育士 | 8名 | 児童指導員 | 7名 |
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心理士 | 1名 | 家庭支援専門相談員 | 2名 | |
職業指導員 | 1名 | 栄養士・調理員 | 4名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 13室 | (イ)設備等 | 厨房・食堂 |
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(ウ) | 医務室・静養室 | (エ) | 図書館・相談室 | |
【3】理念・基本方針 | ★理念 ・群生和楽:全ての人々が穏やかに楽しく暮らせる日々の実践 ・個別支援と地域支援の統合による『地域の日常生活に寄り添った福祉の実践 ・少子高齢化などの社会問題により、多様化・複雑化していく地域での福祉ニーズに応じる為、児童・障がい相談の部門間連携及び地域住民や社会資源との協働を図り、地域に寄り添った生活支援を目指す。 ★基本方針 ・社会福祉の理想の実現、行動していくことで貴重な理論を生む。 ・子育て支援の充実 |
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【4】施設の特徴的な取組 | <人的サービス面> ・被虐待児対応から生育歴において精神的な課題を抱えている児童への支援 ・可能な限り家庭の再統合に向けての支援を関係機関と連携し行っている ・予算面において生活に関わる教育、教育娯楽等は子どもの利益として優先している ・退所後児童のアフターケア <設備・環境面> ・安心安全な環境(清潔な居室の提供、少人数による安定した生活) ・屋外遊具、運動場の設備があり地域の子どもたちの遊び場となっている ・市内の住宅地に設備され町内会、子ども会との連携が図りやすい |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2019年06月10日(契約日)~ 2020年01月10日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成28年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価が高い点 ◆次世代育成の方針 養育・支援の質の向上の主要な要素の一つを「職員個々の資質の向上」と捉え、職員の育成に注力している。「職員自身が自分で答えを出す」ことを職員の資質の向上の指標としており、日々の業務の中でそれを指導している。例示すれば、今回の第三者評価受審に関して、施設長自らは表舞台に出ず、次代を任せるべき若い職員にその任を託していた。一般的に、後継者を育てられないまま職を辞す上級管理職が多い中、現施設長が去った後、当該事業所の運営が円滑に推移していたとしたら、それは現施設長の指導力の賜物であろう。 ◆子どもの「命を守る」使命 子どもの「命を守る」ことを最優先に考え、行政からの一時保護や緊急一時保護の要請には、「全て受ける」ことを基本として取り組んでいる。そのため、夜間帯の受け入れ要請には、上司の判断を仰ぐことなく、担当職員(夜勤者)の判断に委ねることをルール化している。子どもの「命を守る」使命の完遂と、前述の「自分で考えて動く」次世代育成方針の実践である。 ◆自主性・主体性を尊重した支援 子どもの自主性・主体性を尊重した支援が行われており、日常生活をする上で必要となる最低限のルールを定めているだけで、細かなルールで子どもを縛らないようにしている。子どもの行動上の問題が起きた時やルール違反があった時等に、一律にペナルティーを科すのではなく、話し合いを重ねることで子どもの気持ちに寄り添った支援に結びつけている。 ◆ネットワークシステムの活用 子どもに関する支援の記録が、統一した様式によりパソコン上に記録されており、ネットワークシステムを利用して毎日の引継ぎや回覧等で活用されている。繁雑な業務に追われる直接処遇の職員にとって、業務の省力化だけでなく、職員間での情報共有の有効なツールともなっている。 ◇改善が望まれる点 ◆研修効果の評価 法人主導の階層別研修が組まれ、それを補完する意味から事業所の内部研修が計画されている。さらに職員個々の専門性を伸長させる目的で、外部研修への参加を奨励している。履修後には「復命書」、「研修報告書」が提出されているが、その時点で研修が完結し、研修効果の測定・評価が実施されていない。履修後の一定期間を経た時点で、研修効果を確認する仕組みを構築されたい。 ◆PDCAサイクルの活用 支援に関する標準的な実施方法として「誠心少年少女の家業務心得」や「日課表」等の手順書を定めているが、これらの手順書を定期的に見直すとともに、手順通りに実施されているかどうかを確認するための仕組みを構築することが望まれる。また、家庭的養育の精神を重んじ、事業所全体の行事を減らしてコテージ中心の取り組みを増やしたり、行事によっては希望者のみの参加にする等の変更(改善)を実施している。地域の少年野球チームへの参加、学習塾や習い事も認められており、今年度から高校生の外泊が許可された。総体的に見て、子どもの満足度は大きく高まったと思われるが、それらの変更(改善)が正しかったか(効果があったか)否かの評価・検証が必要となる。常にPDCAサイクルの意識を持って取り組んで欲しい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 誠信少年少女の家として、子どもの個別支援を重視していることを高く評価して頂いた点が職員の自信につながりました。一方で、個別支援の視点を重視している一方で、施設全体としての取組みに対する効果測定ができていなかったことについて指摘いただきましたことについては、今後の事業運営に活かしてまいります。 また、今回の第三者評価による自己評価を通して、職員が自分たちの社会的養護に関する事業、子どもの処遇について客観的に考察できる機会になりました。職員が自分たちで新たな課題を見つけ出すことにより専門性を一層と高められることも期待されます。 |