【1】第三者評価機関名 | (社福)静岡県社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | S15040 H28-a001 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 松田 正幸 | 所在地 | 静岡県 | |
URL | http://www.denmark-bokujyo.or.jp/ | |||
開設年月日 | 2007年03月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人デンマーク牧場福祉会 | |
職員数 | 常勤職員 | 22名 | 非常勤職員 | 5名 |
専門職員 | 心理療法担当職員 | 1名 | 家庭支援専門相談員 | 2名 |
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栄養士 | 1名 | |||
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 管理棟、生活棟(幼児棟、小規模グループケア棟、一般棟、新小規模棟) | (イ)設備等 | 生活棟は、幼児以外は全員個室。各棟に食堂、トイレ、風呂場 |
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(ウ) | 管理棟に、集団遊戯療法室、個別遊戯療法室、医務室、事務室 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | キリスト教の精神に則り、多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が、他人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ、自立した日常生活を地域生活において営むことができるよう支援する。 | |||
【4】施設の特徴的な取組 | 幼児以外は全員に個室が提供され、それぞれの好みで居室が整えられて、食堂も生活棟ごとに食事することで、家庭に近い環境になっています。施設は敷地50万㎡の広大なデンマーク牧場の一端に位置し、牧場と共に在る施設となっています。「育ち合う職員集団」として、各種の研修に積極的に参加する他、トレーナー制度を用い、新人職員の育成も図っています。また、地域に向けた研修会・講演会も実施しています。静岡県西部地区児童福祉施設退所者の就労を支援する会「みちしるべ」の事務局、精神科診療所「こひつじ診療所」が隣接しているため、様々な課題を併せ持つ子どもたちへの医療的サポート(診断と援助)が、日常的に行われています。 | |||
【5】第三者評価の受審状況 | 2016年07月26日(契約日)~ 2017年02月15日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【特に評価が高い点】 ・家庭的養護の推進が叫ばれる中で、率先して小規模化をしてきた施設ですが、ユニットケアが抱える問題性に直面しながら、しっかりと課題を見据え真摯に対応しています。 ・子どもへの対応に関して、“慎重に”なされていることが分かるのが、今回の自己評価でした。適切な支援をしていながらも、支援者として、子どもの最善の利益を目指し、もっとできることはないかと、常に探求する姿勢を高く評価します。 ・事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが、職員等の参画の下で、組織的に行われています。 ・施設長は、自らの施設の経営・管理の関する方針と取組を明らかにし、自らが積極的に研修等に参加し、自己研鑽に励むことで、職員の支援の質の向上のために、リーダーシップを発揮しています。 ・安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われています。 ・適切なアセスメントにより、自立支援計画が策定されています。 ・職員が、良い支援ができているか振り返り、話し合える場として「擦り合わせよう会」を定期的に開いています。 ・大勢が訪問する各種見学者・ボランティアや、隣接する自立援助ホーム「こどもの家」やデンマーク牧場などとの連携で、さまざまな体験・ふれあいができています。 ・小学生以上は全員個室であり、それぞれの生活棟に管理的雰囲気はなく、ユニット支援の環境作りがなされ、子どもが安心していられる場所になっています。 ・隣接する「こひつじ診療所」と連携することで、身体的な健康だけでなく、心理的・情緒面での健康にも配慮した支援が行なわれています。 ・就労を支援する会「みちしるべ」等のネットワークを通して、職場体験等を行っています。 【特に改善が求められる点】 ・保護者等に、子どもに関わる計画だけではなく、事業計画をわかりやすく周知する工夫が必要です。 ・体罰等があった場合を想定した仕組みの整備が求められます。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 日々、職員が精一杯奮闘していることに対して、個々の項目において高い評価をいただいたことは、大変ありがたく思います。 児童養護施設の職員は、どんな苦境においてもそれを笑い飛ばしてしまうぐらいの大らかさと、同時に子どもたちの心の綾を敏感に感じ取ることができる繊細な感受性が求められています。 さらに職員は、虐待を受けた子どもたちの怒りを、そして哀しみを丸ごと受け止めながら、ある時は叱り、ある時は共に泣き、ある時は淡々と聞き流したり・・・、こんな度量さえ要求される職場でもあります。 だからこそ、何よりもその最前線にいる職員をいかにサポートできるのかが施設には厳しく問われています。職員が施設に誇りを持ち、活き活きと働き続けられる施設に成長することが、そのまま子どもたちへの良質な養育に繋がると思っています。 施設長としては、様々なマニュアルの整備と併せ、当法人が管理しているデンマーク牧場を大いに活用し、職員が人間としての深みや包容力を培うことのできる土壌を作り出したいと考えています。 |