社会的養護施設第三者評価結果 検索

岩倉学園

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK18210
SK18125



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 渡井 すみ子 所在地 静岡県
URL http://www.seishinkai.info/
開設年月日 1970年11月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 誠信会
職員数 常勤職員 23名 非常勤職員 4名
有資格職員 児童指導員 6名 保育士 12名
栄養士 1名 調理員他 4名
施設設備の概要 (ア)居室数 16室 (イ)設備等 コテージ5か所
(ウ) 集会室 (エ) 厨房
【3】理念・基本方針 ★理念
   群生和楽 ~すべての人々の幸福のため~
この理念を具現化していくための「誠信会あるべき人材像」5か条があり、毎朝唱和をしている。

★基本方針
 様々な事情を抱えた子どもたちに、安心・安全に暮らせる「あたりまえの生活」を保障していくことや、そういった日々から自立した社会生活に必要な基礎的な生きる力を養っていく。子ども一人ひとりが、安心感をもてる場所で大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感を取り戻せるようにしていくとともに、自立支援・アフターケアを充実させていく。また、家族や保護者との連携をとり、子どもだけでなく家族支援も併せて行い、家族の再構築・家庭復帰を目指していく。
【4】施設の特徴的な取組  地域の民家と離れていることから、敢えて施設の機能を活用していただけるよう工夫をし、地域貢献・連携に努めている。敷地内のNINOMARU villageの整備やママさん応援プロジェクト(リラックスヨガ・ベビーマッサージ等)の実施、及び、イベントの開催など、地域の方々が遊びに来る、場所を提供するなどを実施している。また、児童家庭支援センターを運営し、地域の子育て支援に貢献している。また、そのような環境下での生活により、入所している子どもたちが不利益を被らないように工夫をし、支援に生かしている。
【5】第三者評価の受審状況 2019年07月26日(契約日)~ 2020年03月10日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
◆すべての人々の幸福のため
 「『群生和楽』~すべての人々の幸福のため~」との法人理念に基づき、理念に忠実な法人経営・事業所運営が行われている。社会的養護部門(児童養護施設運営)だけでなく、障害者、高齢者、子育て支援と、様々な事情によって他の支援を必要とする人たちに手を差し伸べている。当該事業所の敷地内にある「NINOMARU village」の建設が進み、ここで子どもと障害者、高齢者がそれぞれの役割を持ちながら生活する「共生社会」建設のトライアルが始まろうとしている。

◆子どもの声を聞く
 施設長が、療育・支援が適切に実施されているか、否かを、子どもに直接接することで確認している。そのために積極的に子どもの輪に入り、子どもの声を聞いている。夏休みのラジオ体操に全て出席した子どもとアイスを食べに行ったり、施設長に話しを聞いてもらいたくて施設長室に「飴」をもらいに来る子どももいる。子どもの生の声が施設長に届き、適切な事業運営の基となっている。

◆進路決定とアフターケア
 本人、家族に対して、進路の選択に必要と思われる様々な資料や情報を提供している。奨学金や親族の援助を得て大学に進学する子どもや、目的をもって高校を中退して自らの力で社会生活を送る子どもなど、自らの進むべき道を自己決定している。住居地の生活に関する相談窓口の一覧などを渡して説明し、いつでもどこにでも相談できることを伝えている。卒園後、事業所のお祭りやクリスマス会等のイベントの機会に、元入所者が集まってくる。コックを目指している退所者が料理をふるまうなど、いつでも遊びに来られる事業所であり、相談できる職員、安心できる場所として交流とアフターケアが続いている。

◇改善が求められる点
◆適切な育成面談の実施を
 「キャリアパスの構築」と「人事考課制度」、「目標管理による職員育成」、この3点が相互に連携する形で総合的な人事管理のシステムが構築されている。その中の目標管理は、「育成計画シート」を使い、職員は4つの課題についてそれぞれのチャレンジ目標を設定して取り組んでいる。2ヶ月ごとに上司との面談を実施し、チャレンジ目標の達成度を評価し、取り組みの進捗状況を確認・検証することとなっている。しかし、落とし穴がある。上司との2ヶ月ごとの育成面談がタイムリーに実施されず、遅れ気味になっている。忙しさに紛れることなく、優先順位を決めて、適切な育成面談が実施されることを期待したい。

◆改善活動の横展開を
 コテージ毎に職員が固定的に配置されており、独立性の高いコテージ運営が行われている。毎月子どもから「生活アンケート」を集め、3ヶ月ごとに子どもと職員とによる「コテージ会議」が開催され、それぞれが有効に機能している。コテージ固有の課題をコテージ単位で取り組み、解決に導いている。しかし、顕在化したコテージ固有の課題は、他のコテージの潜在的な課題である可能性もある。コテージ間で課題を共有して、横展開の活動となることを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 大変お世話になりました。今回で3回目の受審でした。
前回の受審においての指摘・助言事項については、早急に改善した項目と時間をかけて確実に改善できるように心がけて実践した項目がありました。
今回も新たな課題が明確となり、その結果は真摯に受け止め、PDCAサイクルを活用し、早急に確実に改善していく所存です。
岩倉学園で暮らす子どもたちが、のびのびと成長できる環境を整えていけるよう、子どもの最善の利益のため、施設運営に反映し、職員一丸となって取り組んでいきたいと思います。
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