社会的養護施設第三者評価結果 検索

聖母乳児院

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
【2】種別 乳児院 定員 35名
施設長氏名 鳥越 克己 所在地 新潟県
URL http://www.niigatacaritas.or.jp/
【3】実施調査日 2014年04月01日~2015年03月09日
【4】総評 【特に評価が高い点】
○施設理念に基づき子どもの最善の利益と権利擁護に向けた養育支援に努めている。
 施設理念の中に「社会的養護を必要としている乳幼児に対して、家族や地域社会、関係機関と協働しながら利用者の権利擁護と、最善の利益を考慮する」ことを謳っており、その理念に基づき子どもの最善の利益と権利擁護に向けた養育支援に努めている。毎日の朝礼での施設理念の唱和、毎月の職員会議での全国乳児福祉協議会作成の倫理綱領の読み合わせ等の取り組みにより、施設理念や乳児院職員としての倫理について全職員に周知している。院長をはじめ副院長、主任は職員のスーパーバイザーとなり、理念に基づいた養育支援が行われているかを日々相談、指導に努めている。

○乳幼児に対し肯定的な関わり、応答的な関わりのもと養育支援を行っている。
 子どもへの言葉かけ、働きかけに関しては肯定的、応答的であることを心がけ、その入所の経緯を勘案し、まずは自己肯定感を育むため、否定的な言葉を使わず子どもを受容することを養育の基本としている。個別の発達段階にあわせた保育目標を設定し、毎月基本的な関わり方などを保育会議で確認している。してはいけないことを教えるとき、しなければならないことを教えるときも月齢にあわせた言葉を選び、大きな声で注意したり無理強いしたりすることのないようにし子どもが養育者との信頼関係を結び安心した生活環境を感じられるような養育支援を行っている。

○子どもの「いのち」を最優先に考えた健康管理が行われている。
 小児科医である院長は、「命を守ることがまずは最優先」との方針のもと乳幼児の健康管理を行っている。乳児のSIDSの予防対策をはじめ、院長の回診、感染症の予防対策、服薬管理や誤与薬への対策、詳細な健康観察記録での一人ひとりの健康状況の把握等、乳幼児の健康管理が行き届いている。

【特に改善が求められる点】
○人材体制プランに基づいた人事管理が望まれる。
 社会福祉士、臨床心理士等の資格取得の推奨を法人として行っており、資格取得者への報奨制度、また、永年勤続者への表彰制度などを中・長期計画に位置付け今後も継続する予定である。しかし、人材体制プランとして臨床心理士、社会福祉士などの資格者保有者に対する具体的なプラン、家庭支援専門相談員や里親支援専門相談員など今後の施設での必要な人材体制についての具体的プランなどの策定までにはいたっていない。施設の中・長期計画を実施するためにも具体的な人材体制プランに基づいた人事管理が望まれる。

○現場職員の課題改善と職員理解に向けての検討が望まれる。
 経営層は基準を上回る人員配置をし、深夜帯の職員、パート職員の増員等を行い、養育支援の質の向上や安全配慮に尽力している。一方、職員の自己評価アンケートでは、勤務体制、勤務状況改善などに取り組んでほしいとの意見があげられており、業務状況や人員体制に関して経営層と現場職員間の視点の差異があることがうかがえた。施設では、職員面談等を実施し職員の状況等を把握するなどの改善等に努めているが、施設の中・長期計画である職員定着率アップ、キャリアアップの仕組みの構築等今後の人材育成計画にも繋がっていくと思われるため、さらに経営層と現場の職員とで課題の共有、改善に向けて検討していくことが望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 法人の理念はキリスト教的人間観により、すべての命は神から愛された賜物であること、一人一人に固有の使命が託されていることを基本理念としている。このことを受けて乳児院では、すべての子どもの「いのち」を尊重し「こころ」を育てることを基本方針とし、モンテッソーリ教育法により、0歳からの発達の敏感期を捉え、一人一人に丁寧な自立支援計画をたて、自己肯定感の得られる養育支援を行っている。
 このたび第三者評価受審にあたっては、養育支援全般、家族への支援、自立支援計画.記録、権利擁護、事故防止と安全対策、関係機関連携.地域支援、職員の資質向上、施設運営まで、全職員が懸命に取り組んだ。全項目にわたり日々の営みをとらえなおす、よい機会となった。結果を全職員で検証し今後の運営に活用していきたい。
 高く評価された3点については今後も継続するエネルギーを維持していきたい。
 指摘事項の人材体制プランに基づいた人事管理が望まれることについては、それぞれの専門職が有効に機能するよう仕組みづくりをしていきたい。
 次に、現場職員の課題改善と職員理解に向けての検討が望まれることについては、課題に向けて双方の立場の理解を深め合い、業務改善の見直しを図りたい。
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